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最終章

第一話 決戦!・前編

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 僕は現在、遥か先に魔王城が見える砦の城壁の様な場所の上で、魔王軍の様子を見ていた。
 最初の話では、数十万の軍勢だと聞かされていたんだけど?
 明らかに数十万ではなく、数百万の軍勢が集結していた。

 「何だか…あの時より増えてい無いか?」
 「決戦を1ヶ月も先延ばしにした物だから、魔王軍も揃えたんだろうよ。」

 軍勢の手前には、アンデットの軍団が群がっていた。
 そして魔王城に近い場所に連れて、巨大な魔獣や魔族が待機しているみたいだった。
 一方、こちらは…というと?
 各王国軍の騎士団の総勢が30万、冒険者の数が15万人程だった。
 明らかに数では不利なのだが、どれだけ頑張ってくれるかが鍵だった。

 「当初の予定の通り、先に騎士団と冒険者達が突入をし、ある程度の数が減った後に俺達が出るという流れになっている。」
 「ただ、これだけの軍勢でどれだけ数が減るのかが問題なんだけどな!」

 各国の騎士団は上級から下級迄全てという話で、兵士達は負傷者を運んだり補給係として待機している。
 冒険者もBランク以上が揃っているので、戦力的には問題は無い。
 …が、後はどれだけ活躍出来るかなのだが?

 「この世界の高ランク冒険者は、どの程度の強さなんだ?」
 「それは輝の方が詳しいのでは無いか?」
 「フロークスの街の時は、Bランク以上の冒険者はいなかったしなぁ?それに僕はパーティーを組んだ事がないから、よくは分から無い。それこそ、勇者パーティーの時の冒険者達はどうだったんだ?」
 「俺達の時は、それ相応に強い者達を用意して貰った状態だったから、期待出来る程の戦力は得たぞ。それでも、魔王には敵わなかったけどな。」
 
 そんな話をしていると、角笛の音が鳴り響いた。
 それを合図に大門が開くと、騎士団と冒険者達が一斉に魔王軍の軍勢に攻め込んで行ったのだった。
 その様子を砦の上で見ていたのだけれど、魔王城に近い魔物の軍勢だけあって…強さもそれ相応で、劣勢にこそはならなかったが優勢というわけでもなかった。
 ただ、手前のアンデットの軍勢に手を焼いているという感じで、それより先に進めている者は居なかった。

 「これは思ったよりも早く、出番が来るかも知れ無いな!」
 「なら、打ち合わせ通りに…まずは僕が出るので、烈王達は残りの四天王を倒す事に集中してくれ。」
 「空の暗黒龍はどうする?」
 「それは僕が対処するよ。頼りになる召喚獣が居るからね。」
 
 今思うと…?
 本当に召喚獣達との契約は骨が折れた。
 回復魔法を併用していなかったら、恐らくは死んでいたかも知れ無いからだ。
 そんな事を思っていると、先程の予想が当たり…思ったよりも早くに出番が来たみたいだった。
 …というのも、歴戦の強者である騎士団や冒険者達であっても、数では圧倒的な部分は否めない。
 なので、どんどんと押され始めて…砦の方に後退しているのが見えだしていたのだった。

 「おい、お前達…出番だぞ‼︎」
 「「「「「おう!」」」」」

 勇者達6人が砦の入り口に立つ。
 その脇や間を騎士達や冒険者達は、申し訳無さそうに通り抜けて行った。
 そして砦の中に入った者達は、勇者達の方に振り向いてから声を上げた。
 遂に勇者達が出撃を開始する…と思っていた。
 だが…?
 
 「何だ…勇者達は動かないぞ⁉︎」
 「それよりも、勇者達と一緒にいた子供が前に出ようとしている⁉︎」
 「誰か止めろよ!あんな子供が…」

 …と、後ろの方で騎士や冒険者が何やら騒いでいた。
 当初の会議では、勇者の協力者…という話だけで、まさかそれが子供だとは思っていなかったからだ。

 「輝!今ので最後だ。お前の力を見せてやれ‼︎」
 「ホーリー・シャイニング!俺達以上の修業の成果とやらを見させてもらうぞ‼︎」
 「あぁ、度肝を抜かせてあげるさ!」

 ホーリーは、巨大な召喚陣を敵の軍勢のど真ん中に出現させた。
 それから詠唱を唱えると、召喚したソレが現れたのだった。

 中編に続く…

 ~~~~~お詫び~~~~~

 どうも、アノマロカリスです。
 近況ボードにも書きましたが、ここ数日間は脳梗塞の疑いの所為か…手足が痺れるという原因が時々起こります。
 その為に、執筆の支障をきたしてしまいました。
 まだまだ痺れは抜けませんが、以前程ではないので少しずつ更新をしていきたいと思います。
 最終回まではあと少しなので、宜しくお願い致しますねm(_ _)m
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