散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス

文字の大きさ
21 / 33

第二十話 アルベルの頼み!・中編

しおりを挟む
 「ウェポンスキル・ソニックブラスト‼︎」
 「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 僕とアルベルは、アルベルがスキル・マジックペイントで会得したスキルや魔法を試す為に、模擬戦を行なっていた…のだが?
 覚えたてのスキルや魔法が上手く使いこなせる筈もなく…アルベルは、五つの刃を飛ばすソニックブラストをその身に喰らって宙に飛ばされて行ったのだった。

 「覚えたてのスキルや魔法で、まだ馴染んでも無いのに…いきなり実戦方式で使える訳がないだろう?」
 「行けると思っていたんだが…」
 「全く…君達のパーティーメンバーは、どうしてこうも…変な所に自信が湧いてくるんだろうねぇ?」

 まぁ、新しく会得したから使ってみたい気持ちは、分からなくもない…が、いきなり実戦方式で使える訳がなかろう。
 それが1つや2つなら…なんとかなるかも知れないが、アルベルがスキル・マジックペイントで会得出来たスキルと魔法は、合計で11個あるんだから…いきなり全てを上手く使って立ち回れるなんて事は、熟練の冒険者だって出来る訳がない。
 しかも…変に自信がある彼女達なら尚更だ。

 「ディスト、もう一度頼む!」
 「いや、会得したスキルや魔法を復習しろよ。実戦で使い熟すには数が多すぎるんだから…」
 
 やる気があるのは良い事なのだが…?
 アルベルには、そのやる気が空回っている気がする。
 まぁ、パーティーでのアルベルの立ち位置は、タンクという立場なので…いち早く使い物にならなくては…という気持ちは分からなくもない。

 「覚えた物は、その場の実戦で習得は早く……」
 「僕は、覚えた魔法を何度も反芻するから使いこなせる様になっているけど、アルベルはいきなり実戦方式で覚えようとしても…元の要領が悪いんだから、それこそ復習は必要だろう。」
 「要領が悪いだと⁉︎」
 「要領が悪いじゃないか!馬上戦でも無いのに、ランスを装備して戦うパラディンなんて…どの国にいるパラディンでも聞いた事がないぞ?大剣で戦うパラディンの話は聞いた事はあるが…」
 「まぁ、確かに……Dランクのランクアップ試験の時は、頑なに使い込まれた槍で挑むという事が初めて無謀だったと思い知らされて、ディストの作ってくれた剣と盾が自分にあったものだと確信したが……」
 「それで初めて自分自身の事が分かったと思っていたが、まさかスキルや魔法でも同じ様に上手く行くとでも思っていたのかよ…もう少し身の程を知れ。」
 「何だと…ディスト、オレよりもレベルが低い癖に……」
 「確かに、アルベルよりはレベルは低いよ。ただ、使えるスキルや魔法の多さはアルベルよりも……いや、魔法使いのアマンダよりも数は多いよ。そんな僕とアルベルとでは、レベル云々がどうというよりも…何度戦っても僕が敗北する事はないんだよ。」

 僕がシュゼル達のパーティーに参加する前の彼女達の活動では、彼女達は自分達より同等かそれ以下の魔物との戦いをして来なかった。
 僕が参加した事により、自分達より強い相手と優位に戦える事になった訳なんだけど…?
 彼女達の元が元だからなぁ、昔の自分がどれだけ愚かだったのかを忘れているんじゃないのか?

 「言っておくが……今現在の段階では、シュゼル、アルベル、リゼ、アマンダの4人で僕に挑んだとしても勝つ事は出来ないと……いや、絶対に勝てない。それ位に僕とアルベル達とではレベルに差があるんだ。」
 「・・・・・・・・・」

 まぁ、シュゼル達のパーティーは、元がへっぽこだからな。
 自分達のスキルや魔法を習得していても使い熟せ無ければ、宝の持ち腐れと大して変わらない。
 そんな彼女達に負ける要素が全くない。
 使いこなせる様になったとしても……まだ差の開きはあるか。

 「だから、会得したスキルや魔法の復習は大事なんだよ。使い熟せる様になってから、戦いに挑んで来なよ。」
 「分かった……使い熟してから、再びディストに挑んでやる!そして、その時こそ……ディストにギャフンと言わせて見せる‼︎」
 「僕が寿命で死ぬ時の前に頼むよ、それまでに成長出来ているかすら怪しい物だからね。」
 「うぐぐぐぐ……」

 そうか、こういった悪口でも向上心を上げる事が出来るのか。
 う~ん…悪口って、奥が深いなぁ?

 「それにしても……アルベルは、いつになったら服を着るんだろう?自分の格好が下着姿だって事に気付いていないのかな?」

 スキル・マジックペイントは、身体にも塗料を塗りたくる訳なんだけど…?
 その時に衣服に付くと無効化されてしまう為に、衣服を脱がなければならなかった。
 
 ~~~~~スキル・マジックペイント使用時~~~~~

 「さぁ、アルベル……服を脱いで。」
 「い、一体…何をする気なんだディスト⁉︎」
 「安心してよ、これからする事に対して痛みは無いから……ただ、尊厳が失われるかも知れないけどね。」
 「それを聞かされて、素直に認められると……」

 まぁ、何の実証も無くして、ただ服を脱いで…では納得はしないか。
 アマンダの時もそうだったが、最初に魔法を覚えたら…その後に身体を許してくれたからなぁ?
 ……別にエッチな意味じゃ無いからね、一応補足しておく。

 「じゃあ、まずは…右袖を肩まで捲って。」
 「こう……か?」
 「多分…大丈夫だとは思うけど、絶対に動かないでね。」

 僕はアルベルの右腕に、スキル・マジックペイントの青い塗料を筆で螺旋状に紋様を描いた。
 そして描き終わると、紋様は光出して…右腕に吸い込まれて行った。

 「これで、ホーリーセイバーの魔法が使える様になったよ。」
 「これだけで…か?」

 アルベルは右手で剣を持ってからホーリーセイバーを唱えると、剣の刀身に聖属性の光が宿った。
 
 「じゃあ、次…左腕の袖を捲って。」

 アルベルは左腕の服の袖を捲った後に、筆で盾の紋様を描いた。
 すると、先程と同じように…紋様は光出して左腕に吸い込まれて行った。

 「これで…セイントプロテクションが使える様になったよ。」
 「おぉ、本来の盾より強固な防御力があるな!」
 「これで分かった、スキル・マジックペイントの効果が…?」
 「あぁ、こんなので魔法を覚えるのなら…どんどんやって欲しい!」

 アマンダもそんな事を言っていたなぁ?
 次の催促が、服を脱げという言葉を放たれるまでは…

 「ちょ、ちょっと待て!本当に服を脱がないといけないのか⁉︎」
 「強力なスキルや魔法は、胸元や背中に紋様を描かないと会得しないからね。拒むのなら…別にそれでも良いけど、他の大陸での活動の際に…アルベルは役立たずの烙印を押されて、邪魔者扱いされる事になるけど…良いの?」
 「うっ………」

 まぁ、女の子にとっては、ある意味では究極の選択みたいな物だからね。
 裸を見られるが強さを手に入れる…か、裸を見せない代わりに…強さが手に入らないか?
 まぁ、これに関しては…本人の主張に任せようと思う。
 強制するのは、良く無いしね。

 「あ、1つ言っておくけど…アマンダの時もだけど、僕は女の子の裸を見ても…な~んにも興味が湧かないからね。ガキの裸を見て興奮する変態じゃあるまいし…」
 「オレに気を遣って言っているのかも知れないが、ハッキリ断言されると腹が立つな!」
 「それに、闇の結界で周囲に人が居ても見られる事はないんだし…決断をするなら、早めにしてくれる?」
 「うぅ………」

 そこまで言われて…アルベルは覚悟が決まったのか、勢い良く服を脱いで来た。
 アルベルの裸を見て思った事は、アマンダよりは良い物を兼ね揃えているなぁ…位にしか思っていなくて、特に興奮する要素を感じる事はなかった。
 別に…ディストは不感症という訳ではない。
 ディストは魔王時代に、たくさんの魅力的な女性の部下に囲まれていたので、人間の小娘を見たところで何も感じないという訳だった。
 これで…アルベルには全ての紋様を刻む事ができた。
 途中で、何度かくすぐったさに身体を動かされて失敗になった事があったが…?
 それでも何とか成功を収める事が出来たのだった。

 「この…辱めの代償は、実戦でケリを付けてやる‼︎」

 こうして、アルベルと戦う事になったけなのだが…?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達より強いジョブを手に入れて無双する!

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。 ネット小説やファンタジー小説が好きな少年、洲河 慱(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りに雑談をしていると突然魔法陣が現れて光に包まれて… 幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は【勇者】【賢者】【剣聖】【聖女】という素晴らしいジョブを手に入れたけど、僕はそれ以上のジョブと多彩なスキルを手に入れた。 王宮からは、過去の勇者パーティと同じジョブを持つ幼馴染達が世界を救うのが掟と言われた。 なら僕は、夢にまで見たこの異世界で好きに生きる事を選び、幼馴染達とは別に行動する事に決めた。 自分のジョブとスキルを駆使して無双する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?」で、慱が本来の力を手に入れた場合のもう1つのパラレルストーリー。 11月14日にHOT男性向け1位になりました。 応援、ありがとうございます!

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

俺は、こんな力を望んでいなかった‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
俺の名は、グレン。 転移前の名は、紅 蓮(くれない 蓮)という。 年齢は26歳……だった筈なのだが、異世界に来たら若返っていた。 魔物を倒せばレベルが上がるという話だったのだが、どうみてもこれは…オーバーキルの様な気がする。 もう…チートとか、そういうレベルでは無い。 そもそも俺は、こんな力を望んではいなかった。 何処かの田舎で、ひっそりとスローライフを送りたかった。 だけど、俺の考えとは対照的に戦いの日々に駆り出される事に。 ………で、俺はこの世界で何をすれば良いんだ?

処理中です...