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第五十三話 聖女召集?
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船に乗っている間は、とても暇な毎日が続きます。
船室にいても特にする事もなく、昼間以外に夜も甲板に出て星を眺めていました。
ただ最近…夜空を見上げると、月が三つある様に見えました。
この世界は月が二つあります。
大きく白き光を放つ…フィーラリアの月、蒼き光を放つ…レンドルーテスの月。
その二つの月の下に位置する赤く光る星…だったのですが?
その三つ目の星が日を追うごとに大きくなっている感じがして、まるで二つの月と寸分違わない位に大きくなっていました。
真っ赤な…まるで血のように赤い月でした。
「あの月は一体? 何か凄く不気味な感じがするんだけど…」
そんな事を考えていると、通信魔法でメナスから連絡が来ました。
「ファスティア、今平気?」
「メナス! どうしたの?」
「元気かなぁ…と思ってね。」
メナスとは場所が変わる時や何処かに向かう際には連絡を入れている。
今回は船に乗る前に連絡をしたので、多分暇だと思って連絡してきたみたいなんだけど…?
「4日前に話したばかりでしょ! それにしても…どうしたの突然?」
「うん、ママがね…ファスティアと話したいらしくて、今変わるね。」
ステファニーさん…何の用事だろう?
実は言うと、メナス以外にもステファニーさんと話をする事は何度かあったんだけど…今回は何か感じが違っていた。
「ファスティアちゃん、そっちは今は夜よね?」
「えぇ…そうですが。」
「空にフィーラリアとレンドルーテス以外に、赤い月は見える?」
「はい…見えますけど、この月は一体⁉︎」
「その赤い月の名前は、魔凶星ディザステェルと言って…聖女しか見えない月なの。」
「聖女にしか…? こんなに大きい月なのに?」
「私も見えるんだけど、メナスやドレクス達には見えていなくてね…」
二つの月より遥かに大きくなっている真っ赤な月…魔凶星ディザステェルだっけ?
こんなのが他の人達には見えないって…?
「この月はね、20年周期で接近する月でね…最近、魔物が強くなったとかそんな感じがしなかった?」
「特に感じた事はなかったかな? あ、でも…種類によっては中々しぶとかったのはいたかも?」
一人旅でも魔物が襲って来る事は何度かあった。
普段だったら、こちらが手を出さない限りは襲っては来ない魔物が積極的に襲って来たとか、1度の魔法で倒せると思っていたはずが…何度も放たないと倒せない時もあった。
「流石ファスティアちゃんね、最近の魔物が活発化をしているのは魔凶星が関係しているの。」
「この月は名前からして…魔物に力を与える何かの作用でもあるんですか?」
「あぁ…そう聞くと言う事は、ファスティアちゃんは神殿で習わなかったのね?」
「え…それはどう言う?」
私が神殿に赴いていた時は、まだ幼かった時の事だったし…?
地方の田舎だったレントグレマール王国の神殿では、聖女の魔法関連の書物はあったけど、魔凶星に関連する記載は無かった…って、当たり前か!
聖女以外は月が見えないと言う話なのだから、レントグレマール王国で初めての聖女と言われた私だから、聖女に関連する書物はあっても、聖女が遺した手記はないか。
「そもそも、魔物達って何処から現れるかは知っている?」
「いえ…街の外に行けば普通に現れるので、気にした事はありませんが?」
「自然界の原生種…と言った元々この地にいる魔物以外の魔物は、魔凶星ディザステェルから来るの。」
「はい?」
「こんな話を突然されても信じられないわよね? 魔凶星がもう少しこの星に接近するとね…星の涙と呼ばれる現象が起きるのよ。 遠くから見れば…星が涙を流しているように見えるんだけど…」
「それって…その涙に見えるのが魔物の塊って事ですか?」
「それも数万から数百万規模でね。 本来なら数千万と言いたい所なんだけど、全てが全てこの星に来ると言う訳では無くて、星に来るまでの間は数万は燃え尽きるから…」
この世界にも流れ星は落ちて来る事はある。
宇宙から星に落ちて来る時には、大体は燃えて小さくなっていると言う話だけど?
「だから、今期はその周期に入っていて…星の涙が起きる年なのよね。」
「今迄はどうやって撃退していたんですか?」
「完全に…というのは無理だったわ、ファスティアちゃんは…大聖女クライネート様の事は御存知?」
「勿論です、中央大陸のレオンハルト聖王国にある大神殿の聖女様ですよね?」
「もう少しすると…世界にいる聖女達に、大聖女クライネート様からの通信が入って来ると思うから。」
「星の涙に関する事で…ですか?」
「それもあるけど、星の涙の落下地点の推定場所を特定するのも含めてね。 落下地点は毎回変わるみたいだから…」
「まさか、街の上に落ちて来る…なんて事はないですよね?」
「100年くらい前にはそういう時もあったみたい。 それで王国の1つが滅んだという話もあるからね。」
そう言えば以前、魔物の襲撃で滅んだ王国があるという話を読んだ事があったけど…それがまさか星の涙に関連する物だとは思わなかった。
100年くらい前の話なら、当時の事を覚えている人もあまりいないでしょうしね。
「詳しい話は、大聖女クライネート様の通信で入って来る事で聞かされると思うけど、その時は再び会う事になるかもね!」
「私が去り際に、近い内に会える…というのはそういう事だったのですね。」
ステファニーさんが私に…「そう遠くない日にまた会うからね!」と言われた事があった。
私はその時に…メナス達が会いに来てくれるのかなと思っていたんだけど、そういう事なのね?
「それと、各国の聖女達も一斉に合流するから。」
「魔物討伐の為にですか?」
「一般の魔物なら、一般の人達にも見えるんだけど…聖女が相手をするのは、一般の人達には見えない魔物の相手になるからね。」
「もしかして…魔王とか?」
「それに近しい存在…と言っておきます。 前回では私も把握出来ていなくて、先輩聖女達の指示に従って動いていたからね。」
「そうですか…」
こうして、通信魔法での話は終わりました。
それから程なくして…大聖女クライネート様からの通信が入ったのですけど?
その予想落下地点が、まさかあの場所になるとは…?
船室にいても特にする事もなく、昼間以外に夜も甲板に出て星を眺めていました。
ただ最近…夜空を見上げると、月が三つある様に見えました。
この世界は月が二つあります。
大きく白き光を放つ…フィーラリアの月、蒼き光を放つ…レンドルーテスの月。
その二つの月の下に位置する赤く光る星…だったのですが?
その三つ目の星が日を追うごとに大きくなっている感じがして、まるで二つの月と寸分違わない位に大きくなっていました。
真っ赤な…まるで血のように赤い月でした。
「あの月は一体? 何か凄く不気味な感じがするんだけど…」
そんな事を考えていると、通信魔法でメナスから連絡が来ました。
「ファスティア、今平気?」
「メナス! どうしたの?」
「元気かなぁ…と思ってね。」
メナスとは場所が変わる時や何処かに向かう際には連絡を入れている。
今回は船に乗る前に連絡をしたので、多分暇だと思って連絡してきたみたいなんだけど…?
「4日前に話したばかりでしょ! それにしても…どうしたの突然?」
「うん、ママがね…ファスティアと話したいらしくて、今変わるね。」
ステファニーさん…何の用事だろう?
実は言うと、メナス以外にもステファニーさんと話をする事は何度かあったんだけど…今回は何か感じが違っていた。
「ファスティアちゃん、そっちは今は夜よね?」
「えぇ…そうですが。」
「空にフィーラリアとレンドルーテス以外に、赤い月は見える?」
「はい…見えますけど、この月は一体⁉︎」
「その赤い月の名前は、魔凶星ディザステェルと言って…聖女しか見えない月なの。」
「聖女にしか…? こんなに大きい月なのに?」
「私も見えるんだけど、メナスやドレクス達には見えていなくてね…」
二つの月より遥かに大きくなっている真っ赤な月…魔凶星ディザステェルだっけ?
こんなのが他の人達には見えないって…?
「この月はね、20年周期で接近する月でね…最近、魔物が強くなったとかそんな感じがしなかった?」
「特に感じた事はなかったかな? あ、でも…種類によっては中々しぶとかったのはいたかも?」
一人旅でも魔物が襲って来る事は何度かあった。
普段だったら、こちらが手を出さない限りは襲っては来ない魔物が積極的に襲って来たとか、1度の魔法で倒せると思っていたはずが…何度も放たないと倒せない時もあった。
「流石ファスティアちゃんね、最近の魔物が活発化をしているのは魔凶星が関係しているの。」
「この月は名前からして…魔物に力を与える何かの作用でもあるんですか?」
「あぁ…そう聞くと言う事は、ファスティアちゃんは神殿で習わなかったのね?」
「え…それはどう言う?」
私が神殿に赴いていた時は、まだ幼かった時の事だったし…?
地方の田舎だったレントグレマール王国の神殿では、聖女の魔法関連の書物はあったけど、魔凶星に関連する記載は無かった…って、当たり前か!
聖女以外は月が見えないと言う話なのだから、レントグレマール王国で初めての聖女と言われた私だから、聖女に関連する書物はあっても、聖女が遺した手記はないか。
「そもそも、魔物達って何処から現れるかは知っている?」
「いえ…街の外に行けば普通に現れるので、気にした事はありませんが?」
「自然界の原生種…と言った元々この地にいる魔物以外の魔物は、魔凶星ディザステェルから来るの。」
「はい?」
「こんな話を突然されても信じられないわよね? 魔凶星がもう少しこの星に接近するとね…星の涙と呼ばれる現象が起きるのよ。 遠くから見れば…星が涙を流しているように見えるんだけど…」
「それって…その涙に見えるのが魔物の塊って事ですか?」
「それも数万から数百万規模でね。 本来なら数千万と言いたい所なんだけど、全てが全てこの星に来ると言う訳では無くて、星に来るまでの間は数万は燃え尽きるから…」
この世界にも流れ星は落ちて来る事はある。
宇宙から星に落ちて来る時には、大体は燃えて小さくなっていると言う話だけど?
「だから、今期はその周期に入っていて…星の涙が起きる年なのよね。」
「今迄はどうやって撃退していたんですか?」
「完全に…というのは無理だったわ、ファスティアちゃんは…大聖女クライネート様の事は御存知?」
「勿論です、中央大陸のレオンハルト聖王国にある大神殿の聖女様ですよね?」
「もう少しすると…世界にいる聖女達に、大聖女クライネート様からの通信が入って来ると思うから。」
「星の涙に関する事で…ですか?」
「それもあるけど、星の涙の落下地点の推定場所を特定するのも含めてね。 落下地点は毎回変わるみたいだから…」
「まさか、街の上に落ちて来る…なんて事はないですよね?」
「100年くらい前にはそういう時もあったみたい。 それで王国の1つが滅んだという話もあるからね。」
そう言えば以前、魔物の襲撃で滅んだ王国があるという話を読んだ事があったけど…それがまさか星の涙に関連する物だとは思わなかった。
100年くらい前の話なら、当時の事を覚えている人もあまりいないでしょうしね。
「詳しい話は、大聖女クライネート様の通信で入って来る事で聞かされると思うけど、その時は再び会う事になるかもね!」
「私が去り際に、近い内に会える…というのはそういう事だったのですね。」
ステファニーさんが私に…「そう遠くない日にまた会うからね!」と言われた事があった。
私はその時に…メナス達が会いに来てくれるのかなと思っていたんだけど、そういう事なのね?
「それと、各国の聖女達も一斉に合流するから。」
「魔物討伐の為にですか?」
「一般の魔物なら、一般の人達にも見えるんだけど…聖女が相手をするのは、一般の人達には見えない魔物の相手になるからね。」
「もしかして…魔王とか?」
「それに近しい存在…と言っておきます。 前回では私も把握出来ていなくて、先輩聖女達の指示に従って動いていたからね。」
「そうですか…」
こうして、通信魔法での話は終わりました。
それから程なくして…大聖女クライネート様からの通信が入ったのですけど?
その予想落下地点が、まさかあの場所になるとは…?
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