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第二十七話 フレマアージュ王国に帰還

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 私達はヴァッシュ殿下が絡んで来た以降は、何事も無くフレマアージュ王国に到着しました。

 そして冒険者ギルドに顔を出してから、今回の依頼に関しての説明をしてみたけど、途中解約は無理みたいだった。

 なら私だけ別行動をして、バルーデンス商会に赴いてから、頭目に今回の経緯を説明した。

 すると頭目は、私達の意見を汲み取ってくれて…冒険者ギルドに解約手続きを取る事を約束してくれ、ノースファティルガルドには現地を知る別な冒険者が差し向けられる事になった。

 これで再び…私達はノースファティルガルドに行く必要が無くなり、フレマアージュ王国で依頼を受けて生活をする事になる…?

 「ドレクス、お前達が依頼を解約するなんて珍しいな?」

 「ギブレッドか、お前はノースファティルガルドには行った事はないよな?」

 「あぁ、ねぇな。」

 「今のノースファティルガルドは寒冷期を迎えていて、街の外は吹雪が酷くて1m先ですら見えねぇんだよ。 更に宿代も馬鹿にならなくて、こっちで魔獣討伐で稼いだ金も二ヶ月も泊まっていたら破産する程の金額を取られるんだ。」

 「そんなに高いのかよ⁉︎」

 「そんなのは割に合わないからな! だから俺達は依頼を解約したんだ。」

 「まぁ、ノースファティルガルドの寒冷期って…最低三カ月っていう話を聞いた事があるからな。」

 「仮にそのまま継続したとして、こっちで稼いで戻ったとしても、寒冷期が丁度終われば良いが…それからまだ数ヶ月足止めになったら絶対に破産するからな。」

 「その話を聞けば納得だ。 俺達は貴族でも無いし、金も上限が決まっているからな。」

 「それに宿代だけで料理は出ないから、食料調達は別途に掛かる。 本当に良くも俺達にこんな依頼を受けさせたもんだよ。」

 ドレクスは酒を飲み干すと、次のお代わりを要求していた。

 「んで、今後はどうするんだ?」

 「以前と同じ様に魔獣討伐の依頼をしようと思っているんだが…」

 「…とは言っても、凶暴な魔獣は今の所は情報が無いぞ? あ、バレンシア大陸のザルーデンの街の冒険者ギルドで魔獣討伐の参加者を募っていると聞いたな?」

 「バレンシア大陸か。 ノースファティルガルドとはまた…」

 バレンシア大陸というのは、南に位置する温暖な気候であるのだが…?

 場所によっては猛暑の様な土地もあり、その場所では魔獣が暴れ回っているという噂があった。

 「次の目的地は、バレンシア大陸に行くとするか!」

 「お前等なら大丈夫だとは思うが、くれぐれも気を付けてくれよ。」

 「分かった。 それと情報料なんだが…今は手持ちが無くて、帰ってからでも良いか?」

 「俺は仲間から金を取る気は無い…が、何かレアな食材を手に入れたらそれを提供するという事で良い!」

 「分かったよギブレッド。」

 ドレクスはそう言って残りの酒を飲み干すと、冒険者ギルドを後にした。

 次の目的地はバレンシア大陸。

 その場所で…ファスティアは運命的な出会いをする事に?

 ただし、男じゃないよ。
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