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第一章 冒険者になる迄の道
第十二話 最悪な兄と姉達
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本日、グラハムハート公爵家の馬車が商会に到着した。
そこから降りて来た者達を見たのだが…?
グラハムハート公爵が連れて来た子供達は、全員では無い。
長男のサファイアと長女のガーネットだったら…テクタイト時代に殆ど会わなかったし、会った所ですぐには気づかれる事はないと思ったんだけど。
今回父親と同行して来たのは、次女のルビーと次男のトパーズだった。
ハッキリ言って最悪だ。
よりにもよって、我儘が服を着ている様なルビー姉さんと傍若無人なトパーズ兄さんだった。
元々僕は、公爵家時代にこの2人とは相性は最悪だった。
更に、神託の儀で最悪な結果を齎した時に…牢屋に入れられる前に一番蔑んで来たり、暴力を振るわれたりしたのもこの2人だった。
そして…今回、最も最悪なのは僕がこの2人の応対をする事になったのだった。
「はぁ、本当に最悪だ。頭目も気難しい客の相手を熟せられる僕を指名したい気持ちは分かるけど、子供になると話が違って来るんだよなぁ。ルビー姉さんもトパーズ兄さんも人の話は聞かないし、好き勝手に行動を起こすからなぁ…?」
僕は頭目に今回の客の相手を知った後に何度も掛け合ったが、僕なら歳も近い事だし、見事にやり遂げてくれると疑わなくて取り合っては貰えなかった。
この2人以外の貴族の子供だったら、上手く対応はできるだろうけど…?
この2人だけは、公爵家の家庭教師ですらサジを投げる程に手を焼いていたからだった。
いっその事、僕はグラハムハート公爵家の5男と言えたら楽なんだけど…?
そんな事が発覚したら、僕は間違い無く公爵家に売られるだろう。
今の年齢で冒険者になれればなぁ~、「この2人の相手をさせられるくらいなら、今すぐにでも商会を辞めますよ!」…と強く言えるんだけど、適正年齢が10歳からと決まっているので、残り4年間は我慢して耐えるしかない。
「ホーリー君ならやり遂げてくれると思うので、任せても構わないだろうか?」
「はぁ~分かりましたよ。その代わり…理不尽な要求をされたら、ぶっ飛ばしても構いませんか?」
「そんな事をしたら、君は不敬罪としてしょっ引かれる事になるんだぞ‼︎」
「いえ、冗談です。ただ、それ位に僕には荷が重いのですよ…ルビー様とトパーズ様の御噂は結構有名な話ですからね。」
この2人は以前にもこの商会に足を運んだ事があるという話だった。
その時は…両親と共に来たらしいけど。
両親は子供から開放したいが為に、先輩従業員達に相手を任せたらしいのだが…?
公爵家という事を笠にして、好き放題をして商品を壊されたり、従業員も酷い目に遭わされたという話だった。
マルザリィはかなり力のある商人だけど、流石に公爵家には逆らう事が出来ずに、破損させられた物には請求をしたらしいが、その時の事が原因で先輩従業員の中には辞めて行った者も居るらしいのだ。
「はぁ…覚悟を決めるか!まぁ、最悪の場合…思いっきりぶっ飛ばしてもヒールをすれば外傷は無くなるだろうから、奴等がどんな言い訳をしてもスッとボケられる事が…?」
まぁ、これに関しては…本当に最悪な場合に発動しよう。
それ位に僕が2人に対する怨みが深いからだった。
「さて、ホーリー君…そろそろ公爵様と御息女様と御子息様がいらっしゃいますよ。」
「分かりました、お任せ下さい。」
そして、グラハムハート公爵…ダイヤモンド・グラハムハートが2人の子供を連れて来た。
マルザリィは僕を紹介し、グラハムハート公爵は僕を見たのだけど…?
僕の姿は手配書の姿だと思っているので、全く気付かれる様子はなかった。
今回は母親が一緒に居ないという事は救いかな?
父親は僕の事には全く関心がないみたいだったが、流石に母親だったらお腹を痛めて産んだ子供の事は気付く筈?
問題はこの2人だ!
「本日、御息女様と御子息様のお相手をなされますホーリーです。」
「ホーリーと申します。」
僕は2人に頭を下げた。
この2人には流石に気付かれる…という不安があったが、それも取り越し苦労で終わった。
ただ…?
「貴方が私達の相手をしてくれるのね?平民風情が…不敬な態度をしようものなら、すぐにお父様にチクるわよ!」
「今日、お前は俺達の奴隷だからな…精々コキ使ってやるぜ!」
僕はこの2人に対して…いつまで理性を保っていられるかな?
そこから降りて来た者達を見たのだが…?
グラハムハート公爵が連れて来た子供達は、全員では無い。
長男のサファイアと長女のガーネットだったら…テクタイト時代に殆ど会わなかったし、会った所ですぐには気づかれる事はないと思ったんだけど。
今回父親と同行して来たのは、次女のルビーと次男のトパーズだった。
ハッキリ言って最悪だ。
よりにもよって、我儘が服を着ている様なルビー姉さんと傍若無人なトパーズ兄さんだった。
元々僕は、公爵家時代にこの2人とは相性は最悪だった。
更に、神託の儀で最悪な結果を齎した時に…牢屋に入れられる前に一番蔑んで来たり、暴力を振るわれたりしたのもこの2人だった。
そして…今回、最も最悪なのは僕がこの2人の応対をする事になったのだった。
「はぁ、本当に最悪だ。頭目も気難しい客の相手を熟せられる僕を指名したい気持ちは分かるけど、子供になると話が違って来るんだよなぁ。ルビー姉さんもトパーズ兄さんも人の話は聞かないし、好き勝手に行動を起こすからなぁ…?」
僕は頭目に今回の客の相手を知った後に何度も掛け合ったが、僕なら歳も近い事だし、見事にやり遂げてくれると疑わなくて取り合っては貰えなかった。
この2人以外の貴族の子供だったら、上手く対応はできるだろうけど…?
この2人だけは、公爵家の家庭教師ですらサジを投げる程に手を焼いていたからだった。
いっその事、僕はグラハムハート公爵家の5男と言えたら楽なんだけど…?
そんな事が発覚したら、僕は間違い無く公爵家に売られるだろう。
今の年齢で冒険者になれればなぁ~、「この2人の相手をさせられるくらいなら、今すぐにでも商会を辞めますよ!」…と強く言えるんだけど、適正年齢が10歳からと決まっているので、残り4年間は我慢して耐えるしかない。
「ホーリー君ならやり遂げてくれると思うので、任せても構わないだろうか?」
「はぁ~分かりましたよ。その代わり…理不尽な要求をされたら、ぶっ飛ばしても構いませんか?」
「そんな事をしたら、君は不敬罪としてしょっ引かれる事になるんだぞ‼︎」
「いえ、冗談です。ただ、それ位に僕には荷が重いのですよ…ルビー様とトパーズ様の御噂は結構有名な話ですからね。」
この2人は以前にもこの商会に足を運んだ事があるという話だった。
その時は…両親と共に来たらしいけど。
両親は子供から開放したいが為に、先輩従業員達に相手を任せたらしいのだが…?
公爵家という事を笠にして、好き放題をして商品を壊されたり、従業員も酷い目に遭わされたという話だった。
マルザリィはかなり力のある商人だけど、流石に公爵家には逆らう事が出来ずに、破損させられた物には請求をしたらしいが、その時の事が原因で先輩従業員の中には辞めて行った者も居るらしいのだ。
「はぁ…覚悟を決めるか!まぁ、最悪の場合…思いっきりぶっ飛ばしてもヒールをすれば外傷は無くなるだろうから、奴等がどんな言い訳をしてもスッとボケられる事が…?」
まぁ、これに関しては…本当に最悪な場合に発動しよう。
それ位に僕が2人に対する怨みが深いからだった。
「さて、ホーリー君…そろそろ公爵様と御息女様と御子息様がいらっしゃいますよ。」
「分かりました、お任せ下さい。」
そして、グラハムハート公爵…ダイヤモンド・グラハムハートが2人の子供を連れて来た。
マルザリィは僕を紹介し、グラハムハート公爵は僕を見たのだけど…?
僕の姿は手配書の姿だと思っているので、全く気付かれる様子はなかった。
今回は母親が一緒に居ないという事は救いかな?
父親は僕の事には全く関心がないみたいだったが、流石に母親だったらお腹を痛めて産んだ子供の事は気付く筈?
問題はこの2人だ!
「本日、御息女様と御子息様のお相手をなされますホーリーです。」
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この2人には流石に気付かれる…という不安があったが、それも取り越し苦労で終わった。
ただ…?
「貴方が私達の相手をしてくれるのね?平民風情が…不敬な態度をしようものなら、すぐにお父様にチクるわよ!」
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僕はこの2人に対して…いつまで理性を保っていられるかな?
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