僕は最強の魔法使いかって?いえ、実はこれしか出来ないんです!〜無自覚チートの異世界冒険物語〜

アノマロカリス

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第一章 冒険者になる迄の道

第三十話 休暇の過ごし方…と?・前編

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 「久々だなぁ、昼前まで寝ていたのって…」
 「最近では、休みどころか、休む暇すらなかったからね!」

 現在、ドリース商会のシャイニング診療所(仮)では、1週間の休みにしている。
 最近は、早朝だろうが、昼間だろうが、夜だろうが、深夜だろうがと関係無く緊急患者が診療に来る始末だった。
 せめて…夜が終わったら、普通に寝たいと思って…営業時間外の診療には割高を設定したのだが?
 それでも患者が途切れる事はなく、対応に追われる日々になった。
 
 「今回休みを取れる事になった、きっかけを作ってくれた人達に感謝だな!」
 「きっかけというか…?意を唱えて来た人達が居たからね。」

 …そう、休みを取る事になった本当の理由は、シャイニング診療所(仮)に対して、意を唱えて来た者達が現れたのだった。
 それは…病院の院長と冒険者達だった。
 病院の院長と冒険者達は、ドリース商会のマルザリィにクレームを入れて来たのだ。
 その理由は…病院に患者が来なくて閑古鳥に、冒険者達は主に回復魔法を扱う者達なのだが…?
 シャイニング診療所が営業する前までは、治療に来る者達が多かったんだけど…シャイニング診療所が営業を始めた事により、病院と同じ状態になってしまったのだった。
 回復魔法が扱う者達の中には、冒険者活動以外に、回復魔法で治療をして資金を得ていたのだが…?
 その稼ぎが全く無くなってしまったのだった。
 まぁ、シャイニング診療所(仮)の治療は、回復が早い上に完全に回復する。
 僕の回復魔法の威力の高さが桁違いというのもあるんだけど、回復速度も桁違いに速かったのだった。
 だが、病院での治療や冒険者達の回復魔法の治療の場合、完全回復は望めない上に、回復速度も遅い。
 そうなって来ると、シャイニング診療所(仮)に患者が押し寄せて来るのは、仕方がない事だった。

 「そんなこんなで、病院や冒険者達の顔を立てる為に、休暇を取る為に短期の休みにする事にしたんだよね。」
 「仕事を奪ってる形になっていたからね。それにしても、意を唱えるとしたって…良くドリース商会に抗議が出来たわね?王室御用達の店に対して…」
 「まぁ、それだけ死活問題だった…という事なんだろうなぁ?下手すると、王室を敵に回す様な物だからね。」

 まぁ、そのお陰でシャイニング診療所(仮)は、1週間の休みを取る事になったのだった。
 本当はもっと休みたいと思うのだが…?
 女神トゥエルティスの光集めがねぇ?
 シャイニング診療所(仮)を始めてからは、ギフルテッドの街の診療所よりも多くの光集めが出来ていた。
 そのお陰で回復魔法以外の攻撃魔法を手に入れる事が出来たのだが…?
 その攻撃魔法とは、ターンアンデットだった。
 いや、まぁ…確かに、ターンアンデットは攻撃魔法の類には入るだろうが…?
 これって、アンデットにしか効果が無いからなぁ。
 女神トゥエルティスの嫌がらせなのか、本当に攻撃に関する魔法が無いのか…?
 まぁ、あまり当てにしない事にしよう。

 「今日はこれから何をする?デート…とか?」
 「いや、今日はちょっと…1人で行動をしたいんだ。」
 
 僕がそう言うと、ラミナはあからさまに残念そうな顔をした。
 僕はラミナに対して、物凄く申し訳無い感じがしたんだけど…?
 先日にガーネットから聞いた、テクタイトの授かったギフトの実験を色々とやってみたいからだった。
 テクタイトの授かったギフトは、全部で12個存在する。
 これは神殿内でも初の異例の事なんだけど、基盤が無いと使い道がないという事で、ただの宝の持ち腐れだったのだ。
 ただ、実際に使えるギフトは7種類だけで、その他は未定となっていた。
 ギフトを使用する事によって、未定が解除されるのか、使用回数によって解除されるのかが分からないので、とにかくやってみるしか無かった。

 「今日から3日間は、1人で行動をしたいんだけど…残りはラミナに付き合うからさぁ。」
 「うん、分かった。」

 僕はこうして、フリークスの街の外に出た。
 ストレージの中だけで行う分には、街中でも出来るんだけど?
 成功した物や完成した物を実際に見るには、ストレージから出さないと分からないので…街中では、もしもの事が起きた場合…問題が起きたら困る為に、実験は外で行う事にした。
 ガーネットから教えて貰った、テクタイトの授かったギフトは…?
 融合・進化・錬成・品質上昇・品質低下・性能上昇・性能低下で、その他は未定・未定・未定・未定・未定となっている。
 品質上昇や性能上昇は分かるんだが、何故に品質低下や性能低下があるのが謎だった。
 僕が女神トゥエルティスから与えられたギフトの中にも、範囲縮小や威力低下などが存在する。
 何故に低下まで与えられるのかが謎なんだが?
 今現在では、意味が分からなくて使った事がない為…何の役に立つのかが不明だった。

 「融合と錬成って、同じ様な物なんじゃないかな?」

 …そう思っていると、突然…ステータスボードが出現して、その説明文が表示された。
 【融合】は、既存品を組み合わせる事が出来るギフト。
 【錬成】は、種別の物を組み合わせる事が出来るギフト。
 …そう書いてあった。
 という事は、研究室でポーション作りに錬金窯で錬金術師が作り出せる工程が、ストレージの中だけで出来る様な物なのか?
 ドリース商会には、錬金術師達がポーション等を創り出すチームが存在する。
 この世界の全て…というわけでは無いが、お店に販売されているポーションの殆どは、ドリース商会印の…錬金術師達が作ったポーションが販売されていた。
 とりあえず、試してみようかとも思ったんだけど…?
 僕は薬品などを創り出すレシピを知らない為に、材料も揃っていない為に、これは後日に行う事にした。

 「だとすると、融合を実践するしか無いかな?」

 僕のストレージの中には、大量に作り出した複製品がある。
 とりあえず、10本の長剣同士で融合を試してみた結果…グレートソードが完成した。
 次に、品質上昇と性能上昇を限界迄引き上げると…魔剣並の性能の大剣になった。
 鑑定魔法で性能を見ると、以前にドリース商会で売られている武器の中で、性能が段違いだった。
 
 「これは絶対に売りに出したらまずいよな?自分専用で使用するか!」

 そう思ってストレージから取り出してみたのだが…?
 現在の僕の体格では、重過ぎて持ち上がりすらしなかった。
 そりゃあ、10本の剣の重さが1つの剣になっていれば当然だな。
 僕の身体では、長剣ですら重さを感じるくらいなのだから…?
 
 「この剣をもしも売りに出すとしたら、性能や品質を低下させたら良いの…あ、だから品質低下や性能低下があるのか!」

 試しに、長剣に品質低下と性能低下を限界迄下げてみる事にした。
 すると…?
 そこら辺に落ちている木の枝に負けるくらいに、刀身が粉々に砕けたのだった。
 一見使えると思ったこの2つのギフトだが、ストレージに入っていないと効果が無い。
 その為に、魔法の様に使えるわけでは無いので、凄くガッカリした。

 「良し、次!」

 もしかして、魔物も融合が可能だろうか?
 …そう思って、やってみた上に進化をさせてみたのだが…?
 これが予想もしない方向に…いや、とんでもない事に発展するのだった。
 果たして、一体何が起きたのだろうか?
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