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第四十七話 気になって…
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あれから数週間が過ぎて、現在はレントグレマール王国に来ております。
本来なら来る気なんて全く無かったのですが…
結界の加護が無くなった場合の状態を確認したい為でした。
他の大陸でも、聖女の結界の加護を失った国が衰退して行く…
そんな話を聞いた事はありましたが、どの様に衰退して行くのかまでは知らなかったので、気になっておりました。
「これは…予想以上ですね。」
私が結界を張る前は、レントグレマール王国は決して裕福な国ではなく…
結界を張った後は、裕福な国に生まれ変わりました。
だけど現在の状態では、かつての貧しい暮らしを強いられた王国そのもので…?
土地が枯れて作物が育たず、失業者が多く街のあちらこちらで座り込んでいる姿を見つけ、魔物の襲撃も多い所為か…
騎士だけではなく、兵士や冒険者も共に魔物の襲撃の討伐に参加して、怪我だらけの状態になっておりました。
「救護所も人が溢れているみたいですし、回復術士はいないのかな?」
妹のライラは魔力が高い…というのは、私が張った結界の中での話で、現在ではそれほど高い魔力は無い。
それでも、回復魔法はそれなりに使えた筈だから、もしかしたら救護所で…?
なんて思っておりましたけど、中を見てもライラの姿はありませんでした。
カリオスと婚約を結んだのなら、現在のこの状況なら率先して…とも考えたのですが、あの我儘な妹の性格だと、途中で面倒になって逃げ出したのでしょうね。
私は救護所の大怪我をしていた人達を横目に見ながら、申し訳無さそうにその場を後にしました。
私の魔法なら、救護所にいる者達の怪我を全て治すことは出来るでしょう。
ですがそんなことをしたら、その先の未来がどうなるかなんて容易に見えます。
そもそもこの国に来た理由は、あくまでも様子を見に来ただけにしか過ぎません。
なので、そこまでする義理は一切ありません。
私は西方にあるダルンデス港にを目指して歩いていると、かつてお世話になった冒険者ギルドの入り口に、見知った顔の手配書が貼られているのを見ました。
そこには…罪状が書かれており、更には有力な情報には金一封と書かれておりました。
別に金銭には興味が無いほど稼いでおりましたので特に必要性を感じなかったのですが、無償で情報提供だけでもしておこうと思い、私は冒険者ギルドの受付で…
「この手配書の男は、ノースファティルガルドの港で見掛けました。」
…そう告げると、詳しい事を王宮まで…と言われたのですが、私は旅を急いでいるという理由でお断りを致しました。
こんなに王国が荒れている状態でカリオスが戻った所で何も変わりませんし…
それに今の状態でカリオスがこの国に来れば、自ずと結果は見えているという物です。
カリオス自身も一刻も早くレントグレマール王国に戻りたさそうにしていましたし、チクリは私の悪意なる報復…もとい、善意の気持ちです。
そう…私は心の中で呟いてから、冒険者ギルドを出て…西にあるダルンデス港を目指して旅立ちました。
私の旅に大した目的はありませんでしたが、まだ行った事がなく、メナスから色々話を聞いていた故郷のオルシェフリッツ大陸に赴くのも良いかと思いました。
だけど…ダルンデス港に到着すると、私は厄介な人物に遭遇する事になったのです。
まぁ、私の事を知っている人物…なんですけどね。
本来なら来る気なんて全く無かったのですが…
結界の加護が無くなった場合の状態を確認したい為でした。
他の大陸でも、聖女の結界の加護を失った国が衰退して行く…
そんな話を聞いた事はありましたが、どの様に衰退して行くのかまでは知らなかったので、気になっておりました。
「これは…予想以上ですね。」
私が結界を張る前は、レントグレマール王国は決して裕福な国ではなく…
結界を張った後は、裕福な国に生まれ変わりました。
だけど現在の状態では、かつての貧しい暮らしを強いられた王国そのもので…?
土地が枯れて作物が育たず、失業者が多く街のあちらこちらで座り込んでいる姿を見つけ、魔物の襲撃も多い所為か…
騎士だけではなく、兵士や冒険者も共に魔物の襲撃の討伐に参加して、怪我だらけの状態になっておりました。
「救護所も人が溢れているみたいですし、回復術士はいないのかな?」
妹のライラは魔力が高い…というのは、私が張った結界の中での話で、現在ではそれほど高い魔力は無い。
それでも、回復魔法はそれなりに使えた筈だから、もしかしたら救護所で…?
なんて思っておりましたけど、中を見てもライラの姿はありませんでした。
カリオスと婚約を結んだのなら、現在のこの状況なら率先して…とも考えたのですが、あの我儘な妹の性格だと、途中で面倒になって逃げ出したのでしょうね。
私は救護所の大怪我をしていた人達を横目に見ながら、申し訳無さそうにその場を後にしました。
私の魔法なら、救護所にいる者達の怪我を全て治すことは出来るでしょう。
ですがそんなことをしたら、その先の未来がどうなるかなんて容易に見えます。
そもそもこの国に来た理由は、あくまでも様子を見に来ただけにしか過ぎません。
なので、そこまでする義理は一切ありません。
私は西方にあるダルンデス港にを目指して歩いていると、かつてお世話になった冒険者ギルドの入り口に、見知った顔の手配書が貼られているのを見ました。
そこには…罪状が書かれており、更には有力な情報には金一封と書かれておりました。
別に金銭には興味が無いほど稼いでおりましたので特に必要性を感じなかったのですが、無償で情報提供だけでもしておこうと思い、私は冒険者ギルドの受付で…
「この手配書の男は、ノースファティルガルドの港で見掛けました。」
…そう告げると、詳しい事を王宮まで…と言われたのですが、私は旅を急いでいるという理由でお断りを致しました。
こんなに王国が荒れている状態でカリオスが戻った所で何も変わりませんし…
それに今の状態でカリオスがこの国に来れば、自ずと結果は見えているという物です。
カリオス自身も一刻も早くレントグレマール王国に戻りたさそうにしていましたし、チクリは私の悪意なる報復…もとい、善意の気持ちです。
そう…私は心の中で呟いてから、冒険者ギルドを出て…西にあるダルンデス港を目指して旅立ちました。
私の旅に大した目的はありませんでしたが、まだ行った事がなく、メナスから色々話を聞いていた故郷のオルシェフリッツ大陸に赴くのも良いかと思いました。
だけど…ダルンデス港に到着すると、私は厄介な人物に遭遇する事になったのです。
まぁ、私の事を知っている人物…なんですけどね。
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