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第十六話 甘く見ているカリオス王子・壱
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魔力量を増やす為には、魔物を倒して経験値を入手してレベルを上げる事!
カリオスはヴァッシュからその話を聞いた…のだが、今迄に魔物すらまともに見た事がないライラに果たして倒せるのかどうかが疑問だった。
「ライラは魔法は使えるんだよな?」
「はい、生活魔法なら何度か使ったことがありますが…」
「いや、生活魔法じゃ無くて、攻撃魔法の事なんだが?」
「習った事がありませんので、使えないと思います。」
攻撃魔法に関しては、誰かから教えを乞えば使える様にはなる。
それで、攻撃魔法で魔物を倒せる様になれば…レベルも上げられるだろう。
…と、言ってはいる物の…カリオスは魔法に関しては全くの無知だった。
「ヴァッシュ殿下、ライラに攻撃魔法を教えてもらう事は出来ませんか?」
「教える事自体は構いませんが、教えたら早速実践でもするつもりですか?」
「その通りです! 攻撃魔法さえ使える様になれば、あとは魔物を倒せば…」
「無理ですね、カリオス殿下は魔法の事を甘くみ過ぎていますね。」
魔道士が最初に覚えるのは、下級の炎魔法ファイアボールなのだが…?
カリオスは魔法が使えられる様になれば、何の練習をすることもなくいきなり実戦で魔物を倒せると思っていた様だった。
「一体どういう事ですか?」
「魔道士が最初に覚える攻撃魔法はファイアボールですが、使える様になったからと言って、いきなり魔物が倒せる訳ではありません。」
「魔法を放てば、勝手に魔物を倒してくれる物じゃ無いんですか?」
「そんな事がある訳ないでしょう。 命中率を上げる為に何度も的当てをして練習をしなければなりません。 的の中心に100発中100発を命中する事が出来ないと…実戦をしても全て躱されますよ? 魔物は動き回っていますから…」
ヴァッシュはとりあえず、ライラに攻撃魔法のファイアボールを教えた。
そしてカリオスとヴァッシュとライラは、騎士訓練場に赴いてから的当てをする事になった。
ライラは構えてから詠唱を唱え始め、ファイアボールを放ってみた…が、的を大きく逸れて壁に当たって砕け消えた。
「ライラ、何処を狙っているんだ! 的はあそこだぞ‼︎」
「いえ、初めてで的に当てるのはまず無理ですよ。 僕も何回も練習してやっと当たりましたからね。」
ライラは続けて10回ファイアボールを放ってみたが、8回目で的の端っこに触れたくらいで全て外した。
「何をやっているんだ‼︎」
「そんな事を言いますけど、これってかなり難しいんですよ‼︎」
ライラは文句を言いながらも続けて行った…が、30回放った所でしゃがみ始めた。
それを見たカリオスは声を上げた。
「何を休んでいるんだ! 早く続きをやれ‼︎」
「カリオス殿下、無理を言わないであげて下さい。 恐らくライラ殿は魔力切れを起こしておりますからね…」
「魔力切れだと…?」
カリオスは魔力を持たない者の為に、魔法には使用回数制限がある事を知らなかった。
その日はライラが限界に為に明日に持ち越される事になった。
それから毎日、ライラは的当てをする事になるのだが…?
一向に上達が見えないライラに対し、カリオスは苛立ちを覚えて行ったのだった。
「チッ…使えない女だ! これならレイラに婚約破棄なんかするんじゃなかったよ‼︎」
カリオスは苛立ちのあまり、ライラに聞こえる様に言い放ってその場から部屋に帰って行った。
それを聞いたライラは、悔しさのあまり…その場から姿を消した。
それから数日間…ライラは姿を消したまま現れる事はなかったのだった。
カリオスはヴァッシュからその話を聞いた…のだが、今迄に魔物すらまともに見た事がないライラに果たして倒せるのかどうかが疑問だった。
「ライラは魔法は使えるんだよな?」
「はい、生活魔法なら何度か使ったことがありますが…」
「いや、生活魔法じゃ無くて、攻撃魔法の事なんだが?」
「習った事がありませんので、使えないと思います。」
攻撃魔法に関しては、誰かから教えを乞えば使える様にはなる。
それで、攻撃魔法で魔物を倒せる様になれば…レベルも上げられるだろう。
…と、言ってはいる物の…カリオスは魔法に関しては全くの無知だった。
「ヴァッシュ殿下、ライラに攻撃魔法を教えてもらう事は出来ませんか?」
「教える事自体は構いませんが、教えたら早速実践でもするつもりですか?」
「その通りです! 攻撃魔法さえ使える様になれば、あとは魔物を倒せば…」
「無理ですね、カリオス殿下は魔法の事を甘くみ過ぎていますね。」
魔道士が最初に覚えるのは、下級の炎魔法ファイアボールなのだが…?
カリオスは魔法が使えられる様になれば、何の練習をすることもなくいきなり実戦で魔物を倒せると思っていた様だった。
「一体どういう事ですか?」
「魔道士が最初に覚える攻撃魔法はファイアボールですが、使える様になったからと言って、いきなり魔物が倒せる訳ではありません。」
「魔法を放てば、勝手に魔物を倒してくれる物じゃ無いんですか?」
「そんな事がある訳ないでしょう。 命中率を上げる為に何度も的当てをして練習をしなければなりません。 的の中心に100発中100発を命中する事が出来ないと…実戦をしても全て躱されますよ? 魔物は動き回っていますから…」
ヴァッシュはとりあえず、ライラに攻撃魔法のファイアボールを教えた。
そしてカリオスとヴァッシュとライラは、騎士訓練場に赴いてから的当てをする事になった。
ライラは構えてから詠唱を唱え始め、ファイアボールを放ってみた…が、的を大きく逸れて壁に当たって砕け消えた。
「ライラ、何処を狙っているんだ! 的はあそこだぞ‼︎」
「いえ、初めてで的に当てるのはまず無理ですよ。 僕も何回も練習してやっと当たりましたからね。」
ライラは続けて10回ファイアボールを放ってみたが、8回目で的の端っこに触れたくらいで全て外した。
「何をやっているんだ‼︎」
「そんな事を言いますけど、これってかなり難しいんですよ‼︎」
ライラは文句を言いながらも続けて行った…が、30回放った所でしゃがみ始めた。
それを見たカリオスは声を上げた。
「何を休んでいるんだ! 早く続きをやれ‼︎」
「カリオス殿下、無理を言わないであげて下さい。 恐らくライラ殿は魔力切れを起こしておりますからね…」
「魔力切れだと…?」
カリオスは魔力を持たない者の為に、魔法には使用回数制限がある事を知らなかった。
その日はライラが限界に為に明日に持ち越される事になった。
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「チッ…使えない女だ! これならレイラに婚約破棄なんかするんじゃなかったよ‼︎」
カリオスは苛立ちのあまり、ライラに聞こえる様に言い放ってその場から部屋に帰って行った。
それを聞いたライラは、悔しさのあまり…その場から姿を消した。
それから数日間…ライラは姿を消したまま現れる事はなかったのだった。
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