僕は最強の魔法使いかって?いえ、実はこれしか出来ないんです!〜無自覚チートの異世界冒険物語〜

アノマロカリス

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第一章 冒険者になる迄の道

第七話 クリスとラミナ

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 僕は現在、マルザリィが運んでいた荷物から食材を料理した物をいただいている。
 マルザリィは各街を渡り歩く交易商らしく、食材以外には様々な装飾品などを取り扱っている商人だった。
 そして今食べている食材も、この大陸では手に入らない珍しい食材で、グレイザングバッファローと同じ牛肉にも関わらず、肉質や脂は遥かに上質な物だった。
 僕はコッソリとひとかけらの肉をストレージにしまっておいた。
 後でこれにヒールを掛けて増やそうと思っていたからだった。

 「さて、では紹介をせねばなりませんな!この2人は…」
 「餓狼族のクリスと申します。」
 「森猫族のラミナって言います。」
 「僕の事はホーリーと呼んでくれ。」

 クリスと呼ばれたケモミミっ子は、犬耳だと思っていたけど狼だったのか!
 ラミナと呼ばれたケモミミっ子は、猫耳だとは思ったけど、森猫って…一体どういうものなんだろう?
 森の中で生活をしているから森猫族なんだろうか?
 それにしても…ラミナはともかく、クリスはなかなかの良い物をお持ちの様で。
 てっきり16歳くらいだとばかり思っていたけど、まさか12歳だったとは⁉︎
 これは成長が楽しみだな!
 ラミナはまぁ…今後に期待かな。

 「マルザリィさん、この2人はどんな関係ですか?」
 「あ、この2人はですね…」

 僕は言葉を選んでから尋ねた。
 マルザリィは人間で、ケモミミっ子2人を連れていた所を考えると…最初はてっきり奴隷かと思ったからだ。
 だからと言って、「その2人は奴隷ですか?」…なんて聞く訳にもいかないし、仮に外れていたら…怒らせる上にかなり失礼な話になる。
 だけど、マルザリィの話を聞いていく内に…このケモミミっ子の2人は奴隷では無い事は分かった。
 
 「クリスとラミナは、故郷である餓狼族の里と森猫族の森からそれぞれ出稼ぎをしたいという要望を得て、我が商会で働かせようと思ったのです。」
 「成人前の2人を…ですか?」
 「あ~~~ホーリー君は獣人族の仕組みは知らなかったのですね?彼女達は、見た目はこんな感じですが…立派に成人ですよ。人間族の成人は16歳ですが、獣人族は種族によって異なるのです。餓狼族は12歳が成人で、森猫族の成人は6歳なんですよ。」

 なるほど!
 2人のケモミミっ子は人間では無いから、人間の理屈は当てはまらないのか。
 それにしても…餓狼族はともかく、森猫族の成人が6歳って…幾ら何でも早過ぎないか?
 まぁ、昔からのしきたりみたいなものもあるだろうし、こっちがとやかく口を出す事はないんだけどな。

 「今度はこちらの番です。ホーリー君は、何故1人でこんな場所に?」
 「それはですね…」

 僕は外に出た時の設定を考えていた。
 途中でシャイニング孤児院という、設定上では考えていなかった事を言ってしまった所為で話が少しややこしくなったので、僕はその事を上手く説明した。

 「シャイニング孤児院を運営していた貴族様がいらっしゃったのですが、その貴族様がお亡くなりになって息子が後を引き継いだのですが、息子の方は貴族様のノブレスオブリージュの精神が理解出来ず、孤児院運営は金が掛かると言って潰したんです。それで孤児院にいた子供達はバラバラになって…」
 「そうだったのですか…」
 「僕も孤児院の子供達と一緒に行動をしていたのですが、盗賊に襲われて攫われて行ったり、魔物に殺された子達もいて…気付いたら僕だけになったのですが、街に入ろうとしても、子供だけでは身分を明かす証明が出来ないと言われて入れては貰えず…仕方なく安全な場所を求めて彷徨っていた所に、マルザリィさんの襲撃された馬車を発見したんです。」

 僕は悲しそうな表情を見せて話すと、マルザリィは僕の話に涙を溜めていた。
 話の半分以上は嘘なので、マルザリィの表情に罪悪感が湧いた。
 ただ、孤児院と子供達の話は嘘だけど、街に入れなかったという話は嘘ではないので問題は無いだろうか?
 まぁ、街に入れなかった本当の理由は別にあるんだけど…?

 「ホーリー君はこの先どうするんですか?」
 「フリークスの街に入って冒険者になりたい所ですが、その街の中にすら入れない状況ですので…どうしたら良いのか迷っているんです。」
 「ならば、我輩達と一緒に来られませんか?ホーリー君にはお世話になりましたし、暫くは我が商会で暫く働いてから年齢を重ねて、適正年齢になったら冒険者になるという事で…」
 「適正年齢?冒険者になるのに年齢制限があるんですか?」
 「これも種族によって異なりますが、人間の場合は適正年齢は10歳以上となりますね。」

 一緒に来られませんかという話を貰って、一瞬心の中でガッツポーズをしていたが…?
 まさか、冒険者になるのに年齢制限があったとは思わなかった。
 10歳以上か…後4年は冒険者にはなれないのか。

 「なら、10歳になるまでの間…宜しくお願い致します。それまでは商会の仕事の方を頑張りますから!」
 「では、これから宜しくお願いしますね。我が商会では様々な従業員がおりますし、商会では家族の様に接しますから御安心を。」

 こうして僕は、安全に街に入れるチケットを手に入れたのだった。
 さて、後は…公爵家の追ってが諦めてくれるとありがたいんだけどなぁ?
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