【完結】全てを後悔しても、もう遅いですのよ。

アノマロカリス

文字の大きさ
上 下
37 / 63

第三十五話 心を折りに掛かりたいと思います。

しおりを挟む
 私はヴュンシェンの釣り竿の追加の新機能を実行してみようと思いました。

 リリースの強化版…といえば良いのでしょうか?

 リリースはその場で放置する内容で、今回の新機能は放り投げという機能でした。

 今回はそれで…カリオスに仕掛けたいと思います。

 ~~~~~カリオスの乗っている船~~~~~

 『順調な航路で進んでいる為に、残り3日でフレマアージュ王国に到着します!』

 その言葉を聞いて、カリオスは笑みを浮かべていた。

 残りの3日間をどう過ごそうか?

 そう思ってカリオスは鞄の取っ手に手を触れた瞬間!

 首の後ろに釣り針が掛かり、そのまま引っ張られて甲板に出ると…

 次に海面を走る様に来た道を引き返すように引っ張られて行き、そして放り投げの機能を使って放り投げ飛ばすと其処は…?

 カリオスは元のノースファティルガルドに戻って来ました。

 カリオスは一瞬、何が起きたか分からずに辺りをキョロキョロと見渡しています。

 でも、このままでは心を折るには足りません…ので?

 マーキングロッドをカリオスにセットしてから、アポートという物の引き寄せ魔法を使って、カリオスの財布を頂戴しました。

 ~~~~~ファスティア~~~~~

 カリオスから奪った…もとい、拝借した財布の中身を見ると、金貨が100枚ほど入っておりました。

 今迄に対する慰謝料として、徴収しようかとも考えたのですが…?

 カリオスが使っていた財布など所持したくも無いので、財布はカリオスに返し、中身はレントグレマール王国の孤児院に寄付しました。(羽ペンでカリオス名を書いて…)

 カリオスは再び船に乗るべく財布を拾い上げましたが、やたら軽かったので中身を見て唖然とし…何とか金の工面をする為に奔走する羽目になりました。

 ですが、ノースファティルガルドはレントグレマール王国の管轄外の為に、すぐに返すといっても信用はされず、カリオスは冒険者ギルドに登録をして、地道に稼ぐ道を選びました。

 さて、船に乗れる金額が貯まるまでに何日掛かるのでしょうね?

 長距離船の料金は、地味に高いですからねw

 これで一件落着…と思いながら気になっていたヴァッシュ殿下のいる無人島を見ると、無人島近海の海流から脱出してガッツポーズをしていたヴァッシュ殿下を見付けました。

 ~~~~~ヴァッシュ殿下~~~~~

 「あの海域を抜けられるとは思わなかったわ! でもここで無人島に逆戻りになったらどうなるかな?」

 私はヴァッシュ殿下から少し先の地点に、水系上級魔法のタイダルウェーブ大津波を放つと…?

 巨大な津波が発生して、イカダもろとも無人島まで押し流して行きました。

 そしてイカダを風魔法のウィンドハンマーで粉砕し、粉々になって吹き飛んで行きました。

 「今のは…水系上級魔法のタイダルウェーブと、風魔法のウィンドハンマーだな? こんな事が出来るのは…」

 私はヴァッシュ殿下に答えるように、羽ペンで文字を書いて送信しました。

 【そうで~す! 私の仕業ですよ~~~】

 「やはりレイラ、お前の仕業だったんだな⁉︎」

 …はて?

 ヴァッシュ殿下の口調がまるで…カリオスのような乱暴な言葉遣いになっていました。

 これが素なのでしょうかねぇ?

 【嫌な予感がして、ヴァッシュ殿下を確認したら…無人島から脱出出来そうになっておりましたので、タイダルウェーブで無人島まで押し戻してから、ウィンドハンマーでイカダを破壊しておきました。 これでもう、脱出は不可能ですね!】

 「ふっ…残念だったな! この間、この島に嵐が来た時に…たくさんの流木が流れ着いたから、イカダを壊しても次が作れるんだよ‼︎」

 【そうだったのですね、なら…残りの流木を全て破壊されたらどうなりますか?】

 「そんな事、やれる物ならやってみろ‼︎」

 やれる物ならねぇ?

 なら、やってあげましょうか!

 私は無人島の中心にマーキングロッドをセットしてから、風系上級魔法のテンペストサイクロンで無人島の周囲に落ちている流木を全て巻き上げてから、同じく風系の上級魔法のゴッドブレスで流木を全て風圧で粉砕しました。

 やれる物ならやってみろという事でしたので…ご希望通りにやってみました。

 すると…?

 「まさか…本当に全ての流木を粉砕するとは思わなかった⁉︎」

 【やれる物なら…って仰っておりましたので、実行しただけですが?】

 「お前は鬼畜か⁉︎」

 【嫌ですわ! こんなひ弱な女性に向かって…おほほ~‼︎】

 ヴァッシュ殿下は、その場で怒りで地面を踏み荒らした後に、流木の破片を見て手を付いていた。

 「お前は俺に何か恨みでもあるのか⁉︎」

 【恨みはありませんが…貴方に戻って来られると、私に色々と不都合な事が起こりますので…】

 「なら、何故一思いに殺らない⁉︎」

 【私の仲間の女の子が止めなければ、無人島に飛ばすことはせずに…そのまま海に沈める所だったんですよ。 でも、最終的に考えると…こうして生かしておいて正解だったかもしれませんね?】

 「くっ…俺は絶対に戻ってやる! そして…俺を生かした事を後悔させてやるからな‼︎」

 【そうですか、ではその日を楽しみに待っておりますね! では…さよなら、バイバイ、アディオース‼︎】

 私はこうしてヴァッシュ殿下との会話を終わらせた。

 それにしてもまさか、あの海域を抜けられるとは思わなかったわ!

 これからも定期的に監視が必要の様ね。

 これで…二人の心が折れてくれていれば助かるんだけど?

 まぁ、すぐにどうこう出来る訳じゃないし…?

 また暇な時にでも確認しましょうか。
しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~

白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。 王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。 彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。 #表紙絵は、もふ様に描いていただきました。 #エブリスタにて連載しました。

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになります!

近藤アリス
恋愛
私生児聖女のコルネリアは、敵国に二束三文で売られて嫁ぐことに。 「悪名高い国王のヴァルター様は私好みだし、みんな優しいし、ご飯美味しいし。あれ?この国最高ですわ!」 声を失った儚げ見た目のコルネリアが、勘違いされたり、幸せになったりする話。 ※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です! ※「カクヨム」にも掲載しています。

【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜

白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」  即位したばかりの国王が、宣言した。  真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。  だが、そこには大きな秘密があった。  王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。  この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。  そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。 第一部 貴族学園編  私の名前はレティシア。 政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。  だから、いとこの双子の姉ってことになってる。  この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。  私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。 第二部 魔法学校編  失ってしまったかけがえのない人。  復讐のために精霊王と契約する。  魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。  毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。  修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。 前半は、ほのぼのゆっくり進みます。 後半は、どろどろさくさくです。 小説家になろう様にも投稿してます。

醜い傷ありと蔑まれてきた私の顔に刻まれていたのは、選ばれし者の証である聖痕でした。今更、態度を改められても許せません。

木山楽斗
恋愛
エルーナの顔には、生まれつき大きな痣がある。 その痣のせいで、彼女は醜い傷ありと蔑まれて生きてきた。父親や姉達から嫌われて、婚約者からは婚約破棄されて、彼女は、痣のせいで色々と辛い人生を送っていたのである。 ある時、彼女の痣に関してとある事実が判明した。 彼女の痣は、聖痕と呼ばれる選ばれし者の証だったのだ。 その事実が判明して、彼女の周囲の人々の態度は変わった。父親や姉達からは媚を売られて、元婚約者からは復縁を迫られて、今までの態度とは正反対の態度を取ってきたのだ。 流石に、エルーナもその態度は頭にきた。 今更、態度を改めても許せない。それが彼女の素直な気持ちだったのだ。 ※5話目の投稿で、間違って別の作品の5話を投稿してしまいました。申し訳ありませんでした。既に修正済みです。

【完結】聖女が性格良いと誰が決めたの?

仲村 嘉高
ファンタジー
子供の頃から、出来の良い姉と可愛い妹ばかりを優遇していた両親。 そしてそれを当たり前だと、主人公を蔑んでいた姉と妹。 「出来の悪い妹で恥ずかしい」 「姉だと知られたくないから、外では声を掛けないで」 そう言ってましたよね? ある日、聖王国に神のお告げがあった。 この世界のどこかに聖女が誕生していたと。 「うちの娘のどちらかに違いない」 喜ぶ両親と姉妹。 しかし教会へ行くと、両親や姉妹の予想と違い、聖女だと選ばれたのは「出来損ない」の次女で……。 因果応報なお話(笑) 今回は、一人称です。

女神に頼まれましたけど

実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。 その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。 「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」 ドンガラガッシャーン! 「ひぃぃっ!?」 情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。 ※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった…… ※ざまぁ要素は後日談にする予定……

今更「結婚しよう」と言われましても…10年以上会っていない人の顔は覚えていません。

ゆずこしょう
恋愛
「5年で帰ってくるから待っていて欲しい。」 書き置きだけを残していなくなった婚約者のニコラウス・イグナ。 今までも何度かいなくなることがあり、今回もその延長だと思っていたが、 5年経っても帰ってくることはなかった。 そして、10年後… 「結婚しよう!」と帰ってきたニコラウスに…

処理中です...