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第四十二話 一方その頃…(カリオスとレントグレマール王国)
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「金が貯まらん…」
王国行きの二度目の船を見送ったカリオスは、財布を見ながらボソッと呟いた。
あれから二週間が経った。
カリオスは最初の頃こそ…仕事を甘く見て稼ぎが悪かったが、今では真摯に向き合って仕事に勤しんでいる。
だが、最初は酷かった。
初日に雪掻きを甘く見て稼ぎが悪かったカリオスは、別の依頼であるスノースライムの討伐というのに目を付けた。
スライムなら、レントグレマール王国で何度も狩ったことがあったからだ。
しかも、スノースライムを5匹も討伐すれば…船代を軽く稼げるというものだった。
「良し、これを受けてやるぜ!」
カリオスは自信満々でギルドカウンターに依頼書を渡した。
受付嬢はそれを受け取ったが、カリオスを見て溜め息を吐いた。
「確かに、スノースライムの討伐にはランクの指定はありません。」
「だろ? だから手っ取り早く金を稼ぐのに俺はこの依頼を受ける事にしたんだよ。」
カリオスは自信満々で言った。
確かに、スノースライムの討伐にはランクによる縛りはない。
運が良ければ子供でも倒せるし、ドロップの雪の結晶を入手すれば換金だってして貰える。
ただ…それなのに楽に金を稼げずに、雪掻きという重労働に身を置く理由があったのだった。
受付嬢は説明をしようかとギルド内にいる冒険者に声を掛けようと思っていたが、昨日に雪掻きの監督をしていた男に口パクで「説明する必要はない」と言われたのだった。
受付嬢はたった一言、「お気を付けて下さい。」と言って、カリオスを見送った。
カリオスは依頼場所であるスノースライムの生息地を訪れた。
ちなみに、スノースライムの生息地は街の外ではなく街の中だった。
敷地の中というだけで、街の中でもかなり外れの空き地になるのだが…?
「お、いるいる…あれだけの数だと船以外にも船に乗るまで豪遊出来る金額は稼げるな!」
そこにはスノースライムが群れを成して蠢いていた。
カリオスは剣を抜いて近寄ろうとした時だった!
スノースライムはカリオスに気付くと…群れを成して一斉に襲いだし始めたのだった。
スノースライムの行動にカリオスは焦り始めた。
レントグレマール王国付近に生息するスライムは、近寄ると逃げる臆病な性格に対し…?
スノースライムもスライム同様に臆病な性格には違いないが、仲間と一緒にいる時は別で徒党を組んで襲い掛かって来るのだった。
そしてカリオスは、スノースライム達に地面に倒された。
スノースライムは相手を殺す事はしない…が、体温を奪うという目的の為に、一定の温度を奪うと勝手に離れていくのだった。
そんな感じなので、カリオスは唇が紫色で顔は青く、ガタガタと震えているのだった。
「やっぱり、こうなったか!」
監督が木の陰からカリオスの行動を見ていて、スノースライムが完全に立ち去ったのを見てからカリオスを回収した。
監督はそのままカリオスを焚火の近くに置いてから、白湯を飲ませた。
「これで分かっただろう、俺達がアイツに手を出さない理由が…」
監督はそう言ってカリオスに分からせようとした…が、当のカリオスには届いていなかった。
欲を掻いて集団の中に飛び込んだから失敗だと思っていた。
翌日…身体がすっかり回復したカリオスは、スノースライムにリベンジを果たす為に昨日の空き地に向かった。
すると、運が良い事に…?
スノースライムは群れではなく、1匹で行動をしていた。
「群れじゃなければ問題はない!」
そう言ってカリオスは剣を構えてからスノースライムに襲い掛かった。
するとスノースライムは、カリオスの襲撃に気付いて身体を青く光りだすと、スノーバレットという魔法を発動させてから放って来た。
大きさ50cmの雪玉が発射されて、それを喰らったカリオスは吹き飛ばされ…
更にスノースライムは身体が青く光り少し大きくなると、氷のブレスを吐いて来たのだった。
カリオスはスノーバレットを喰らった後なので、氷のブレスを躱す事が出来ずに見事に喰らって氷漬けになった。
そしてまたも監督に発見されて回収されて、焚火の近くで熱湯をぶっ掛けられて氷を解かす羽目になった。
そして翌日…カリオスは冒険者ギルドに寄って討伐不可能として違約金を支払う羽目になった。
それ以降…カリオスはスノースライムを討伐しようとなんてする気は一切起きなかった。
さて、ここで1つ…スノースライムの特徴を話すとしましょう。
スノースライムは分類的には魔物では無くて、魔獣に分類される。
世界にいるスライムの中では4番目か5番目に強い部類である。
警戒心が非常に強く、群れを成している時は各自肉弾で挑んで来るが、単体の場合は魔法やブレスを使って来る。
倒し方にもやり方があり、罠を張ったり虚を突く攻撃により倒す事が出来る。
なので子供でも倒せない事は無いのだが、罠を設置する手間や1匹で行動するまで耐え忍ぶには非常に効率が悪く、それに構っているよりは少額でも他の仕事をしていた方が金になるという物である。
なので馬鹿みたく真っ正面から襲撃するのは逆効果だった。
カリオスはその事を監督から聞かされて、ようやく諦めがついた。
なので、カリオスは毎日行われている雪掻きの仕事に専念しているという訳であった。
そして…冒頭に戻る。
~~~~~レントグレマール王国~~~~~
さて、話はもう1つある。
その日、ノースファティルガルドからの船に乗って帰還しようとしていたカリオスの船室から、カリオスの鞄が発見されてその鞄はレントグレマール王国に届けられた。
そして国王と宰相がカリオスの鞄の中身を探っていると、ヴァッシュ殿下からの紹介状の手紙を見る事になったわけなのだが…?
船から忽然と姿を消したカリオス、ノースファティルガルドに向かう為の軍資金が無い事に気付いた国王は、カリオスは任務を放棄してバックレたと思い、国内にカリオスの手配書がバラまかれたのだった。
その一方で…レントグレマール王国は更に最悪な状況を迎えつつあるのだが…?
王国行きの二度目の船を見送ったカリオスは、財布を見ながらボソッと呟いた。
あれから二週間が経った。
カリオスは最初の頃こそ…仕事を甘く見て稼ぎが悪かったが、今では真摯に向き合って仕事に勤しんでいる。
だが、最初は酷かった。
初日に雪掻きを甘く見て稼ぎが悪かったカリオスは、別の依頼であるスノースライムの討伐というのに目を付けた。
スライムなら、レントグレマール王国で何度も狩ったことがあったからだ。
しかも、スノースライムを5匹も討伐すれば…船代を軽く稼げるというものだった。
「良し、これを受けてやるぜ!」
カリオスは自信満々でギルドカウンターに依頼書を渡した。
受付嬢はそれを受け取ったが、カリオスを見て溜め息を吐いた。
「確かに、スノースライムの討伐にはランクの指定はありません。」
「だろ? だから手っ取り早く金を稼ぐのに俺はこの依頼を受ける事にしたんだよ。」
カリオスは自信満々で言った。
確かに、スノースライムの討伐にはランクによる縛りはない。
運が良ければ子供でも倒せるし、ドロップの雪の結晶を入手すれば換金だってして貰える。
ただ…それなのに楽に金を稼げずに、雪掻きという重労働に身を置く理由があったのだった。
受付嬢は説明をしようかとギルド内にいる冒険者に声を掛けようと思っていたが、昨日に雪掻きの監督をしていた男に口パクで「説明する必要はない」と言われたのだった。
受付嬢はたった一言、「お気を付けて下さい。」と言って、カリオスを見送った。
カリオスは依頼場所であるスノースライムの生息地を訪れた。
ちなみに、スノースライムの生息地は街の外ではなく街の中だった。
敷地の中というだけで、街の中でもかなり外れの空き地になるのだが…?
「お、いるいる…あれだけの数だと船以外にも船に乗るまで豪遊出来る金額は稼げるな!」
そこにはスノースライムが群れを成して蠢いていた。
カリオスは剣を抜いて近寄ろうとした時だった!
スノースライムはカリオスに気付くと…群れを成して一斉に襲いだし始めたのだった。
スノースライムの行動にカリオスは焦り始めた。
レントグレマール王国付近に生息するスライムは、近寄ると逃げる臆病な性格に対し…?
スノースライムもスライム同様に臆病な性格には違いないが、仲間と一緒にいる時は別で徒党を組んで襲い掛かって来るのだった。
そしてカリオスは、スノースライム達に地面に倒された。
スノースライムは相手を殺す事はしない…が、体温を奪うという目的の為に、一定の温度を奪うと勝手に離れていくのだった。
そんな感じなので、カリオスは唇が紫色で顔は青く、ガタガタと震えているのだった。
「やっぱり、こうなったか!」
監督が木の陰からカリオスの行動を見ていて、スノースライムが完全に立ち去ったのを見てからカリオスを回収した。
監督はそのままカリオスを焚火の近くに置いてから、白湯を飲ませた。
「これで分かっただろう、俺達がアイツに手を出さない理由が…」
監督はそう言ってカリオスに分からせようとした…が、当のカリオスには届いていなかった。
欲を掻いて集団の中に飛び込んだから失敗だと思っていた。
翌日…身体がすっかり回復したカリオスは、スノースライムにリベンジを果たす為に昨日の空き地に向かった。
すると、運が良い事に…?
スノースライムは群れではなく、1匹で行動をしていた。
「群れじゃなければ問題はない!」
そう言ってカリオスは剣を構えてからスノースライムに襲い掛かった。
するとスノースライムは、カリオスの襲撃に気付いて身体を青く光りだすと、スノーバレットという魔法を発動させてから放って来た。
大きさ50cmの雪玉が発射されて、それを喰らったカリオスは吹き飛ばされ…
更にスノースライムは身体が青く光り少し大きくなると、氷のブレスを吐いて来たのだった。
カリオスはスノーバレットを喰らった後なので、氷のブレスを躱す事が出来ずに見事に喰らって氷漬けになった。
そしてまたも監督に発見されて回収されて、焚火の近くで熱湯をぶっ掛けられて氷を解かす羽目になった。
そして翌日…カリオスは冒険者ギルドに寄って討伐不可能として違約金を支払う羽目になった。
それ以降…カリオスはスノースライムを討伐しようとなんてする気は一切起きなかった。
さて、ここで1つ…スノースライムの特徴を話すとしましょう。
スノースライムは分類的には魔物では無くて、魔獣に分類される。
世界にいるスライムの中では4番目か5番目に強い部類である。
警戒心が非常に強く、群れを成している時は各自肉弾で挑んで来るが、単体の場合は魔法やブレスを使って来る。
倒し方にもやり方があり、罠を張ったり虚を突く攻撃により倒す事が出来る。
なので子供でも倒せない事は無いのだが、罠を設置する手間や1匹で行動するまで耐え忍ぶには非常に効率が悪く、それに構っているよりは少額でも他の仕事をしていた方が金になるという物である。
なので馬鹿みたく真っ正面から襲撃するのは逆効果だった。
カリオスはその事を監督から聞かされて、ようやく諦めがついた。
なので、カリオスは毎日行われている雪掻きの仕事に専念しているという訳であった。
そして…冒頭に戻る。
~~~~~レントグレマール王国~~~~~
さて、話はもう1つある。
その日、ノースファティルガルドからの船に乗って帰還しようとしていたカリオスの船室から、カリオスの鞄が発見されてその鞄はレントグレマール王国に届けられた。
そして国王と宰相がカリオスの鞄の中身を探っていると、ヴァッシュ殿下からの紹介状の手紙を見る事になったわけなのだが…?
船から忽然と姿を消したカリオス、ノースファティルガルドに向かう為の軍資金が無い事に気付いた国王は、カリオスは任務を放棄してバックレたと思い、国内にカリオスの手配書がバラまかれたのだった。
その一方で…レントグレマール王国は更に最悪な状況を迎えつつあるのだが…?
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