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第一章 冒険者になる迄の道

第四話 自分改造計画

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 近くにある森で僕は薬草と毒草を手に入れていた。
 回復魔法が使えるので、薬草の需要はあまり無い。
 鑑定魔法で薬草と表示されていたので、何かに役に立つだろうと思って回収をしただけだった。
 ラノベや漫画によると、冒険者ギルドの登録テストや冒険者になった最初のクエストが薬草採取という事が多いからだった。
 そして、メインは毒草の方だった。
 過去の文献には、当時の染色薬は主に毒草を煮詰めて染め物を行っていたという記実があったからだ。
 ※これには諸説あります。
 
 「まぁ、毒性の強い物の方が濃い色を出す事が出来るという話だからな。」

 洗髪染めの原料を見ると、現在では改善されているが一昔前までは、口に入ってしまった場合に口をゆすいだり、飲み込んでしまった場合は水を飲んで無理やり吐かせるか医師に相談と表示されていた。
 単純に考えて、髪を染める場合は元の色を抜いて色を変えるなんて使われる染料の類は、身体に良く無い影響のある物が主だろうからだ。
 それだけ、人体には悪い物が使われていたんだろう。
 
 さて、少し話が脱線してしまったが…話を戻す事にしよう。
 僕は毒草を鍋に入れて煮詰めていた。
 匂いを嗅ぐ限りでは…草の青臭い香りがするという位で身体に異境はなさそうな感じがしたのだが、色がえげつない位に黒緑に近い色をしていて、絶対に飲んだりしたらイチコロの様な気がした。

 「どこをどう見ても毒にしか見ないんだが、こんな物に触れても大丈夫なのだろうか?」

 牢屋の中での実験で分かった事だけど、生活魔法のレベル上げは使用回数を重ねてレベルが上がるということが分かった。
 回復魔法も使用回数による物もあるが、レベルを上げる事により新たな魔法を覚える事が出来ていた。
 覚えた回復魔法は、ヒールの強力版のキュア、範囲回復魔法のキュアオール、治療魔法のアンチドーテ毒の治療アンチパラライズ麻痺治療と言った感じだった。
 なので、仮に触れて毒を受けたとしても、治療する方法はあるのだが…?
 だからと言って、自ら触れるというのには抵抗があった。

 「最悪…髪が染まらなかったら、スキンヘッドにでもするしか無いかな?」

 そして仮に染まったとしても、生活魔法の中でクリーン魔法を使う事により、元に戻ってしまう可能性がある。
 クリーン魔法は自分に掛ける際、身体のあらゆる汚れを洗浄する魔法なんだけど、髪を染めた場合に汚れと認識されないかという不安が残る。
 そうなると、クリーン魔法を使う度に染め直さなければならないという面倒事が…?

 「まぁ、こればかりはやってみるしか無いな…」

 僕は鍋の中の毒々しい色を少し深めの皿に入れて、それを髪に染み込ませる様に漬けてみた。
 転生前の僕は、髪を染めた事があるが…あの時はクリームを使用して、記載されていた時間を見ながらやっていたが…?
 今回の様な事は初なので、正確にどれ位の間を漬けなければならないかが分からなかった。
 なので、なるべく長い時間を漬けてみたんだけど?
 
 「濃い緑を期待していたんだけど、なんか…青緑色に近い色になったなぁ?」

 僕は鏡を見てみたんだけど、目の色の事もあるし、完全な緑色よりもこの色でも良いと思えた。
 後は懸念したクリーン魔法を自分に掛けてみたが、染めた髪の色が元に戻ることはなかった。
 
 「良し、後は服にも色を付けるか!」

 昨日街に入る時に来ていた服は、白のシャツに白のズボンで白い靴だった。
 列に並んでいた人達は、大体茶色に近い色や濃い緑色の服を来ていた。
 なので、真っ白な服を着ている者達はいないので…この服も染める必要があった。
 僕は髪を染めた汁の残りを鍋に入れてから、換えの服を一式鍋に入れて煮込んだ。
 そして暫くしてから箸でつまんで取り出してみると、白かった服も綺麗な青緑色に染まっていた。

 「この色でも大丈夫だろうか…?まぁ、他に色を付ける方法は別の機会で探すとして…後の問題をどうするかな?」

 これである程度の外見を誤魔化すことは出来たのだが、残る問題は…1人で行動しているというのが問題だった。
 …とはいえ、この世界で知り合いなんている訳もなく…?
 同行者でも居れば問題も解消されるのだろうけど…。

 だけど、この問題を解消出来る事が数日後に起きたのだった。
 その同行者になる者とは…?
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