【完結】全てを後悔しても、もう遅いですのよ。

アノマロカリス

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第三十一話 カリオスイジメ…再び!

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 最近になって分かったことなんだけど…

 私がこんな道具があれば良いな~と思ってから眠ると、翌日にそれが具現化してベッドに置いてあるのでした。

 よくは分からないんだけど、私が寝ている時に魔力で産み出している…というのが正しいのかも知れない。

 だけど、全てが全て作れるというわけではなく…?

 例えば、金貨が無限に生み出せる財布…なんていうのを願っても、叶う事はなかった。

 あくまでも道具であり、金に関する物を生み出す物は一切叶わなかった。

 そして今回…私が願った物というのは、空中に文字を書けるペンで、書いた文字を相手に送ることが出来ると言う道具でした。

 試しにメナスに使ってみたら、私が書いた文章をメナスに送ると、メナスの目の前に表示されました。

 だけど、このペンは知り合いにしか使うことが出来ず、見ず知らずの者に使うのは不可能でした。

 これは…使えるわね!

 私は遠視魔法を使用して、ノースファティルガルドにいるカリオスの確認をしてみると…?

 カリオスは風邪が治ったみたいで、宿屋で食事をしていた。

 「復活したみたいね? ならば、また再開させましょうか!」

 ヴュンシェンの釣り竿は、射程圏内にいる対象物なら建物の中だろうと釣り上げることが可能です。

 なので、外に居ようが部屋の中に居ようが関係無しに釣り上げる事が可能なのですが…?

 「その前に…まずはペンを試してみますか!」

 このペンは羽ペンの様な形をしていて、ペン先は丸くなっている。

 ペンで書いた文章を羽の部分で仰ぐと相手に届く様になるという物です。

 私はカリオスにメッセージを届ける為に文章を書いた。

 【カリオスよ、中央都市デルーランスには行ってはなりません。 大人しくレントグレマール王国に帰還しなさい!】

 私はそう書いてから羽で仰ぐと、カリオスの目の前にこの文章が送られた。

 すると、目の前に届いた文章を見たカリオスは…?

 「ふざけんじゃねぇ! 何で見ず知らずの奴にこんな事を言われねぇといけないんだ‼︎」

 私は次の文章を書き始めた。

 【そうですか、それが答えなのですね? では…またも海に叩き落としてあげましょう!】

 私はその文章をカリオスに送ると、カリオスは数日前の一連の不可解な出来事の犯人を知った。

 「あれは…お前の仕業だったのか⁉︎」

 そう言い終わった瞬間に、カリオスは襟元のフックを引っ掛けられて海に引っ張り出されてからリリースで落とされた。

 だけど、今回はこれだけでは終わらない。

 羽ペンの以外にもう1つこんな物が欲しいと思った翌朝に、ベッドに置かれていた杖があった。

 この杖はマーキングロッドといい、対象にマーキングを施してから魔法を放つと…100%命中するという優れた魔法杖だった。

 私の魔法は威力こそ高いので、数打ちゃ当たる方法を取って敵を仕留めていたんだけど…威力が高過ぎる所為で地形を歪める事が多々あり、ドレクス達にも迷惑を何度も掛けて来た。

 そこで私は確実に命中する杖を願ったら、このマーキングロッドを手に入れる事が出来たのでした。

 「マーキングセット! 水魔法…温度上昇、熱湯45℃!」

 海に叩き落とされたカリオスが岸に上がった瞬間を狙って、熱湯をぶっ掛けたのでした。

 「ギャァァァァァァァ…熱っつ、熱っつぅ~~~!!!」

 この世界の貴族や王族達は、風呂に入る習慣はある…が、設定温度は大体40℃前後で、温泉地でも42℃位が最高なのである。

 カリオスは極寒の海に叩き込まれている為に、設定温度を上昇させて45℃の熱湯をぶっ掛けたのでした。

 極寒の海で冷えた身体に熱湯…ファスティアは優しさのつもりで行なった行動は、カリオスには地獄の様な苦しみを味わうのでした。

 ※余談ですが…作者のアノマロカリスは夏場はシャワーですが、冬場の風呂の設定温度は44℃ですw

 【今回は風邪を引いて寝込まれる様な事をさせたくはなかったので、この様な処置を取りましたが…考えは変わりましたか?】

 「お前…どっちも拷問だぞ‼︎」

 【そうですか、それが答えなんですね?】

 私はヴュンシェンの釣り竿を振ってからカリオスを捉え、また海に叩き落としました。

 そして岸に辿り着いてから、次は設定温度48℃の熱湯をぶっ掛けました。

 「ちょっと待てぇ! さっきより明らかに熱いぞ‼︎」

 【貴方が諦めて国に帰れば良いのです。 次の熱湯は更に温度を高めますよ‼︎】

 「お前、さっきから好き放題言っているが…一体何者なんだ⁉︎」

 何者…?

 そう言われて私は一瞬考えました。

 このまま名を明かさずにイタズラを続けていても、レイラがデルバディル城にいるという話を信じているカリオスは考えを変える事はないでしょう。

 だったら…素直に本名を明かしちゃった方が良いかな?

 ここで読者様達に質問です!

 名を明かした方が良いでしょうか?

 それとも上手くはぐらかして、イタズラを続けた方が良いでしょうか?
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