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第一章 冒険者になる迄の道
第三話 街へ向かおう!
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翌日、僕はまた暗闇の中で目を覚ました。
グラハムハート公爵家では僕の捜索がされているなんて話を全く知らない僕は、今日こそは街に行く為に行動を起こす為に、扉を開けたのだった。
すると、僕は眩しい位の朝日を浴びたのだった。
「久々の太陽だな!昨日はずうっと曇りだったからなぁ?」
やはり陽の光を浴びるというのは気持ちが良いものだ!
僕は背伸びの運動をしてから拠点である家を見た。
「うんうん、問題はなさそうだね。」
僕がこの廃村に着いてから、この拠点の外観を見て気になった事があった。
この拠点は、ドーム状になっている為に外壁はツルツルだった。
村の中や街の中の一角にあれば、大した違和感もないのだろうけど…?
平原の中にこんな建物があると不自然この上ない。
そう思った僕は、この拠点をカモフラージュする為に改造を施した。
…とはいえ、改造と言ってもそこまで手の込んだ事はしていない。
生活魔法の土を屋根や外壁に無造作に貼り付けて…側から見たら少し大きな岩に見える様にしただけだった。
そして扉も、牢屋の時に使っていた物を再利用した。
扉の外側は土を貼り付けて岩壁の様に施して、さらに生活魔法の火で焼き付けたのだった。
すると、乾いた土が見事に岩の様になったのだった。
「まぁ…異世界だし、これくらいの大きな岩は存在しているよな?」
元いた世界では、これ程大きな岩は自然公園や教科書に載っていた採石場跡の写真でしか見た事がない。
ここは街の外では魔物が徘徊する様な場所なので、環境を整備する余裕や人員などは確保出来ないと思う。
なので問題は無いとは思うんだけど、やっぱり…不自然かなぁ?
「さてと、支度が済んだら早速街に向かう準備でもするか!」
僕はストレージの中に入っている肉や野菜を取り出して調理を始めた。
転生前の僕は、両親が借金による蒸発で天涯孤独な身だった。
両親が作った借金を僕に返済する義務は発生しなかったが、両親が方々の親戚達に金を借りてそのまま逃亡してくれた所為か、僕が親戚を頼ろうとしても嫌な顔をされて相手にして貰えなかった。
現在住んでいるアパートも、本来だったら学生で収入源のあまり無い僕は追い出される筈だったのだけれど、僕の悲惨な状況を知っている大家さんが、毎月の家賃をしっかり遅れず入れるという条件で継続して使わせてくれるのだった。
なので、僕は高校生とバイト生活の二足にわらじ状態で、決して裕福とは無縁な生活を送るしかなく、日々の生活も部屋の明かりは蝋燭のみで、食事は激安スーパーの見切り品やお勤め品、半額の商品等を主婦と争奪し、自炊して料理をして喰いつないでいた。
「あぁ…やはり調理器具や調味料は有り難いな!料理の幅が広がる‼︎」
転生前でも肉を喰える事はあまり無かった。
だけど、飲食店でバイトをしている時にまかないや余った食材を持たせてくれた事があって、その時に肉が喰えるという状態で…普段はスーパーでも肉を手に入れられる事はあまり無かった。
「よし、腹も満たされたし…早速街に向けて出発するか!」
僕はそう言ってから、開けた道に戻って歩き始めた。
それから暫く経過すると、今度は本当に街の建物だと思われる影が見えた。
これで念願の街に入れる!
僕は門に入る為に並んでいる者達の列に並んだ。
すると、列に並んでいる者達は僕の方をチラチラと見て来た。
やはり子供が1人でこんな所に並んでいるのが珍しいのかな…?
そう思ったのも束の間で、街の門に近付くに連れて…入り口の壁に貼られた手配書を見て僕は慌てて引き返したのだった。
「まさか…僕の手配書が貼られているとは思わなかった。」
そこにはこう書かれていた。
年齢は6歳前後で銀髪で碧眼、身体は細くて小柄な男子。
しかも、当然の事ながら顔のイラスト付きだった。
更に…捕らえた者には金貨100枚に報酬を贈呈。
貨幣価値がどの程度の物かは分からないけど、公爵家が懸賞金として出す金額としては決して安い物では無いだろう。
「だから、列に並んでいた者達は僕の方を見て来たのか!」
だけど、あの手配書には誤算があった。
あの顔のイラストは、僕が牢屋に放り込まれて暫くした後の顔だった。
あの頃は神託の儀のギフトの所為で、暫くは部屋から出させては貰えす、食事も与えられていない状態だったので、痩せこけた時の顔だった。
現在では、ある時期を境に肉や野菜を毎日食べて健康的になっていて、筋肉も付いているし身体もガッチリしていて細いというわけでは無い。
銀髪と碧眼は合ってはいるけど、他の容姿がマッチしていなくて…並んでいた者達は、僕が手配書の子供だという事に疑っている様子だったみたいだった。
「参ったな…こんなのが出回っている状態では、街に入れる以前の問題だ!」
目は誤魔化し用は無いが、髪は草を煮詰めた物で染める事が出来る…筈?
服装の事は一切書かれていなかったけど、その辺は変装をしていると踏んで書かなかったのだろう。
それと、1人で行動するのも無理があるだろうが…?
何とか対策を考えないとなぁ?
僕は街から遠ざかる様に歩いて行った。
そして、かなり歩いた場所に拠点を構えて、拠点に入って今後の対策を考える事にした。
だけど、ちっとも対策が練れるという訳もなく、暫くは大人しく時が流れるのを待とうかと思ったが…?
この数日後に僕は、救いの手とも呼べる様な出来事に遭遇するのだった。
グラハムハート公爵家では僕の捜索がされているなんて話を全く知らない僕は、今日こそは街に行く為に行動を起こす為に、扉を開けたのだった。
すると、僕は眩しい位の朝日を浴びたのだった。
「久々の太陽だな!昨日はずうっと曇りだったからなぁ?」
やはり陽の光を浴びるというのは気持ちが良いものだ!
僕は背伸びの運動をしてから拠点である家を見た。
「うんうん、問題はなさそうだね。」
僕がこの廃村に着いてから、この拠点の外観を見て気になった事があった。
この拠点は、ドーム状になっている為に外壁はツルツルだった。
村の中や街の中の一角にあれば、大した違和感もないのだろうけど…?
平原の中にこんな建物があると不自然この上ない。
そう思った僕は、この拠点をカモフラージュする為に改造を施した。
…とはいえ、改造と言ってもそこまで手の込んだ事はしていない。
生活魔法の土を屋根や外壁に無造作に貼り付けて…側から見たら少し大きな岩に見える様にしただけだった。
そして扉も、牢屋の時に使っていた物を再利用した。
扉の外側は土を貼り付けて岩壁の様に施して、さらに生活魔法の火で焼き付けたのだった。
すると、乾いた土が見事に岩の様になったのだった。
「まぁ…異世界だし、これくらいの大きな岩は存在しているよな?」
元いた世界では、これ程大きな岩は自然公園や教科書に載っていた採石場跡の写真でしか見た事がない。
ここは街の外では魔物が徘徊する様な場所なので、環境を整備する余裕や人員などは確保出来ないと思う。
なので問題は無いとは思うんだけど、やっぱり…不自然かなぁ?
「さてと、支度が済んだら早速街に向かう準備でもするか!」
僕はストレージの中に入っている肉や野菜を取り出して調理を始めた。
転生前の僕は、両親が借金による蒸発で天涯孤独な身だった。
両親が作った借金を僕に返済する義務は発生しなかったが、両親が方々の親戚達に金を借りてそのまま逃亡してくれた所為か、僕が親戚を頼ろうとしても嫌な顔をされて相手にして貰えなかった。
現在住んでいるアパートも、本来だったら学生で収入源のあまり無い僕は追い出される筈だったのだけれど、僕の悲惨な状況を知っている大家さんが、毎月の家賃をしっかり遅れず入れるという条件で継続して使わせてくれるのだった。
なので、僕は高校生とバイト生活の二足にわらじ状態で、決して裕福とは無縁な生活を送るしかなく、日々の生活も部屋の明かりは蝋燭のみで、食事は激安スーパーの見切り品やお勤め品、半額の商品等を主婦と争奪し、自炊して料理をして喰いつないでいた。
「あぁ…やはり調理器具や調味料は有り難いな!料理の幅が広がる‼︎」
転生前でも肉を喰える事はあまり無かった。
だけど、飲食店でバイトをしている時にまかないや余った食材を持たせてくれた事があって、その時に肉が喰えるという状態で…普段はスーパーでも肉を手に入れられる事はあまり無かった。
「よし、腹も満たされたし…早速街に向けて出発するか!」
僕はそう言ってから、開けた道に戻って歩き始めた。
それから暫く経過すると、今度は本当に街の建物だと思われる影が見えた。
これで念願の街に入れる!
僕は門に入る為に並んでいる者達の列に並んだ。
すると、列に並んでいる者達は僕の方をチラチラと見て来た。
やはり子供が1人でこんな所に並んでいるのが珍しいのかな…?
そう思ったのも束の間で、街の門に近付くに連れて…入り口の壁に貼られた手配書を見て僕は慌てて引き返したのだった。
「まさか…僕の手配書が貼られているとは思わなかった。」
そこにはこう書かれていた。
年齢は6歳前後で銀髪で碧眼、身体は細くて小柄な男子。
しかも、当然の事ながら顔のイラスト付きだった。
更に…捕らえた者には金貨100枚に報酬を贈呈。
貨幣価値がどの程度の物かは分からないけど、公爵家が懸賞金として出す金額としては決して安い物では無いだろう。
「だから、列に並んでいた者達は僕の方を見て来たのか!」
だけど、あの手配書には誤算があった。
あの顔のイラストは、僕が牢屋に放り込まれて暫くした後の顔だった。
あの頃は神託の儀のギフトの所為で、暫くは部屋から出させては貰えす、食事も与えられていない状態だったので、痩せこけた時の顔だった。
現在では、ある時期を境に肉や野菜を毎日食べて健康的になっていて、筋肉も付いているし身体もガッチリしていて細いというわけでは無い。
銀髪と碧眼は合ってはいるけど、他の容姿がマッチしていなくて…並んでいた者達は、僕が手配書の子供だという事に疑っている様子だったみたいだった。
「参ったな…こんなのが出回っている状態では、街に入れる以前の問題だ!」
目は誤魔化し用は無いが、髪は草を煮詰めた物で染める事が出来る…筈?
服装の事は一切書かれていなかったけど、その辺は変装をしていると踏んで書かなかったのだろう。
それと、1人で行動するのも無理があるだろうが…?
何とか対策を考えないとなぁ?
僕は街から遠ざかる様に歩いて行った。
そして、かなり歩いた場所に拠点を構えて、拠点に入って今後の対策を考える事にした。
だけど、ちっとも対策が練れるという訳もなく、暫くは大人しく時が流れるのを待とうかと思ったが…?
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