17 / 29
第十六話
しおりを挟む
ファグリューは、必死になって思い悩んでいた。
ネフティスのデザインした装飾品は、元手がカーネラのアイデア商品の収入からだったので痛手ではなかったが…?
物が全く売れず、それを置いてある倉庫も使われている素材が金や銀に宝石をあしらっているものの為、一般の倉庫に置いて置けるはずもなく、護衛付きの厳重な倉庫で保管している為に維持費の方が嵩んでいくばかりだった。
一応、赤字覚悟で国外にも売りに出してみたのだが…?
王国の下級貴族が購入したと言う話が広まっているせいか、国外でもあまり見向きはされなかった。
通常価格よりかなり値を下げられて、それでなんとか売れはしたものの…
それでも10個未満しか売れずにいた。
「デザインが1種類というのがそもそもの間違いだった。あの時の俺は、ネフティスの言葉を鵜呑みにして行ける…と思った事がそもそもの失敗だった。」
…そう、これでデザインが複数あるのなら同じ物を使用した装飾品でも数は捌けただろう。
ただ、デザインが1種類だと…?
他人が持っている同じ物を心良くは思わないのが貴族なので、貴族令嬢が仲の良い友人にお揃いで…というのなら?
それでも数はそんなに捌けるという物でもなかった。
そう、これは完全な失敗作として終わってしまったのだった。
そして壊滅的な状況を迎えている事も、ファグリューの悩みの種なのだが…?
もう1つ別の悩みがファグリューを悩ませていた。
あれからネフティスに次のデザインをお願いしたのだが、ネフティスはあの装飾品に絶対的な自信を持っていて、売れないのは売れる努力を怠っているとして…一切を受け付けなかった。
それにも関わらず、ネフティスの散財癖は留まることを知らずに、湯水の様に使って行っていた。
そして、そんなネフティスを見てファグリューは行動を起こし始めたのだった。
ネフティスのデザインした装飾品は、元手がカーネラのアイデア商品の収入からだったので痛手ではなかったが…?
物が全く売れず、それを置いてある倉庫も使われている素材が金や銀に宝石をあしらっているものの為、一般の倉庫に置いて置けるはずもなく、護衛付きの厳重な倉庫で保管している為に維持費の方が嵩んでいくばかりだった。
一応、赤字覚悟で国外にも売りに出してみたのだが…?
王国の下級貴族が購入したと言う話が広まっているせいか、国外でもあまり見向きはされなかった。
通常価格よりかなり値を下げられて、それでなんとか売れはしたものの…
それでも10個未満しか売れずにいた。
「デザインが1種類というのがそもそもの間違いだった。あの時の俺は、ネフティスの言葉を鵜呑みにして行ける…と思った事がそもそもの失敗だった。」
…そう、これでデザインが複数あるのなら同じ物を使用した装飾品でも数は捌けただろう。
ただ、デザインが1種類だと…?
他人が持っている同じ物を心良くは思わないのが貴族なので、貴族令嬢が仲の良い友人にお揃いで…というのなら?
それでも数はそんなに捌けるという物でもなかった。
そう、これは完全な失敗作として終わってしまったのだった。
そして壊滅的な状況を迎えている事も、ファグリューの悩みの種なのだが…?
もう1つ別の悩みがファグリューを悩ませていた。
あれからネフティスに次のデザインをお願いしたのだが、ネフティスはあの装飾品に絶対的な自信を持っていて、売れないのは売れる努力を怠っているとして…一切を受け付けなかった。
それにも関わらず、ネフティスの散財癖は留まることを知らずに、湯水の様に使って行っていた。
そして、そんなネフティスを見てファグリューは行動を起こし始めたのだった。
12
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説

てめぇの所為だよ
章槻雅希
ファンタジー
王太子ウルリコは政略によって結ばれた婚約が気に食わなかった。それを隠そうともせずに臨んだ婚約者エウフェミアとの茶会で彼は自分ばかりが貧乏くじを引いたと彼女を責める。しかし、見事に返り討ちに遭うのだった。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様の重複投稿、自サイトにも掲載。
【完結24万pt感謝】子息の廃嫡? そんなことは家でやれ! 国には関係ないぞ!
宇水涼麻
ファンタジー
貴族達が会する場で、四人の青年が高らかに婚約解消を宣った。
そこに国王陛下が登場し、有無を言わさずそれを認めた。
慌てて否定した青年たちの親に、国王陛下は騒ぎを起こした責任として罰金を課した。その金額があまりに高額で、親たちは青年たちの廃嫡することで免れようとする。
貴族家として、これまで後継者として育ててきた者を廃嫡するのは大変な決断である。
しかし、国王陛下はそれを意味なしと袖にした。それは今回の集会に理由がある。
〰️ 〰️ 〰️
中世ヨーロッパ風の婚約破棄物語です。
完結しました。いつもありがとうございます!

彼が愛した王女はもういない
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
シュリは子供の頃からずっと、年上のカイゼルに片想いをしてきた。彼はいつも優しく、まるで宝物のように大切にしてくれた。ただ、シュリの想いには応えてくれず、「もう少し大きくなったらな」と、はぐらかした。月日は流れ、シュリは大人になった。ようやく彼と結ばれる身体になれたと喜んだのも束の間、騎士になっていた彼は護衛を務めていた王女に恋をしていた。シュリは胸を痛めたが、彼の幸せを優先しようと、何も言わずに去る事に決めた。
どちらも叶わない恋をした――はずだった。
※関連作がありますが、これのみで読めます。
※全11話です。

断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。

仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。

もう、終わった話ですし
志位斗 茂家波
ファンタジー
一国が滅びた。
その知らせを聞いても、私には関係の無い事。
だってね、もう分っていたことなのよね‥‥‥
‥‥‥たまにやりたくなる、ありきたりな婚約破棄ざまぁ(?)もの
少々物足りないような気がするので、気が向いたらオマケ書こうかな?

王侯貴族、結婚相手の条件知ってますか?
時見 靜
恋愛
病弱な妹を虐げる悪女プリシア・セノン・リューゲルト、リューゲルト公爵家の至宝マリーアン・セノン・リューゲルト姉妹の評価は真っ二つに別れていたけど、王太子の婚約者に選ばれたのは姉だった。
どうして悪評に塗れた姉が選ばれたのか、、、
その理由は今夜の夜会にて
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる