私を手放して、後悔は致しませんね?

アノマロカリス

文字の大きさ
上 下
24 / 29

第二十三話

しおりを挟む
~~~~~物語は半年前に遡る~~~~~

デルキアッシュ王国の第二王子、デルトルーティス王子と何故婚約をするという話になったかというと?

この王国では、第一王子は既に王位を継承するという話が決まっていて、第二王子の役割は下から国を支える為に尽くすと決まっていた。

それに、まだ嫁に出ていない……というより、事情があってまだ嫁に行けない姉と妹が城の中で雑務をこなしてくれている為に、本来は自分が受け持っていた仕事が姉と妹が引き受けている状態なので、割と暇な日を送っていたのだった。

何故…そうなったのかと言うと、姉と妹の嫁ぎ先は知識と教養が条件という話だという事だった。

姉も妹も王族として生まれているので、教養はそれなりにあるのだが?

知識と言われる物もそれなりにはあるんだけど、嫁ぎ先が求める知識というのが情勢や政治に関する事なので、その辺の分野はあまり深くはないので、それを身につける為にデルトルーティス王子の仕事を受け持ってこなしているのだった。

なので、デルトルーティス王子は、王位を継承する為の堅苦しい結婚は要求されず、相手は貴族であれば特に問題はないという感じだった。

では、この二人が何処で知り合うキッカケになったかというと?

実はこの二人、こんな形で出会っていたのだった。

最近巷で有名になりつつある、ノブレス・オブリージュ商会。

この商会で取り扱っている物の品々は、他でもあまり見ない珍しい物が多い。

その為に、少しでもその商品を知ろうと…ノブレス・オブリージュ商会の扉を叩く者が後を経たない。

カーネラも、人を雇う事に対しては大いに賛成なんだけど…?

その大半が、良からぬ事を考える者達ばかりで…中々人が増えることはなかった。

まぁ、中にはまともな者も数人はいたけど、他の者達と言えば…?

まぁ、そんなこんなでデルトルーティス王子は、身分を隠して商会の扉を叩き、雇用してもらえる事に成功したのだった。

そして1ヶ月間働いた結果、初めは見習いとして雇用されていたデルトルーティス王子も、能力を買われて書類整理などを任されて行き…現在では、カーネラの補佐を務められる程になったのだった。

「ルーティンは非常に能力が高い…ううん、高過ぎる感じだけど…本当に商会の仕事はしたことはないの?」

「自分は、こう言った職種の仕事は初めての経験ですね。まぁ、商会ではありませんでしたが…立場上の問題としては、書類作成や計算はよく行なっていました。」

…という感じで、意気投合したカーネラとデルトルーティス王子でしたが、この1ヶ月後にふとした事でデルトルーティスが王子だという事が明かされます。

そうなってからの展開は非常に早く進んで行き…

この二人の婚約の話が決まりました。

……ですが、物事はそう簡単に行かないんですよねぇ?
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

妹に婚約者を奪われたので妹の服を全部売りさばくことに決めました

常野夏子
恋愛
婚約者フレデリックを妹ジェシカに奪われたクラリッサ。 裏切りに打ちひしがれるも、やがて復讐を決意する。 ジェシカが莫大な資金を投じて集めた高級服の数々――それを全て売りさばき、彼女の誇りを粉々に砕くのだ。

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

もういいです、離婚しましょう。

うみか
恋愛
そうですか、あなたはその人を愛しているのですね。 もういいです、離婚しましょう。

【12話完結】私はイジメられた側ですが。国のため、貴方のために王妃修行に努めていたら、婚約破棄を告げられ、友人に裏切られました。

西東友一
恋愛
国のため、貴方のため。 私は厳しい王妃修行に努めてまいりました。 それなのに第一王子である貴方が開いた舞踏会で、「この俺、次期国王である第一王子エドワード・ヴィクトールは伯爵令嬢のメリー・アナラシアと婚約破棄する」 と宣言されるなんて・・・

王侯貴族、結婚相手の条件知ってますか?

時見 靜
恋愛
病弱な妹を虐げる悪女プリシア・セノン・リューゲルト、リューゲルト公爵家の至宝マリーアン・セノン・リューゲルト姉妹の評価は真っ二つに別れていたけど、王太子の婚約者に選ばれたのは姉だった。 どうして悪評に塗れた姉が選ばれたのか、、、 その理由は今夜の夜会にて

女性として見れない私は、もう不要な様です〜俺の事は忘れて幸せになって欲しい。と言われたのでそうする事にした結果〜

流雲青人
恋愛
子爵令嬢のプレセアは目の前に広がる光景に静かに涙を零した。 偶然にも居合わせてしまったのだ。 学園の裏庭で、婚約者がプレセアの友人へと告白している場面に。 そして後日、婚約者に呼び出され告げられた。 「君を女性として見ることが出来ない」 幼馴染であり、共に過ごして来た時間はとても長い。 その中でどうやら彼はプレセアを友人以上として見れなくなってしまったらしい。 「俺の事は忘れて幸せになって欲しい。君は幸せになるべき人だから」 大切な二人だからこそ、清く身を引いて、大好きな人と友人の恋を応援したい。 そう思っている筈なのに、恋心がその気持ちを邪魔してきて...。 ※ ゆるふわ設定です。 完結しました。

処理中です...