【不定期】自意識過剰の勘違い勇者は、今日も聖女に縋りつく!

アノマロカリス

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聖女メローナと勇者カースの章

第四話 惨敗

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 「全くよ…今更中級者の洞窟って、さっさと終わらせてからギルドに報告して、ホームで騒ごうぜ!」

 カースは気付いていなかった。
 ホームを既に失っていた事に…ホームは、Bランクパーティー以上と聖女がいる場合のみ使う事が許される。
 聖女が居ない上にパーティーランクが下がっていて使える訳がない。

 「一層は確かホブゴブリンだったよな?」
 「たりーな…さっさと終わらせちまおうぜ!」

 カースたちが中級者の洞窟に入ると、そこには30体のホブゴブリンとゴブリンコマンダーがいた。
 カースたちはいつもの通りに力を奮ったが…全く歯が立たなかった。

 「な…何だと⁉ 何故俺がこの程度の奴に後れを取る⁉」
 「なんだかコイツ等強くなってないか⁉」
 「ちょっと、前衛なんだからしっかりしてよ! こっちまで攻撃が来るじゃない‼」
 「私達は戦えないんだから、前衛が役に立ってよね!」

 そう…メローナはどんな時も有利に事が運ぶ様に補助魔法を施していた。
 通常…聖女は詠唱を用いて補助を行うが、メローナは無詠唱で魔法を発動出来る為に、普段から何もしていないと錯覚を起こしていたのだった。
 そして敵を舐めて向かって行ったカースたちは…ホブゴブリンにボコボコにされてから、ビーシャとアーズレバは連れ攫われてしまった。
 カースとズークは、入り口に戻って援軍を呼ぼうとしたが…入り口で待機していた冒険者パーティーが洞窟に入って良き、ビーシャとアーズレバを救って来た。
 カースたちが喜んだのも束の間、冒険者ギルドに帰ってから報告をすると…ランクは更に下がってEランクになっていた。
 
 「ちょっと待ってくれよ! 今日は…調子が悪かっただけだ!」
 「確か冒険者ギルドから出る前に、俺達は上級者の洞窟をクリアしていたとか言っていませんでしたっけ?」
 「あれは…」
 「いい加減に認めないさい。 貴方達の実力は、聖女がいなければその程度だという事にね!」
 「認めねぇ! 認めねぇぞ‼ メローナ何かほとんど役に立っていなかったって言うのに…」
 「諦めが悪いですね…では、今度は初心者の洞窟に行って下さい。」
 「はぁ? 初心者の洞窟だぁ⁉」

 カースたちは、余程馬鹿にされたのが悔しくて初心者の洞窟に向かって行った。
 初心者の洞窟は、5階層のダンジョンで最終地点にフロアボスがいる。
 だけど、5層のフロアボスに到着する事は出来ずに…4層の敵に囲まれてパーティーは全滅した。
 今迄どれだけメローナの存在が大きかったかを痛感した3人だった。

 そしてカースは、受付で報告をすると…
 Eランクパーティーから更に降格して、Fランクパーティーになったのだった。
 
 さて…このままでは終われないと思ったカースが取った行動は?
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