私を手放して、後悔は致しませんね?

アノマロカリス

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第十九話

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一方、カーネラはというと?

故郷での商売以外に、新たに創り出した娯楽品が爆発的に売れて商会の規模も大きくなっていった。

対戦型のチェスやリバーシ、それ以外にも複数人で出来るテーブルゲームだった。

テーブルゲームというと分かりにくいかも知れないので、すごろくと言ったほうがわかりやすいかな?

そのすごろくの内容は、領土の拡張の為にあらゆる事業に手を出して成り上がるというゲームだった。

暇を持て余す貴族達は、この内容のゲームを大層気に入り…現在ではカジノでもすごろくが取り扱われた。

平民用のゲームだと、付属されている仮想硬貨を使用するんだけど…?

貴族達は実際に金銭でのやり取りを行なっていた。

これにはカーネラも誤算だったみたいで、まさか貴族に受けるとは思ってはいなかった。

「まさか、アレがカジノの目玉になるとはね…」

「カードゲームもスニッファレースも同じ内容の繰り返しですからね、長い内容で楽しめられる物を望むのでしょう。」

「最初は平民が貴族に出世する…なんていう内容の物を作ったけど、貴族にはウケなかったみたいね。」

「そりゃあ、元から貴族ですからね。だけど、領地拡張の為にあらゆる事業に手を出して、発展や衰退を…という内容も、貴族以外の平民になら受けを狙えるかもしれませんが…」

そして、同時に開発をしていた食べ物に関する物も好調に売り上げを叩き出すことができていました。

カーネラの新しく目を向けた商品は、チョコレート…

カックオという星型の実をすり潰して、一部の地域ではコーヒーに変わる飲料として飲まれていたのですが、香りは良いのですが味は苦く、砂糖を加えることが出来れば…もっと世の中に広まっていてもおかしくはなかったのですが。

平民に砂糖なんて高級品が手に入れられる訳も無く、この商品はあまり世に広まりませんでした。

そこでカーネラは、濃く煮出したカックオの飲料に砂糖とミルクと水飴と小麦粉を混ぜて固形させて、それを大衆向けに販売を致しました。

本来、砂糖を使用した食べ物は高級の為に、購入出来る者が居るとすれば…貴族の様な富裕層のみ。

それを安価で販売する事により、平民でも無理をせずに手に取ることが出来るとして、大ヒットしました。

そして、チョコレートの噂を知るや否や…これも他国から足を運んで買い付けに来る者達が増えて、一躍世界に広まったのでした。

ですが、それがいけなかった。

チョコレートの噂の所為で、最も伝わっては欲しく無い人物の耳に届いてしまったのだから…
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