上 下
31 / 63

第二十九話 サバイバル…脱出の可能性?

しおりを挟む
 あれから何日経ったのだろうか?

 「どうも、ヴァッシュです。 今日も今日で海藻を焼いて食べております。」

 この島には生物がおらず、虫すら居ない。

 収納魔法の中には干し肉もあるのだけれど、この島はマナがないお陰で魔法が一切使えずに取り出す事が出来ない。

 なので、魔法を使わずの生活を続けている訳なのですが…

 正直言って、三食海藻はいい加減にうんざりしています。

 …元はこんな生活を送る羽目になったのは、僕の知的好奇心から招いた結果であるけど、まさか数週間送れば迎えに来て…はくれないか。

 最初は僕を海に沈めるとか話していたくらいだから、ファスティア彼女が助けてくれる事はまずないだろう。

 こんな場所でも生かされている事を感謝するべきだろうか?

 「おや? 海藻のストックが切れましたか…」

 最近、1人ごとが多くなった気がします。

 それだけ人と全く会話をしていませんね。

 王国にいる時は、常に周りに誰かしらおりましたけど…

 嘆いていても仕方がないので、また海藻を集めるために海に潜りました。

 今日も今日とで海藻を収穫する日々…

 いい加減…海藻は食べ飽きました。

 でも生きるためには…?

 そう思って我慢するしかないと思いました。

 そう、全ては自らの行いが招いた自業自得…

 そう言い聞かせながら海藻を収穫して岸に上がると、ふと気付いた事がありました。

 「島には草が生えていないのに、何故あの場所には海藻が茂っているのでしょうか?」

 普通に考えてみればおかしな話です。

 岸から海藻の茂っている場所迄は海藻が何処にも生えていないのに、途中から生えているのか?

 もしかすると、この海藻が茂っている場所はマナがある場所なのではないかと?

 試しに水魔法を使ってみると、水魔法を発動する事が出来ました。

 そして収納魔法を使う事も出来て、干し肉を取り出す事が出来ました。

 その日の夜からは、久々に肉を食べる事が出来ました。

 腹が満たされ、僕は久々に満足気分を味わいながら横たわりながら笑みを浮かべました。

 「あの場所まで行けば、魔法を使って脱出出来るかもしれないと!」

 …とは言っても、あの場所まで泳いで行ってから魔法を使って移動するのは無謀過ぎます。

 船を作って移動してから魔法で移動をすれば…?

 そんな考えが浮かんでくると、僕はこの無人島に送ってくれたファスティアに復讐計画を考えました。

 「あの女…チクって捕まるだけでは、僕の気は晴れませんからね。 弱みを盾にして僕の味わった屈辱を数千倍にして味合わせてあげましょう‼︎」

 好奇心旺盛で心優しいこの王子にも裏があった。

 口調は穏やかだけど、明らかにキレた物言いをしていた。

 ヴァッシュは早速行動を起こす為に、船造りを始めようとしたのだけれど…?

 この島の木は、触れただけで簡単に崩れる様な腐った感じだった。

 なので、この木を使って船を作るのは不可能に近い…

 折角意気込んでみたものの、初めの段階で躓いてしまった。

 果たしてヴァッシュは、本当にこの島から脱出なんて出来るのだろうか?

 そして、復讐が果たされる日は…?
しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?

長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。 王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、 「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」 あることないこと言われて、我慢の限界! 絶対にあなたなんかに王子様は渡さない! これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー! *旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。 *小説家になろうでも掲載しています。

聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~

白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。 王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。 彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。 #表紙絵は、もふ様に描いていただきました。 #エブリスタにて連載しました。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】残酷な現実はお伽噺ではないのよ

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
恋愛
「アンジェリーナ・ナイトレイ。貴様との婚約を破棄し、我が国の聖女ミサキを害した罪で流刑に処す」 物語でよくある婚約破棄は、王族の信頼を揺るがした。婚約は王家と公爵家の契約であり、一方的な破棄はありえない。王子に腰を抱かれた聖女は、物語ではない現実の残酷さを突きつけられるのであった。 ★公爵令嬢目線 ★聖女目線、両方を掲載します。 【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう 2023/01/11……カクヨム、恋愛週間 21位 2023/01/10……小説家になろう、日間恋愛異世界転生/転移 1位 2023/01/09……アルファポリス、HOT女性向け 28位 2023/01/09……エブリスタ、恋愛トレンド 28位 2023/01/08……完結

処理中です...