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第二章 冒険者としての活動

第十話 神獣達が管理する大陸・完結編

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 魔王の幹部があの存在…と考えると、色々合点が行く事がある。
 だからあの時に、僕にあんな態度をしていたのか!
 最初は全くの無害だと思って油断をしていたが、あの存在が魔王の幹部の偽りの姿だと思うと、怒りが沸々と湧き上がって来る。

 さて、皆さんは誰の事か分かりましたか?
 まだ分からないと言うのであれば、続きを御覧になって下さい。

 「さてと、急いで戻らないといけませんが、果たして…何時迄もあの場所に留まっているかが謎ですよね?」
 『あの後の事は、フェヴロンに任せて来たからな。恐らくは、監視の眼があって行動を制限されていると思いたいが…?』

 あの後の事を話すと、こういう事でした。
 皆に普段は滅多に会わない身近な存在の話をした際に、皆は一斉にフェンリルの方を向きました。
 こんな状況だと、フェンリルが魔王の幹部…という考えには至りませんよね?
 皆がフェンリルの方を向いたのは、彼女の息子が関係しているのです。
 各々方の話を聞く限り、滅多に会う事のないフェンリルの子供が、皆に会いに行ったそうなのです。
 精霊王達にしてみれば、大陸を管理する神獣様の子供。
 空と海の神獣様からすれば、同じ神獣の仲間の子。
 そんな子供が会いに来たとなれば、無碍に追い返す真似をする訳でもなく、受け入れるでしょう。
 
 「だけど揃いも揃って…魔王の幹部の気配というのは分からなかったのですか?」
 『我等も気付かぬ位に、気配は巧妙に隠されていたのだと思われるな。』
 『旧友の子供を疑うなんて真似どころか、疑う事さえしていなかったからね!』

 四面楚歌の状態で、魔王の幹部が来れるという事は、余程の自信が無い限り無理だろう。
 それだけの自信があったんだろうから、誰にも気配を悟られずに潜入出来たんだろう。
 魔王の幹部と言っても、全てが強いという訳では無いだろう。
 仮に強さを誇示するタイプだったら、精霊王達や神獣には気配を悟られるだろう。
 魔法に秀でている者か、隠密に優れている者と考えた方が妥当だろうなぁ?
 …強敵でない事を祈りたい。

 「そういえば、このワルーンアイランドに来てから2日が経ったけど、クリスとラミナはどうしているんだろう?僕が帰らない事を不審に思わないのかな…」
 『む?一体何の話だ?』
 「この浮遊大陸に一緒に来た連れの事ですよ。あれから2日経っているのに、不審に思わないのかと…?」
 『そう言われてみれば、連れが全く心配をしていないというのもおかしな話だな!1日だけなら、話が難航していると思うかも知れないが…?』

 なんだか嫌な予感がするな。
 フェヴロンがフェンリルに向かって叫んだ罵詈雑言や、子供に剣で刺した事のお咎めを2人にしている可能性も有りそうで怖い。
 あの短絡的なギルドマスターのフェヴロンなら、やりかねないからなぁ?
 そんなこんなで、僕達は冒険者ギルドのワルーンアイランド支部に到着すると、フェヴロンとギルド職員達は慌てた様子で迎えに来た。
 何故、慌てているんだろう…?
 そう思ったが、大地の神獣様と海の神獣様、全属性の精霊王達に精霊王総括のマクスウェルが現れれば…焦る理由も分からなくはない。

 『おい、フェヴロン…我が息子は何処にいる?』
 「御子息様なら、ホーリー殿の御連れの方々と戯れているかと…?」
 「何だと⁉︎嫌な予感がするのはこれだったか!フェヴロン、今すぐに大地の神獣様の息子をここに連れて来て‼︎」
 「何故…我が御主の命令を聞かねばならないのだ‼︎」
 「良いから早くしろ!理由は後で説明するから…」
 「だから何故、御主の言うことを聞かねばならぬと…?それに、誰も通すなと言うのが、御子息様のめいれ……」
 『『『良いから、早く連れて来い‼︎』』』
 「は、はい!申し訳ありません‼︎」

 フェヴロンはギルド職員と共に、クリスとラミナがいると思われる場所に走って行った。
 これで、何事も無ければ……って、これってフラグになりそうだな?

 『全く彼奴は、昔から忠実なのだが…たまに融通が利かない所があるからなぁ?』
 「苦労をなさっているのですね、神獣様達も…」

 そんな話をしていると、フェヴロンとギルド職員達は、フェンリルの子供…と、クリスとラミナを共に連れてやって来たのだった。
 だけど、やって来た2人の様子が少しおかしかった。

 「全くヨォ…御子息様と楽しく遊んでいるところを邪魔しやがって、空気くらい読めよ!このクソホーリー‼︎」
 「そうよ!私達は神獣様の御子息様さえいらっしゃれば、もう貴方なんかに用は無いのよ!目障りだから、さっさと消えて…永久に‼︎」

 あ~、明らかに呪いによって精神を支配されているな。
 普段の彼女達なら、絶対にこんな事は言わないし。
 まぁ、これが付き合いの浅い2人がこんな事を言っていたら、多分僕の心は崩壊していただろうけど、生憎…僕と2人の関係は長い付き合いだし、絶対に言葉にする事はない。
 恐らくは奴が保険を掛けて、呪いを設置して言わせているんだろうけどね。
 僕は2人と1匹に、カーズナチェーンバインドを施した。

 「ちょっと頭に来ているので、僕は本気でやらせて貰うよ‼︎セイクリッド・セイント・カーズナー……マキシマム‼︎」

 僕は身体に残っている全魔力を、セイクリッド・セイント・カーズナに注いで放った。
 本来なら、2人はここまでする気は無かったんだけど、言わされているとは言え、その言動に少し腹が立った。
 だけど、呪いさえ消えれば何も影響は受けないし、問題は無いんだけど…問題があるのは1匹の方だ。
 僕の全魔力を使って放った呪いの解呪魔法は、子供から黒い塊の様な物が抜け落ちて…顔の無い黒い人型になったのだった。

 「これで、呪いはすっかり消えているし…もう、呪いに類は一切使えないから。あとはそっちで好きにして良いよ!」

 僕は子供を拘束していた、カーズナチェーンバインドで拘束してから、神獣達と精霊王達の中心に放り投げた。
 すると、神獣様達は成人の人型に姿を変え、精霊王達も実体のある人型に姿を変えた。
 そして始まる…相手に有無を言わせない、叫ぶ事すらさせて貰えない、踏み付けの嵐…
 その光景に、思わず目を背けたくなった。
 袋叩きやリンチって、こんな感じなのかな?
 経験した事はないし、見た事がないので、良くは知らんけど…?
 そして、散々皆から踏まれて微動だにしない黒い人型はと言うと?
 頭の先から黒い粒が離れて行き、最後にはそのまま消滅したのだった。

 『これで…終わったな!』
 「いや、魔王の幹部が死んだ事で呪いが消えていれば良いんだけど…?死んでも関係無しだったりすると、空の神獣様との一戦が控えていたり?」
 『いや、流石に無いでしょう!なら、天龍をこちらに呼んでみましょうか?』

 海の神獣様は、空に向かって何かの言語を叫んだ。
 すると、その呼び掛けに答えたかの様に、空の神獣様…天龍が姿を現したのだが?
 あまりにも巨大で面を喰らった僕がいた。

 「巨大だとは聞いていたけど、ここ迄とは…⁉︎スカイ○リーがそのまま空を飛んでいるかの様な巨大さだな。」
 『何だ、それは?…と、天龍よ、話し難いから貴公も人型となれ!』

 空の神獣様…天龍はコクリと頷くと、身体が光だしてから成人男性の様な人型になったのだった。

 『おめぇたつさ、こっただ所で一同揃って…何しているんだべさ?』
 
 天龍は訳も分からずに首を傾げていると、大地の神獣様であるフェンリル…今は女性か。
 彼女が説明をしているんだけど、まさか神獣様の1人が訛りがあるとは思わなかった。
 言っている事は、何となくだけど分かる…気がする。

 『そっだた事さあったんだべか?そんにゃ~ここ最近の記憶さ、ねぇべな~?』
 『貴公は相変わらず呑気だな?それでいて、我等より強いって…』
 『しんがしぃ~、皆さ人型になっとるだなんて…何百年ぶりだべか?』
 『どれくらい前だっただろうか…?それに一同揃っている事なんて、それこそ何千年振りかねぇ?』

 その会話を聞いていて、僕は呆れてしまった。
 目の前には、僕と同じ人間族の様な姿をしている所為か、会話の内容にピンと来なかったが…?
 考えてみれば、目の前にいる者達の正体は…神獣様と精霊なんだよな?
 
 「これで、万事解決ですね!なので、残りは…有意義な休暇を満喫す………」
 『いや、待てホーリーよ!此度の件で、我等が神獣の神であらせられる、獣神レグザリオン様がお会いになると通達があったのだ。』
 『こちらも、我等が神であらせられる…精霊神ルミナス様からの面会を希望されておるのじゃが…』
 「はぁ~~~~~⁉︎」

 え…?
 神様に会うって…この世界に降りてくるのか?
 僕はそんな事を考えていると、目が眩む程の光が襲って来た。
 そして次に目を開けると、そこは転生前に来た事がある…女神トゥエルティスの神殿の様な場所だった。
 
 『貴公がホーリーだな?』
 『私達は待っておりました。』

 僕は声をした方を振り返ると、恐らく…獣神レグザリオンと精霊神ルミナスが立っていた。
 獣神レグザリオンの方は、ホワイトタイガーに翼が生えた姿をしていて、精霊神ルミナスの方は、木の蔓が身体に巻き付いている様な服を着ていて、頭には金の冠を被っていた美しい女性だった。

 『此度の件では、我が眷属達が世話になった!』
 『私の子供達を救ってくれた事を感謝致します!』
 「いえいえ、僕は大した事はしておりません。」
 『謙虚なのですね。それとここに来た時から気になっていたのですが、貴方の右手にある印は…トゥエルティスの物ですよね?』
 「あ、はい。女神トゥエルティス様が、僕をこの世界に転生させて下さいました。」
 『…となると、此度の礼を授けるには…トゥエルティスの許可が無いとまずいな。』
 『ですねぇ…?少し待っていて下さいませんか、トゥエルティスを呼び出しますので。』

 精霊神ルミナスは、ベルに様な物を2回鳴らすと…目の前に女神トゥエルティスが姿を現した。
 …んだけど、女神トゥエルティスは何かバツの悪そうな顔をして困惑していた。
 序列最下位の女神が、序列上位のニ神の前に来るのは…気が引ける?いや、気が滅入るのかな?

 『お久しぶりですね、お兄様とお姉様…』
 『同じ天界に住んでいると言うのに、お前は滅多な事で来る事はないからな!』
 『はぁ…それで、私に何の御用でしょうか?』
 『聞けば、このホーリーさんは…貴女が加護とギフトを与えて、転生させた者と聞きました。私達は、此度のホーリーさんが行った事に感謝を込めてお礼を差し上げたいのですが、それには貴女の許可が必要だと思いまして…』
 『いえ、そんな気を使う必要は御座いません。』

 例え序列最下位であろうとも、許可は必要なのか。
 上位なら、下位の者に言う事を聞かせる事なんて、容易だと思うんだけどな?

 『確かに、そういう考えを持つ神もいるでしょう。ですが、私とレグザリオンは…トゥエルティスの実の兄と姉なので…』
 「え?」

 まさか、考えを読まれるとは思わなかった。
 兄妹ねぇ…?
 獣神レグザリオン様は、まんま虎の姿なんだけど…?

 『私達十二神は、この惑星が創生され悠久の時を過ごしておりますが、常に同じ姿だと飽きるのですよ。なので、たまに姿を変えて…ホーリーさんのいた世界の言葉を借りるなら、ファッション感覚…と言った感じでしょうか?』
 『この天界には、娯楽という物があまりなくてな…地球人を連れて来て転生か転移をさせる際に、娯楽的な物を何か無いか聞いてはいるんだが…どれもこれも、電源という物を使用しないと遊べぬ物が多くてな、娯楽と呼べる物があまり無いのだ。』

 なるほど、転生者や転移者を選ぶ基準が何となく分かった気がする。
 魔法に憧れる者や異世界に憧れを持つ者が、主に選別されるんだろうなぁ?
 だとすると、テレビゲームやスマホゲーム、それ以外だと…トランプかチェスか将棋くらいだろうか?
 だけど、その程度の物は天界にも既にありそうだなぁ?
 だとすると、その他のレトロ的なゲームが良さそうだが…うちには貧乏で、テレビゲームの類は無かったから、親戚から貰ったレトロゲームが家に多かったんだよなぁ。
 そう言った知識なら、現在の子達に比べたら豊富だと…?

 『ホーリーさん、その知識を異世界で製作して下さい!』
 『そうだ、異世界で製作し…それらを商業ギルドで商業神に収める事により、天界に渡るのでな!』
 「そんなので良いのなら…と言いたい所ですが、僕の生産系のギフトに物作り…頭の中の物を制作するギフトとかありませんからねぇ?欲しいとは思っているのですが、僕にはそう言った物作りの才能はない物で…」
 『な、何だと…⁉︎なら、ルミナス…商業神と鍛治神と創造神を呼べ!』
 『そうね、彼等なら…この話を聞けば、協力は惜しまない筈!』
 『ちょ、ちょっと、兄さん、姉さん!』
 『安心しろ、此度の礼とは別に彼等のギフトを授けるだけだ!』

 どんだけ娯楽に飢えているんだ?
 たったそれだけのことで、ギフトを貰えるなんて…まぁ、戦闘には全く役に立たなそうな…?

 『商業神と鍛治神と創造神のギフトなら、そうかも知れないが…我等が礼として与えるギフトは、召喚魔法のギフトだ。我からはテイムと獣魔召喚のギフトだが、経験を積む事により…いずれは神獣達も召喚出来る様になるだろう!』
 『私からも召喚魔法のギフトですが、兄さんとは違い…精霊を召喚出来るギフトです。経験を積んで行けば、いずれは精霊王達やマクスウェルも呼び出せる様になるのと、精霊魔法のギフトを授けますね。詳細はステータスボードに記載しておきますので、後程確認をして下さいね。』

 こうして、獣神レグザリオン様からと、精霊神ルミナス様からギフトを頂いた後に…?
 ルミナス様からの呼びかけにより現れた三神から、制作系のギフトを与えられた…のだけれど、たかがあれだけの事で…こんなにも貰えるとは思わなかった。

 『では、そろそろ…地上に返そうか!我等のギフトをこれからの戦いで役立てると良い……』
 「あ、少し待っていて下さい。トゥエルティス様とお話しする時間を貰えませんか?」
 『あ、そうですよね。貴方はトゥエルティスが選んだ子なのですから…』

 僕とトゥエルティスは、皆から少し離れた場所で話を始めた。

 「あの…トゥエルティス様、これって大丈夫なのですか?」
 『五神から加護とギフトを授けられた者なんて…未だかつて居たかしらねぇ?でもまぁ、兄さんと姉さんの意見を私がくつ返すわけにはいかないのでね。』
 「実は…トゥエルティス様にお願いがあるのですが!」
 『あの時の事ですよね?まさか、貴方が天界に呼ばれるとは思いませんでした。私も冗談半分で、2度目に会う事があれば…なんて変な約束をしなければ良かったなぁ。』

 女神トゥエルティスは、溜め息を吐きながら…着ている服を脱ぎ出そうとしていた。
 僕は何が起きたのか分からなくて、慌てて止めた。

 「一体…何をなさっているのですか⁉︎」
 『え?あの時にした約束を果たせ…という意味ではないのですか?それがお願いだとばかり…』
 「は…何の事です?僕はトゥエルティス様に、地上からトゥエルティス様と会話をする方法がないかを聞きたいと思っていたのですが…」
 『私の勘違いだったなんて……恥ずかしいです。私との会話…ですか、右手の甲の印から話し掛ければ…ですが、私も色々と忙しい身の為に、常に会話を希望されてもお答えをする訳には…』
 「あ、大丈夫です。常に話し掛けるような真似はしませんので…ただ、困った事が起きた場合に話をしたいだけです。」
 『そうですか、それ位なら構いませんよ。』

 トゥエルティスはホッと溜め息を吐いた。
 その行動に、先程の約束を果たせという言葉と服を脱ぎ出そうとした事に疑問を持った。

 「あの、トゥエルティス様…先程の行動は一体?」
 『え?貴方が言ったのではないですか!2度目に会う事が出来たら、その時は私の…生乳を見せろと。』
 「あ~~~、そういえばそんな事を言った記憶が…あったっけ?でも、見せて貰えるのでしたら…」
 『嫌です!私にその気が無くなりましたので…3度目に会った時になら、構いませんよ。そんな時が来るとは思いませんが…』
 「確か前回もそんな事を言っておりましたね。2度目に会う事はないと…3度目に会う事がもしかしたら有るかも?」
 『今回が異例な事なんです!本来神は、一度地上に降ろした者を再び呼び出す様な真似はしませんので…』

 そうなのか…?
 なら、3度目に会う事が出来たら、今度こそ生乳を見せて貰おう!
 僕はそんな事を考えていると、獣神レグザリオン様と精霊神ルミナス様に呼ばれ…僕はお礼を言った後に地上に再び降ろされた。
 何か…かなりのお土産ギフトを頂いちゃったみたいだけど、確認が面倒臭そうだなぁ?

 『おぉ、帰って来たか…我が神と無事に話す事が出来た様だな!』
 「はい、お土産という名前のギフトを沢山頂きました。」
 『我等も我が神からの啓示を受けてな、ホーリーが我を呼び出す事が出来る様になった際には、協力を惜しむな!…と言われておるのだが、今のホーリーでは我を呼び出す程の技量は無いだろう。そこでマクスウェル殿と相談したのだが、ホーリーに1度だけ魔力無償で呼び出すチャンスを与える事にしたので、危険を感じた時に我等を呼び出すと良……』
 「いえ、ちょっと待って下さい!僕は勇者に選ばれた訳でもなく、魔王に戦いを挑む訳では無いので…呼び出す機会はそう無いかと…?」
 『そうなのか?てっきり異世界からの転生者は、勇者としての使命を持っていると思っていたのだが…?』
 「それでか、獣神レグザリオン様から…ギフトを今後の戦いに役立たせるとか、意味が分からない事を言っていたのは…」

 経験を積んで行けば、いずれは精霊王達や神獣様達を呼び出せる様になる…という話だけど、果たしてそんな日が来るのかなぁ?
 あ、それなら…?

 「呼び出す日は、すぐでも構いませんか?ある2人にお叱りをして頂きたいのですが…」
 『説教をして貰う為に我等を呼び出すだと…?面白い話だが、そんな事で1回のチャンスを不意にしても良いのか?』
 「えぇ…今回の騒動については、僕は何も聞かされないで騙された形でこのワルーンアイランドに放り込まれたので、その元凶にお叱りを願いたいと思うのです。」
 『中々面白い話だが、よかろう!我が名はフェリス…呼び出す時は、我の名を呼べ!』

 それから…神獣様達との契約を交わし、精霊王達との契約を交わすと…僕は休暇を楽しむ事にした。
 流石に観光地というだけあって、有意義な時を過ごす事が出来た訳なのだが…?
 ワルーンアイランドに滞在している間は、暇なのか分からないが…?
 度々、神獣様達や精霊王様達が僕に会いに来てくれた。
 その度に、名物の空魚や果物とかを頂いたのだが…当然そんな状況を見た住人達は唖然とし、滞在している間はまるでVIP対応をされる日々として落ち着かなかった。
 そして長く有意義な休暇も終わり、いざ帰る時になった際には…このワルーンアイランドの名産品の品をお土産として貰ったのだが?
 あまりにも量が多過ぎて、ストレージの空きが残りわずかになってしまったのだった。

 「フェヴロンさん、転移陣を起動してくれませんか?」
 「はっ!ホーリー殿…此度の件は本当に感謝しております‼︎」
 「いや、お礼は何度も聞いたから…」

 僕がこの大陸に来た時の対応とは偉い違いだな?
 まぁ…フェンリルに散々咎められた訳だし、仕方が無いのかな?
 こうして、僕とクリスとラミナはフリークスの冒険者ギルドの転移陣に戻って来た。
 僕はクリスとラミナを先に帰した。
 だって、僕にはここで…まだやる事があるからね!

 「さて、これから始まるお仕置きタ~イムの時間だけど、お楽しみは次回のオマケにて!」
 
 乞うご期待!
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