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第八話
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「これが…あの男爵の芋なのか?」
「平民なら、形や味ですぐにわかると思いますが…上位貴族ではどうでしょうかね。」
上位貴族も男爵の芋は食べます。
ですが、マッシュポテトの様に潰されて他の食材と混ぜて料理として出される為に、原型を知る者はあまりいません。
今回フェルサージに食べさせた男爵の芋は、薄くスライスしてから油で揚げて塩を振りかけた…ポテトチップスの様なものでした。
「他にも、男爵の芋を使った料理があります。」
「これは…皮付きをそのまま切って油で揚げたものなのか?」
皮付きフライドポテトです。
この世界の男爵の芋は、平民が食べる場合は塩茹でなので、油で揚げるといった調理法は思い付かない様です。
「そして最後に、こちらも用意しました。」
「これは、パンにチーズを乗せた物か…ん?このパンは焼きたてなのか?」
「いえ、切ったパンを焼いてからチーズを乗せた物です。」
「わざわざ焼くのか⁉︎」
この世界のパンは、主にフランスパンの様な形状をしております。
一度焼いたパンは、もう一度焼こうと思う者がいない為に…輪切りにしてから火に掛けるという発想は思いつかない様です。
「しかし…デンコロモシといい、男爵の芋といい、パンといい…元手があまり掛からなくて安上がりだな?しかも、これなら間違い無く売れる物ばかりじゃないか‼︎」
「これなら露店で調理器具さえあれば簡単に調理出来ますし、安価で平民に提供して…更に噂で貴族の目に止まりでもしたら?」
「間違い無く大儲けが出来るな!しかも元手があまり掛からないし…」
「それ以外にも、今迄は食材が余って廃棄していた物が逆に足りなくなる恐れもありますしね。」
フェルサージは顎に手を当てて、うんうんと頷くと…早速執事を呼び寄せてから、調理器具の発注を手配した。
「これで当分の間は…時を稼ぐ事ができますね。そして、これらが飽き始めたら…次の商品開発をするとしましょうか!」
「な、何だ…まだあるというのか⁉︎」
カーネラのとりあえずで販売した食品は、大ヒットする事になり…それは当分の間では無くて、生涯愛される物となったのでした。
でも、これがいけなかったのです。
ふとした事で大金が舞い込んだファグリューは、この事で性格がおかしくなり始めました。
「平民なら、形や味ですぐにわかると思いますが…上位貴族ではどうでしょうかね。」
上位貴族も男爵の芋は食べます。
ですが、マッシュポテトの様に潰されて他の食材と混ぜて料理として出される為に、原型を知る者はあまりいません。
今回フェルサージに食べさせた男爵の芋は、薄くスライスしてから油で揚げて塩を振りかけた…ポテトチップスの様なものでした。
「他にも、男爵の芋を使った料理があります。」
「これは…皮付きをそのまま切って油で揚げたものなのか?」
皮付きフライドポテトです。
この世界の男爵の芋は、平民が食べる場合は塩茹でなので、油で揚げるといった調理法は思い付かない様です。
「そして最後に、こちらも用意しました。」
「これは、パンにチーズを乗せた物か…ん?このパンは焼きたてなのか?」
「いえ、切ったパンを焼いてからチーズを乗せた物です。」
「わざわざ焼くのか⁉︎」
この世界のパンは、主にフランスパンの様な形状をしております。
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「しかし…デンコロモシといい、男爵の芋といい、パンといい…元手があまり掛からなくて安上がりだな?しかも、これなら間違い無く売れる物ばかりじゃないか‼︎」
「これなら露店で調理器具さえあれば簡単に調理出来ますし、安価で平民に提供して…更に噂で貴族の目に止まりでもしたら?」
「間違い無く大儲けが出来るな!しかも元手があまり掛からないし…」
「それ以外にも、今迄は食材が余って廃棄していた物が逆に足りなくなる恐れもありますしね。」
フェルサージは顎に手を当てて、うんうんと頷くと…早速執事を呼び寄せてから、調理器具の発注を手配した。
「これで当分の間は…時を稼ぐ事ができますね。そして、これらが飽き始めたら…次の商品開発をするとしましょうか!」
「な、何だ…まだあるというのか⁉︎」
カーネラのとりあえずで販売した食品は、大ヒットする事になり…それは当分の間では無くて、生涯愛される物となったのでした。
でも、これがいけなかったのです。
ふとした事で大金が舞い込んだファグリューは、この事で性格がおかしくなり始めました。
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