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第二章 冒険者としての活動
第六話 一方、その頃…?
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「あんの…メス犬~~~‼︎ふざけた真似をしくさりやがって、今度という今度は…本気で頭に来たぞ‼︎前回の事で反省したと思っていたのに、この仕打ち……絶対に許さないからな~~~~~‼︎」
…と、浮遊大陸のど真ん中で、僕は叫んでいる一方で…?
シャイニング診療所(仮)では、休業をした事を知らない、ある男が訪ねて来て叫んでいた。
「どこに行った、ホーリー・シャイニング⁉︎あのやろう…よくも俺に嘘を教えやがったなぁ~~~~~‼︎」
ある男とは…?
…そう、皆さんの御存知の異世界から来た勇者、クモタカ=ミタライ……いや、勇者クラウドだった。
何故彼が再びシャイニング診療所(仮)に訪れたのか?
それは、暫く前に遡る。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ホーリーから論破されて、何も言い返せなくなったあの日から数日後…
勇者クラウドは、色々失敗をやらかしていた。
依頼も失敗続きで、違約金発生が生まれ…
冒険者ギルドランクもDランクからEランクに降格し、更には、勇者と聞いてパトロンになっていた貴族もクラウドを見放し、絶望の淵に立たされていたクラウドは、教会で祈りを捧げていた。
「俺を異世界から呼び出した、女神サーティリアル…俺はどうしたら良いんだ!」
女神サーティリアルは、十二神の中で序列3位の女神の名前である。
勇者クラウドは、教会で神像に祈りを捧げる事により、女神サーティリアルとの会話が可能だったのだ。
その辺が…ホーリーとは違うのだった。
すると、その呼びかけに応えたのか…女神サーティリアルがクラウドに話し掛けて来た。
《どうしたのですか?我が選ばれし勇者よ!》
「実は………」
俺は女神サーティリアルに、シャイニング診療所(仮)での出来事を打ち明けた。
すると、女神サーティリアルは…呆れた声を上げて言って来た。
《その話は、その者の全くの出鱈目な話です。貴方はそんな話を信じたのですか?》
「だが、やたらと真実味を増していて…」
《その様な事が実現でもしたら、異世界から勇者を呼ぶ行為その物が禁止されて、二度と呼ぶ事…事態が禁止されます。》
「そ、そうなのか…?」
《それに、魔王を倒したら…元の世界に帰還するという約束は果たしますし、この世界で手に入れたギフトもお渡し致します。ただ、破壊系のギフトはお渡しする事は出来ませんけどね。》
「やっぱり、渡してくれないんじゃ無いか!」
《いえ、些細なギフトなら問題は無いのですが、破壊系のギフトを授けて元の世界に帰還させた場合、その者が間違いを起こして世界を破滅させる…等という愚行をされると困りますので、最低限の制約として魔法の一部は渡せない事になっているんです。もしもそれまで許してしまった場合、地球の神々を怒らせるきっかけになりますからね…地球の神々は基本的には無干渉ですが、一度怒りだすと…我等十二神でも全く歯が立ちませんし、我らが管理する世界を破壊されませんからね。》
「そんなに強いのか、地球の神達って…?」
確かに異世界の神様が、本来…地球を管理する神様の世界に干渉をする事は、決して許されないのだろう。
ただし、特定の条件の範囲なら構わないのだろう。
恐らくだが、その特定の条件というのは…?
《なので、地球に害を為すギフト以外の物なら、授ける事は可能なんです。鑑定魔法や治癒魔法とかであれば、地球には何も影響がありませんからね。》
「そうか…この世界で元の世界に持ち帰りたい魔法はあったんだが、その願いは叶いそうも無いな。」
《そうですね、でもその条件は…貴方が魔王を倒した場合のみです。余程…地球の環境に影響を及ぼす物では無い限りは、多めに見るかもしれません。ただし、倒せなかった場合は、何も得ずに元の世界に帰されるか、この世界に留まるかの二択になります。》
「全ては魔王を倒すかどうかに掛かっているというわけか!」
全てはその話に戻る訳なのだが…?
クラウドは何故に、ホーリーが誘いを断るのかが疑問に思っていた。
「勇者と共に魔王を倒せば、そのパーティーメンバーも名声や報酬は貰えるよな?」
《そうですね、過去に勇者パーティーメンバーだった者達は、それなりに幸せな余生を送っております。》
「なら、何故アイツは…俺の誘いを断ったんだ?」
《恐らくですが、その人物は…あまり名声や報酬には、拘りが無い方なのでしょうね?》
「だからか!何度も何度も誘っているのに、断り続けられたのは…」
《いえ、それはただ単に…面倒になったからなのでしょう。貴方は人の話は聞かないし、諦めるという事を知らないですからね…先程の説明で、その者の意思が私には伝わりましたよ。》
「それは…どういう意味だ?」
《説明しても宜しいのですが、恐らく貴方には、理解が難しいと思います。》
「俺の事を…馬鹿だと言いたいのか?」
《あら、違うんですか?その…ホーリーという方の話の意図を探れば、関わりたく無いとか、仲間になる意思はないと訴えている事が…容易に分りますよ。》
「・・・・・・・・・」
勇者クラウドは、ショックで言葉を失ってしまった。
自分は決して頭は悪い方ではないと思っていたのだが、その意図に気付かない程、ホーリーの手の平で転がされていた事に腹を立てた。
今回の件に反省をして、今後に活かそう…という考えが思い付く人物だったら救いがあったのだが?
どういう訳か、騙されたと勝手に勘違いをし始めたのだった。
「女神サーティリアル、俺のやる事が決まった‼︎」
《そうですか、それで魔王………》
「あの、ホーリーというガキに、1発お見舞いしてやる‼︎」
《ちょ、ちょっと!》
こうして勇者クラウドは、女神サーティリアルとの会話を切り上げて、神殿を飛び出して行ったのだった。
そして…話は冒頭に戻る。
だけど、この話には続きがある。
《それにしても、ホーリーという幼子は…いえ、幼子にしては博識すぎる。それに勇者は気付いていないみたいだったけど、異世界の話にも精通しているという事が気になるわね?此方でも探ってみようかしら?》
ホーリー・シャイニングを気にし出した女神が現れた。
この先、ホーリーはどうなってしまうのだろうか?
…と、浮遊大陸のど真ん中で、僕は叫んでいる一方で…?
シャイニング診療所(仮)では、休業をした事を知らない、ある男が訪ねて来て叫んでいた。
「どこに行った、ホーリー・シャイニング⁉︎あのやろう…よくも俺に嘘を教えやがったなぁ~~~~~‼︎」
ある男とは…?
…そう、皆さんの御存知の異世界から来た勇者、クモタカ=ミタライ……いや、勇者クラウドだった。
何故彼が再びシャイニング診療所(仮)に訪れたのか?
それは、暫く前に遡る。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ホーリーから論破されて、何も言い返せなくなったあの日から数日後…
勇者クラウドは、色々失敗をやらかしていた。
依頼も失敗続きで、違約金発生が生まれ…
冒険者ギルドランクもDランクからEランクに降格し、更には、勇者と聞いてパトロンになっていた貴族もクラウドを見放し、絶望の淵に立たされていたクラウドは、教会で祈りを捧げていた。
「俺を異世界から呼び出した、女神サーティリアル…俺はどうしたら良いんだ!」
女神サーティリアルは、十二神の中で序列3位の女神の名前である。
勇者クラウドは、教会で神像に祈りを捧げる事により、女神サーティリアルとの会話が可能だったのだ。
その辺が…ホーリーとは違うのだった。
すると、その呼びかけに応えたのか…女神サーティリアルがクラウドに話し掛けて来た。
《どうしたのですか?我が選ばれし勇者よ!》
「実は………」
俺は女神サーティリアルに、シャイニング診療所(仮)での出来事を打ち明けた。
すると、女神サーティリアルは…呆れた声を上げて言って来た。
《その話は、その者の全くの出鱈目な話です。貴方はそんな話を信じたのですか?》
「だが、やたらと真実味を増していて…」
《その様な事が実現でもしたら、異世界から勇者を呼ぶ行為その物が禁止されて、二度と呼ぶ事…事態が禁止されます。》
「そ、そうなのか…?」
《それに、魔王を倒したら…元の世界に帰還するという約束は果たしますし、この世界で手に入れたギフトもお渡し致します。ただ、破壊系のギフトはお渡しする事は出来ませんけどね。》
「やっぱり、渡してくれないんじゃ無いか!」
《いえ、些細なギフトなら問題は無いのですが、破壊系のギフトを授けて元の世界に帰還させた場合、その者が間違いを起こして世界を破滅させる…等という愚行をされると困りますので、最低限の制約として魔法の一部は渡せない事になっているんです。もしもそれまで許してしまった場合、地球の神々を怒らせるきっかけになりますからね…地球の神々は基本的には無干渉ですが、一度怒りだすと…我等十二神でも全く歯が立ちませんし、我らが管理する世界を破壊されませんからね。》
「そんなに強いのか、地球の神達って…?」
確かに異世界の神様が、本来…地球を管理する神様の世界に干渉をする事は、決して許されないのだろう。
ただし、特定の条件の範囲なら構わないのだろう。
恐らくだが、その特定の条件というのは…?
《なので、地球に害を為すギフト以外の物なら、授ける事は可能なんです。鑑定魔法や治癒魔法とかであれば、地球には何も影響がありませんからね。》
「そうか…この世界で元の世界に持ち帰りたい魔法はあったんだが、その願いは叶いそうも無いな。」
《そうですね、でもその条件は…貴方が魔王を倒した場合のみです。余程…地球の環境に影響を及ぼす物では無い限りは、多めに見るかもしれません。ただし、倒せなかった場合は、何も得ずに元の世界に帰されるか、この世界に留まるかの二択になります。》
「全ては魔王を倒すかどうかに掛かっているというわけか!」
全てはその話に戻る訳なのだが…?
クラウドは何故に、ホーリーが誘いを断るのかが疑問に思っていた。
「勇者と共に魔王を倒せば、そのパーティーメンバーも名声や報酬は貰えるよな?」
《そうですね、過去に勇者パーティーメンバーだった者達は、それなりに幸せな余生を送っております。》
「なら、何故アイツは…俺の誘いを断ったんだ?」
《恐らくですが、その人物は…あまり名声や報酬には、拘りが無い方なのでしょうね?》
「だからか!何度も何度も誘っているのに、断り続けられたのは…」
《いえ、それはただ単に…面倒になったからなのでしょう。貴方は人の話は聞かないし、諦めるという事を知らないですからね…先程の説明で、その者の意思が私には伝わりましたよ。》
「それは…どういう意味だ?」
《説明しても宜しいのですが、恐らく貴方には、理解が難しいと思います。》
「俺の事を…馬鹿だと言いたいのか?」
《あら、違うんですか?その…ホーリーという方の話の意図を探れば、関わりたく無いとか、仲間になる意思はないと訴えている事が…容易に分りますよ。》
「・・・・・・・・・」
勇者クラウドは、ショックで言葉を失ってしまった。
自分は決して頭は悪い方ではないと思っていたのだが、その意図に気付かない程、ホーリーの手の平で転がされていた事に腹を立てた。
今回の件に反省をして、今後に活かそう…という考えが思い付く人物だったら救いがあったのだが?
どういう訳か、騙されたと勝手に勘違いをし始めたのだった。
「女神サーティリアル、俺のやる事が決まった‼︎」
《そうですか、それで魔王………》
「あの、ホーリーというガキに、1発お見舞いしてやる‼︎」
《ちょ、ちょっと!》
こうして勇者クラウドは、女神サーティリアルとの会話を切り上げて、神殿を飛び出して行ったのだった。
そして…話は冒頭に戻る。
だけど、この話には続きがある。
《それにしても、ホーリーという幼子は…いえ、幼子にしては博識すぎる。それに勇者は気付いていないみたいだったけど、異世界の話にも精通しているという事が気になるわね?此方でも探ってみようかしら?》
ホーリー・シャイニングを気にし出した女神が現れた。
この先、ホーリーはどうなってしまうのだろうか?
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