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第三十七話 カルーセル・カーマイン登場!
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「久しぶりだな、メナス!」
「えっと…誰?」
自信満々に声を掛けてきた色黒の男だったけど、メナスのその一言で色黒の男は悲壮な表情をしていた。
バレンシア大陸の港からザルーデンの街に移動して、その翌日にメナスと観光名所や雑貨屋を回っていると…やたらと声を掛けてくる男達がいた。
それはもう、うんざりするくらいに…
大体は、「そこの可愛いお嬢さん!」とか、「君の思い出の花を添えてあげるよ!」という言葉を掛けて来ながら近付いて来る者達が多かったけど、今回の様にメナスを明らかに知って声を掛けて来た男は初めてだった。
…なんだけど、肝心のメナスはというと?
色黒の男を見て、頭に「?」が浮かんでいた。
メナス曰く…バレンシア大陸に来るには初めてだという話なので、こんな場所に知り合いがいる事はない…と話してくれた。
メナスの出身地は、遥か西方にあるオルシェフリッツ大陸のスチュアート農国の出身で、今迄のドレクス達の旅の中で立ち寄った場所で仲良くなった女の子には名前を明かした事はあっても、男の子に名前を名乗った事はない。
ましてや地元でも無い限り、男の子が名前を知っている筈は無いとか?
だけど、目の前の色黒の男は明らかにメナスの名前を名乗っていた。
「メナス、この人は祖国の知り合いとかじゃないの?」
「いやいや…ファスティア、バレンシア大陸からオルシェフリッツ大陸ってどれだけ遠いか知っているの? フレマアージュ王国からノースファティルガルドを二往復くらい離れているのよ。」
私はレントグレマール王国で書類整理をしていた際に、スチュアート農国の話は聞いた事はある。
当時は貧しい国だったんだけど、そこでしか収穫出来ない野菜や果物に価値を見出した商会がブランド化させて、一気に名前が世に広まったという話だった。
ただ、あまりにも遠過ぎる為に私も知っている程度に過ぎなかった。
「確かにバレンシア大陸からオルシェフリッツ大陸まで来れる人はあまりいないか…船代だって破格の値段だろうし、貴族や商人でも無い限り…」
「大体、この人が商人や貴族に見える?」
見え…無いわね?
赤毛の色黒でアロハシャツを着ていて、先程から声を掛けて来たナンパ男達と大差無く感じる。
「おい! オレを無視するのは辞めてくれないか?」
「あ、ごめんごめん…それで、貴方は一体誰なの?」
「オレは、カーマイン家のカルーセルだ‼︎」
「え、えーっと…?」
メナスはフリでは無くて、本当に悩んでいるみたいだった。
「メナスの知り合いの人じゃ無いの?」
「いや、全然…」
「これを言えば思い出せるか? オレは将来…お前を貰ってやると!」
「「えぇっ⁉︎」」
…って、何でメナスまで驚いているのよ?
私もメナスから男性に関する相手はいないと聞いていたし、そもそも付き合ったことすらないと聞いていたから驚いていただけなのに。
「思い出せたか?」
「ぜっんぜん‼︎」
それを言われると、色黒の男…カルーセルはまたも悲壮な顔をしていた。
暫くして…立ち直ったカルーセルは大胆な行動をし始めようとしたのだけれど?
この男も、かなり厄介な性格でした。
「えっと…誰?」
自信満々に声を掛けてきた色黒の男だったけど、メナスのその一言で色黒の男は悲壮な表情をしていた。
バレンシア大陸の港からザルーデンの街に移動して、その翌日にメナスと観光名所や雑貨屋を回っていると…やたらと声を掛けてくる男達がいた。
それはもう、うんざりするくらいに…
大体は、「そこの可愛いお嬢さん!」とか、「君の思い出の花を添えてあげるよ!」という言葉を掛けて来ながら近付いて来る者達が多かったけど、今回の様にメナスを明らかに知って声を掛けて来た男は初めてだった。
…なんだけど、肝心のメナスはというと?
色黒の男を見て、頭に「?」が浮かんでいた。
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ましてや地元でも無い限り、男の子が名前を知っている筈は無いとか?
だけど、目の前の色黒の男は明らかにメナスの名前を名乗っていた。
「メナス、この人は祖国の知り合いとかじゃないの?」
「いやいや…ファスティア、バレンシア大陸からオルシェフリッツ大陸ってどれだけ遠いか知っているの? フレマアージュ王国からノースファティルガルドを二往復くらい離れているのよ。」
私はレントグレマール王国で書類整理をしていた際に、スチュアート農国の話は聞いた事はある。
当時は貧しい国だったんだけど、そこでしか収穫出来ない野菜や果物に価値を見出した商会がブランド化させて、一気に名前が世に広まったという話だった。
ただ、あまりにも遠過ぎる為に私も知っている程度に過ぎなかった。
「確かにバレンシア大陸からオルシェフリッツ大陸まで来れる人はあまりいないか…船代だって破格の値段だろうし、貴族や商人でも無い限り…」
「大体、この人が商人や貴族に見える?」
見え…無いわね?
赤毛の色黒でアロハシャツを着ていて、先程から声を掛けて来たナンパ男達と大差無く感じる。
「おい! オレを無視するのは辞めてくれないか?」
「あ、ごめんごめん…それで、貴方は一体誰なの?」
「オレは、カーマイン家のカルーセルだ‼︎」
「え、えーっと…?」
メナスはフリでは無くて、本当に悩んでいるみたいだった。
「メナスの知り合いの人じゃ無いの?」
「いや、全然…」
「これを言えば思い出せるか? オレは将来…お前を貰ってやると!」
「「えぇっ⁉︎」」
…って、何でメナスまで驚いているのよ?
私もメナスから男性に関する相手はいないと聞いていたし、そもそも付き合ったことすらないと聞いていたから驚いていただけなのに。
「思い出せたか?」
「ぜっんぜん‼︎」
それを言われると、色黒の男…カルーセルはまたも悲壮な顔をしていた。
暫くして…立ち直ったカルーセルは大胆な行動をし始めようとしたのだけれど?
この男も、かなり厄介な性格でした。
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