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第二十八話
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「ほほぅ……すると、ネフティスと名乗る貴族令嬢に貨物置き場に乗り込んでいれば、後で迎えに行くと言われたんだな?」
「そうなのです。私の何処が気に入ったのかは分かりませんが…」
ファグリューは自分に罪が被らなくする為に、ネフティスの名前を出して罪を被せる事で難を逃れようとしていた。
適当な名前の貴族名を出して、後にバレる事よりも…?
実際にいる貴族の名前を出せば、調べられても大丈夫だと思っていた。
…のだが?
「そんな嘘に騙されると思っているのか?」
「いえ、私は嘘だなんて…」
「客船ならともかく、この船は貨物船だぞ。お前の話す貴族様が乗っていると思っているのか?」
「え⁉︎」
ファグリューは乗り込む船の全貌を思い出した。
その船は、確かに客船の様な個室がある船を選んだと思っていた。
では、あの個室の扉が見えていたのは何故…?
ファグリューは疑問に思って首を傾げていると、船長は話してくれた。
「この貨物船は、主に商会や貴族様の運搬を目的とした船なのだが、金が掛かっているだけあって船員達の待遇も良いし、給料もそれなりに高い。なので、船員達は航海の間はそれぞれに個室が与えられている…が、その部屋に貴族様が乗船する事はない。」
「ですが、船員達の中には…邪な考えをする者も居るのでは?」
「今迄にいなかったとは言えない…が、その辺は徹底して管理をされている。もしも不正者が発見されれば、すぐに公的機関に引き渡されて重い処罰をされるのでな。」
「な、なるほど…」
「で、話は戻るが…」
「ですが、私は確かに貴族令嬢にそう言われたのです。」
「それは揶揄われたか、騙されたのだろう。」
良し、これで自分への疑いは晴れた!
ファグリューはそう思っていたのだが、事はそう簡単に行く程…甘くは無かった。
一般の貨物船だったら、恐らくはそこまで重い罪になる事は無かっただろう。
だが、この貨物船の場合だと…?
果たしてファグリューは、この先…どんな処罰を言い渡されるのだろうか?
「そうなのです。私の何処が気に入ったのかは分かりませんが…」
ファグリューは自分に罪が被らなくする為に、ネフティスの名前を出して罪を被せる事で難を逃れようとしていた。
適当な名前の貴族名を出して、後にバレる事よりも…?
実際にいる貴族の名前を出せば、調べられても大丈夫だと思っていた。
…のだが?
「そんな嘘に騙されると思っているのか?」
「いえ、私は嘘だなんて…」
「客船ならともかく、この船は貨物船だぞ。お前の話す貴族様が乗っていると思っているのか?」
「え⁉︎」
ファグリューは乗り込む船の全貌を思い出した。
その船は、確かに客船の様な個室がある船を選んだと思っていた。
では、あの個室の扉が見えていたのは何故…?
ファグリューは疑問に思って首を傾げていると、船長は話してくれた。
「この貨物船は、主に商会や貴族様の運搬を目的とした船なのだが、金が掛かっているだけあって船員達の待遇も良いし、給料もそれなりに高い。なので、船員達は航海の間はそれぞれに個室が与えられている…が、その部屋に貴族様が乗船する事はない。」
「ですが、船員達の中には…邪な考えをする者も居るのでは?」
「今迄にいなかったとは言えない…が、その辺は徹底して管理をされている。もしも不正者が発見されれば、すぐに公的機関に引き渡されて重い処罰をされるのでな。」
「な、なるほど…」
「で、話は戻るが…」
「ですが、私は確かに貴族令嬢にそう言われたのです。」
「それは揶揄われたか、騙されたのだろう。」
良し、これで自分への疑いは晴れた!
ファグリューはそう思っていたのだが、事はそう簡単に行く程…甘くは無かった。
一般の貨物船だったら、恐らくはそこまで重い罪になる事は無かっただろう。
だが、この貨物船の場合だと…?
果たしてファグリューは、この先…どんな処罰を言い渡されるのだろうか?
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