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第一章 冒険者になる迄の道
第十一話 商会での仕事
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あれから1ヶ月が過ぎた。
僕は現在、商会内で店に出て客の対応をしていた。
元々は在庫整理を担当していたのだが…?
転生前のバイトは、コンビニの店員で僕は学生ながらにチーフ的な役職を任されていた。
まぁ、ちゃんとしたチーフという肩書きではなかったのだが、混雑時の客の対応や商品の補充等や惣菜の調理を行うスピードが他のバイト達とは桁違いに丁寧で早いという話で、店長からも信頼をされていたし、バイト達には尊敬をされていた。
その前世の役職を生かして商会の仕事を行なった結果…効率の良さから、在庫の整理から店で客の対応を任されたのだった。
「本当に…ホーリー君は仕事も早いし、客との対応も丁寧だし、計算も早いしねぇ…いずれは冒険者になってしまうという話だけど、出来ればこのまま商会での仕事を続けて欲しい所だよ。」
「いえいえ頭目…僕程度の人達は他にも居りますから。」
僕はマルザリィにそう答えた。
ちなみに頭目というのはマルザリィの事だ。
客の前では頭目と呼ばなければならず、店が終わればマルザリィさんでも構わないという話だった。
メリハリは必要なんだろう。
「さてと、今日の営業もそろそろ終了だな!皆、後片付けの方を頼むぞ。」
「「「「「はい、頭目!」」」」」
こうして商会の店での営業は終了した。
そして暫くしてから食事の時間になり、僕は食堂でも先輩従業員に褒められていた。
「ホーリーが店に出てくれる様になって、本当に助かるよ。お前はどんな客でも普通に対応出来るし、我儘が多い客や気難しい性格の客でも普通に対応しているからな。」
「それ以外にも商品を覚えるのも早いし、計算だって計算機を使わないできっちりとした金額を提示出来るし…マルザリィさんは本当に戦力になる人を見つけるのが上手いですね!」
「我輩もホーリー君にここまでの才能があるとは思わなかったよ。」
我儘な客や気難しい客の対応は、転生前のバイトで培われたものだった。
バイトのコンビニは、都内の人が多い場所で営業をしていて…それは毎日の様に理不尽な客の相手をさせられていたので、対人スキルはかなり高かった。
先程、商品を覚えるのが早いと言っていたが…?
あれは鑑定魔法によるもので、特に必死になって覚えたという事はない。
それに計算だって、あの程度なら暗算で事足りる。
寧ろ…計算機を使用した方が、答えが出るまでに時間が掛かるというものだった。
「まぁ、何はともあれ…明日は上客が来るという話だから、対応を任せるな。」
「上客…ですか?一体どんな方なのですか?」
「あぁ、それはこう……」
「ドディス、ちょっと良いですか?」
先輩従業員は、他の先輩従業員に呼ばれて席を立って行ってしまった。
上客というくらいだから、相当位の上の貴族だろう。
この商会の客の大半は、ほとんどが貴族である。
なので、どんな客が来ても普通に相手をするだけの話だった。
そして、食事を終えた僕は部屋に戻ってからベッドに寝転んだ。
すると、クリスとラミナが声を掛けて来た。
「ホーリー君は、最近では忙しそうだよね?」
「そうだよな、同じ商会に居るのに、日中は殆ど顔を合わせる事がないからな!」
「それは仕方が無いよ、僕達は配置されている場所が別々なんだから。」
最初の1週間以降は、クリスとラミナと顔を合わせる事は少なくなっていた。
夜になれば同じ部屋なので、会う事もあるのだが…?
最近では仕事で疲れて先に眠ってしまう事が多くて、会話自体が久し振りという感じだった。
「さて、そろそろ寝るとしますか!」
「え?もう寝るの…久々に話でもしないか?」
「そうだよ、ホーリー君。最近部屋に入ってもすぐに寝ちゃうからさぁ。」
「明日も早いんだしさ、寝ないとキツいぞ。」
僕は今日も今日とで気難しい客の対応で色々疲れていた。
なので、かなりの眠気が襲い始めていた。
「それではおやすみなさい。」
僕はそう言って、布団に潜ろうとした。
するとクリスは、こんな事を言って来た。
「話をしてくれるなら、アタイのおっぱいを触らせてやってもいいぜ!」
「さぁ、どうするのかなぁホーリー君?」
クリスは何を言っているのだろうか?
前回、クリスは自分で最初で最後のチャンスと言ったのを覚えてはないのだろうか?
僕は一瞬ドキッとしたけど、それはフリだという事が分かっていたので…
「おやすみなさい!」
そう言って、ニヤけていたクリスとラミナを無視して布団に潜った。
すると、クリスとラミナは悔しそうに声を上げていたが、それも暫くすると静かになっていた。
~~~~~翌日~~~~~
店が開店してから暫くした後に、その上客というのが店に訪れるという話をされた。
それは、グラハムハート公爵…僕のかつての父親だった。
「なるほど、商会にとっては…公爵家はかなりの上客というのが分かるな。」
だけど、グラハムハート公爵が僕を見た所で、テクタイトの姿はあの手配書の姿だと思っていると思うので問題は無い。
…そう思っていたのだが、それ以上に厄介な兄妹達も一緒に来るという話だった。
親は騙せても、兄妹達は騙せられるのかな?
僕は現在、商会内で店に出て客の対応をしていた。
元々は在庫整理を担当していたのだが…?
転生前のバイトは、コンビニの店員で僕は学生ながらにチーフ的な役職を任されていた。
まぁ、ちゃんとしたチーフという肩書きではなかったのだが、混雑時の客の対応や商品の補充等や惣菜の調理を行うスピードが他のバイト達とは桁違いに丁寧で早いという話で、店長からも信頼をされていたし、バイト達には尊敬をされていた。
その前世の役職を生かして商会の仕事を行なった結果…効率の良さから、在庫の整理から店で客の対応を任されたのだった。
「本当に…ホーリー君は仕事も早いし、客との対応も丁寧だし、計算も早いしねぇ…いずれは冒険者になってしまうという話だけど、出来ればこのまま商会での仕事を続けて欲しい所だよ。」
「いえいえ頭目…僕程度の人達は他にも居りますから。」
僕はマルザリィにそう答えた。
ちなみに頭目というのはマルザリィの事だ。
客の前では頭目と呼ばなければならず、店が終わればマルザリィさんでも構わないという話だった。
メリハリは必要なんだろう。
「さてと、今日の営業もそろそろ終了だな!皆、後片付けの方を頼むぞ。」
「「「「「はい、頭目!」」」」」
こうして商会の店での営業は終了した。
そして暫くしてから食事の時間になり、僕は食堂でも先輩従業員に褒められていた。
「ホーリーが店に出てくれる様になって、本当に助かるよ。お前はどんな客でも普通に対応出来るし、我儘が多い客や気難しい性格の客でも普通に対応しているからな。」
「それ以外にも商品を覚えるのも早いし、計算だって計算機を使わないできっちりとした金額を提示出来るし…マルザリィさんは本当に戦力になる人を見つけるのが上手いですね!」
「我輩もホーリー君にここまでの才能があるとは思わなかったよ。」
我儘な客や気難しい客の対応は、転生前のバイトで培われたものだった。
バイトのコンビニは、都内の人が多い場所で営業をしていて…それは毎日の様に理不尽な客の相手をさせられていたので、対人スキルはかなり高かった。
先程、商品を覚えるのが早いと言っていたが…?
あれは鑑定魔法によるもので、特に必死になって覚えたという事はない。
それに計算だって、あの程度なら暗算で事足りる。
寧ろ…計算機を使用した方が、答えが出るまでに時間が掛かるというものだった。
「まぁ、何はともあれ…明日は上客が来るという話だから、対応を任せるな。」
「上客…ですか?一体どんな方なのですか?」
「あぁ、それはこう……」
「ドディス、ちょっと良いですか?」
先輩従業員は、他の先輩従業員に呼ばれて席を立って行ってしまった。
上客というくらいだから、相当位の上の貴族だろう。
この商会の客の大半は、ほとんどが貴族である。
なので、どんな客が来ても普通に相手をするだけの話だった。
そして、食事を終えた僕は部屋に戻ってからベッドに寝転んだ。
すると、クリスとラミナが声を掛けて来た。
「ホーリー君は、最近では忙しそうだよね?」
「そうだよな、同じ商会に居るのに、日中は殆ど顔を合わせる事がないからな!」
「それは仕方が無いよ、僕達は配置されている場所が別々なんだから。」
最初の1週間以降は、クリスとラミナと顔を合わせる事は少なくなっていた。
夜になれば同じ部屋なので、会う事もあるのだが…?
最近では仕事で疲れて先に眠ってしまう事が多くて、会話自体が久し振りという感じだった。
「さて、そろそろ寝るとしますか!」
「え?もう寝るの…久々に話でもしないか?」
「そうだよ、ホーリー君。最近部屋に入ってもすぐに寝ちゃうからさぁ。」
「明日も早いんだしさ、寝ないとキツいぞ。」
僕は今日も今日とで気難しい客の対応で色々疲れていた。
なので、かなりの眠気が襲い始めていた。
「それではおやすみなさい。」
僕はそう言って、布団に潜ろうとした。
するとクリスは、こんな事を言って来た。
「話をしてくれるなら、アタイのおっぱいを触らせてやってもいいぜ!」
「さぁ、どうするのかなぁホーリー君?」
クリスは何を言っているのだろうか?
前回、クリスは自分で最初で最後のチャンスと言ったのを覚えてはないのだろうか?
僕は一瞬ドキッとしたけど、それはフリだという事が分かっていたので…
「おやすみなさい!」
そう言って、ニヤけていたクリスとラミナを無視して布団に潜った。
すると、クリスとラミナは悔しそうに声を上げていたが、それも暫くすると静かになっていた。
~~~~~翌日~~~~~
店が開店してから暫くした後に、その上客というのが店に訪れるという話をされた。
それは、グラハムハート公爵…僕のかつての父親だった。
「なるほど、商会にとっては…公爵家はかなりの上客というのが分かるな。」
だけど、グラハムハート公爵が僕を見た所で、テクタイトの姿はあの手配書の姿だと思っていると思うので問題は無い。
…そう思っていたのだが、それ以上に厄介な兄妹達も一緒に来るという話だった。
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