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第十一話

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「はぁ…分かったわ、だけど…本当に私を手放しても宜しいのですね?」

「あぁ、なんで俺はもっと早く決断をしなかったのか…それを後悔している。」

「カーネラ、貴女は此処を追い出されて実家に帰ろうと思っているかもしれないけど、貴女には帰っても向かい入れてはもらえないわよ!惨めよねぇ~!」

実家に帰る?

あの家に私の居場所がないことなんて分かりきっているし、態々戻ろうとする事なんて考えてない。

「最後にもう一度だけ聞きます。私を手放しても後悔はしませんね?」

「くどい!」

「そうですか…」

「本当に惨めよねぇ~、せいぜい知らぬ場所で野垂れ死ぬといいわ‼︎キャハハ~。」

ネフティスの下品な笑い声が耳に付いたけど、別れ話を決めたフェルサージに興味は無い。

だって、私を失った事により…ファグリューはこれから後悔をする事になるのだから。

私は執事のエンデとメイドのキャルーシーとメルリランに声を掛けて、この屋敷から出る為の準備を手配した。

エンデとキャルーシーとメルリランは、私がアイデアを具現化する為に手伝ってくれた者達だった。

私がデルード男爵家で商会の仕事をしていた時に、ファグリューと一緒に仕事をしていたわけでは無い。

ファグリューにはファグリューの仕事もあったし、私の仕事のサポートをする者達を自分で選別してくれと言われて、私はこの3人を雇い入れた。

エンデはこういった雑務が得意だったのか、私の言った通りに動いてくれていたし。

キャルーシーは料理が得意で、私のアイデアを形にしてくれた。

メルリランは仕事は程々にこなせるけど、人との関わりをすぐに持てるといった能力に長けていて、商品を広められる役目を買って出てくれた。

私達はチームであり、この屋敷から出る私に付いて来てくれるという許可も得ていたので、一緒に行動する事になっていた。

「カーネラ様、準備が整いました。」

「それで…どちらに向かう予定ですか?」

ネフティスがデルード男爵家に来た時点で、追い出されるのは分かりきっていたので…私は次の目的地を密かに計画をしていた。

デルード男爵家から近くの場所では意味がない。

何故なら近隣では、私のアイデア商品が出回っているからだった。

だったら、私のアイデア商品があまり出回っていない遠方に拠点を作ろうと思っていた。

「少し…いえ、此処からだとかなり離れているけど…王都デルキアッシュに移動しようと思うの。」

「王都デルキアッシュですか…かなりの長旅になりそうですね。」

デルード男爵家があるこの場所は、リセシュアーゼ大陸のエルザルーバ王国内。

王都デルキアッシュは、この場所から2つの大陸を船で移動したカラバルーデンス大陸の中心にある。

私は馬車に乗って出発をするのだけれど、その前に二つのある場所に寄ってもらった。

1つは商業ギルドで、もう1つは銀行だった。

私はそこで…ファグリューから離婚を言い渡されて、遠くの場所に行くと伝えておいた。

そして…ファグリューが破滅をする羽目になる手続きをして貰った。

ファグリューが破滅する理由は、次の回に話すとして…処理が終わってから、私はデルード男爵家があるこの土地から旅立って行ったのだった。

王都デルキアッシュに到着する迄は、およそ1ヶ月弱…

王都デルキアッシュに到着する頃には、デルード男爵家はどうなっているのかしらね?
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