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第九話 オーガ、エルフを産む?
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私は冒険者ギルドに到着した。
中に入ってドレクス達を探そうとすると…一際目立つスキンヘッドが見えたので、私は彼らの元に行った。
すると4人席に1人だけ…小さく畏まりながらジュースを飲んでいる可愛らしい子が座っていた。
ピンクの髪で整った顔立ち、将来は美人になるかもしれない可愛らしい子だった。
まさか…この子がドレクスの娘のメナス?
…な訳ないか、この子は震えているみたいだし…?
私はドレクスに声を掛けた。
「ドレクス、来たんだけど…」
「おぉ、嬢ちゃんか! 待っていたぞ‼︎」
「話をする前に…ドレクス! 悪い事は言わないから、今すぐに騎士団の元に出頭しなさい!」
ドレクスはキョトンとした顔で私を見た。
「なんで俺が騎士団の所にいかねぇと行けなんだ?」
「そんな事も分からないの? いいドレクス、誘拐はね…立派な犯罪行為なのよ!」
「ゆ、誘拐って…一体何の話だ⁉︎」
「この子の事よ! いくら酒の席で女性がいないからって…攫ってくるのはどうかと思うの。」
「攫ってくるって…コイツはメナスと言って俺の娘だ‼︎」
ドレクスはメナスの肩を抱き寄せて紹介をしているのだが…?
メナスは小さく震えている様子だった。
「そんな見え見えの設定を…放しなさいよ、この子が震えているじゃない‼︎」
私はドレクスの腕を退かしてメナスに優しく微笑んだ。
「嬢ちゃん…言っておくが、メナスは本当に俺の娘なんだ‼︎」
「嘘をついているんじゃないわよ! 貴方みたいなオーガの様な顔付きをしている人から、こんなエルフの様な美しい顔の女の子が生まれてくる訳がないでしょ‼︎」
「お前…随分と失礼な事を言っているな! メナスは俺の娘だが、妻の方に似ているんだよ‼︎」
私はメナスを見ると、メナスはコクリと頷いた。
「信じられないわ…こんなに可愛らしい顔をした奥さんとどうやって知り合ったのよ⁉︎」
「俺と妻は…妻は下級貴族の御令嬢で、俺は妻の親に認められずに駆け落ちをしたんだ。」
「その話は本当? 下級令嬢を強面で脅して無理矢理言う事を聞かせたとかじゃないの?」
「お前は本当に失礼な奴だな‼︎」
私とドレクスがそんなやりとりをしていると、フレクスが口を挟んで来た。
「ドレクスの言っている事は本当だ。 確かにドレクスの顔を見る限りだと、こんな可愛い娘が生まれるだなんて誰も思わないが…それに、ドレクスの妻は街中で暴漢から襲われている時にドレクスに救われて、相手の方からドレクスに告白をして来たくらいだからな!」
「ほ…本当だったの?」
「だから言っただろう!」
「それに…ドレクスよりも奥さんの方が色々な意味で強いからな! メナスがパーティーに参加する前までは、ドレクスの妻もパーティーにいたくらいだから。」
私はそう言われて今一度じっくりドレクスの顔を見ながら言った。
「世の中には物好きな人もいるものなのねぇ?」
「どういう意味だ‼︎」
ドレクスは顔を真っ赤にして怒っていた。
「なら、このメナスさんが震えていたのはどういう理由?」
「メナスは人見知りでな、初対面の奴に会う時は凄く警戒する奴なんだよ。」
私はメナスを見ると、メナスはコクコクと頷いていた。
「それで…俺達の人となりは分かってもらったと思うが、パーティーに加入してくれるか?」
「まだ完全に信用した訳じゃないから、加入じゃなくて参加という形になるけど…良いかな?」
「まぁ、仕方ないか! なら、これから宜しくな嬢ちゃん!」
「その嬢ちゃんと呼ばれるのはあまり好きじゃないんだけど…」
「それは済まなかったな! だが、俺達は嬢ちゃんの名前をまだ聞いていなくてな…」
そう言えば、最初に絡まれた時も名前を明かさなかったんだっけ?
これからパーティーに参加するんだし、名乗っても良いよね?
「私の名は…」
中に入ってドレクス達を探そうとすると…一際目立つスキンヘッドが見えたので、私は彼らの元に行った。
すると4人席に1人だけ…小さく畏まりながらジュースを飲んでいる可愛らしい子が座っていた。
ピンクの髪で整った顔立ち、将来は美人になるかもしれない可愛らしい子だった。
まさか…この子がドレクスの娘のメナス?
…な訳ないか、この子は震えているみたいだし…?
私はドレクスに声を掛けた。
「ドレクス、来たんだけど…」
「おぉ、嬢ちゃんか! 待っていたぞ‼︎」
「話をする前に…ドレクス! 悪い事は言わないから、今すぐに騎士団の元に出頭しなさい!」
ドレクスはキョトンとした顔で私を見た。
「なんで俺が騎士団の所にいかねぇと行けなんだ?」
「そんな事も分からないの? いいドレクス、誘拐はね…立派な犯罪行為なのよ!」
「ゆ、誘拐って…一体何の話だ⁉︎」
「この子の事よ! いくら酒の席で女性がいないからって…攫ってくるのはどうかと思うの。」
「攫ってくるって…コイツはメナスと言って俺の娘だ‼︎」
ドレクスはメナスの肩を抱き寄せて紹介をしているのだが…?
メナスは小さく震えている様子だった。
「そんな見え見えの設定を…放しなさいよ、この子が震えているじゃない‼︎」
私はドレクスの腕を退かしてメナスに優しく微笑んだ。
「嬢ちゃん…言っておくが、メナスは本当に俺の娘なんだ‼︎」
「嘘をついているんじゃないわよ! 貴方みたいなオーガの様な顔付きをしている人から、こんなエルフの様な美しい顔の女の子が生まれてくる訳がないでしょ‼︎」
「お前…随分と失礼な事を言っているな! メナスは俺の娘だが、妻の方に似ているんだよ‼︎」
私はメナスを見ると、メナスはコクリと頷いた。
「信じられないわ…こんなに可愛らしい顔をした奥さんとどうやって知り合ったのよ⁉︎」
「俺と妻は…妻は下級貴族の御令嬢で、俺は妻の親に認められずに駆け落ちをしたんだ。」
「その話は本当? 下級令嬢を強面で脅して無理矢理言う事を聞かせたとかじゃないの?」
「お前は本当に失礼な奴だな‼︎」
私とドレクスがそんなやりとりをしていると、フレクスが口を挟んで来た。
「ドレクスの言っている事は本当だ。 確かにドレクスの顔を見る限りだと、こんな可愛い娘が生まれるだなんて誰も思わないが…それに、ドレクスの妻は街中で暴漢から襲われている時にドレクスに救われて、相手の方からドレクスに告白をして来たくらいだからな!」
「ほ…本当だったの?」
「だから言っただろう!」
「それに…ドレクスよりも奥さんの方が色々な意味で強いからな! メナスがパーティーに参加する前までは、ドレクスの妻もパーティーにいたくらいだから。」
私はそう言われて今一度じっくりドレクスの顔を見ながら言った。
「世の中には物好きな人もいるものなのねぇ?」
「どういう意味だ‼︎」
ドレクスは顔を真っ赤にして怒っていた。
「なら、このメナスさんが震えていたのはどういう理由?」
「メナスは人見知りでな、初対面の奴に会う時は凄く警戒する奴なんだよ。」
私はメナスを見ると、メナスはコクコクと頷いていた。
「それで…俺達の人となりは分かってもらったと思うが、パーティーに加入してくれるか?」
「まだ完全に信用した訳じゃないから、加入じゃなくて参加という形になるけど…良いかな?」
「まぁ、仕方ないか! なら、これから宜しくな嬢ちゃん!」
「その嬢ちゃんと呼ばれるのはあまり好きじゃないんだけど…」
「それは済まなかったな! だが、俺達は嬢ちゃんの名前をまだ聞いていなくてな…」
そう言えば、最初に絡まれた時も名前を明かさなかったんだっけ?
これからパーティーに参加するんだし、名乗っても良いよね?
「私の名は…」
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