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第四話 続・カリオス王子の苦悩…
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カリオス王子は…ここ最近は仕事部屋から一歩も外に出られない生活を送っていた。
その理由は、毎日毎日山の様な報告書の書類整理に追われていた為だった。
レイラの捜索だが…捏造した内容で手配書まで作ったにも関わらず、どの場所においても手掛かりすら掴めなかった。
このまま放置していたら書類はどんどん溜まる一方だと感じたカリオス王子は、いち早くレイラを連れ戻す事を祈りながら仕事をこなしていた。
…さすがに毎日の様に同じ事をしていれば、段々と仕事は慣れて行く。
とは言っても、レイラの仕事の速度で出来る訳ではないので…それなりに時間をかけながら仕事に励んでいた。
「カリオス王子、追加の報告書です。」
「もう…次が来たのか。」
カリオス王子は溜め息混じりに報告書の束を見て息を吐いた。
普段なら、書類の束を置いた文官はすぐに立ち去るのだが…?
この日は少し違った。
「何だ?」
「カリオス王子に報告書を渡す前に、此方でも一応確認はするのですが…」
「そうだよな、文官達に任せている書類が混ざらない様にだろ?」
「そうなのですが…ここ最近の上がって来る報告書の内容が、以前とは大分異なっているのです。」
それを聞いたカリオス王子は、今手を付けている分を置いてから新しい方の報告書を目に通した。
その内容は…?
畑の収穫量が六割程度まで減少し、鉱山の鉱石採掘量の減少化、市民達の生活魔法の威力低下、周辺区域の魔物の活発化等が報告に上がっていた。
少し前までは全く無縁な事だった為に、明らかに王国に異変が起きているという事を感じさせられる内容だった。
「おい、この報告書は真実なのか?」
「はい…これ以外にも井戸水の減少が報告されておりますし、他にも豪雨による川の氾濫や土砂崩れなどが報告に上がっております。」
「原因は何なんだ?」
「学者チームが詳細を確認しているとの事なので、もう間も無く報告が上がって来るとは思いますが…ここ10年近くは穏やかだった気候も荒れたり、自然災害が頻発しますし、何より豊作だった収穫率が減少したりと…何かが起きているとしか思えないのです。」
カリオス王子は少し考えると、本棚から1冊の本を取り出してから中身を見ながら話した。
「まさかとは思うが…いにしえの魔王が復活する兆候という話とかではないよな?」
「いにしえの魔王…ですか?」
数百年前に魔王が世界を支配しようと暗躍していた時代…
大地からマナが消えて土地は腐り草木は生えず、暗雲が空を覆って陽の光が一切無く、常に雷鳴が轟き大地を抉っていた事があった。
人々には希望が無く、このままでは朽ち果てる運命しか無いと思っていた時…
ある王国が異世界から勇者達を召喚して魔王を討伐したという話だった。
その時の状況が今の兆候と似ているとカリオス王子は考えていた。
「いやいや、それは流石に話が飛躍し過ぎでしょう。 それに他国ではこういった出来事は日常茶飯事ですから、ここ数年のレントグレマール王国が恵まれていたというだけでは無いでしょうか?」
「そ、そうなのか…?」
確かに魔王云々の話は考えすぎか…?
なら、この原因は一体何なのか?
「やはり、学者の調査が終わるのを待つしか無いのか…」
「しかし、ここ数年は問題がないというのに…何が起こっているのでしょうねぇ?」
文官はそういうと部屋から出て行った。
カリオス王子は報告書を纏めて、国王陛下に渡す書類を作成した。
この時は偶然に不幸な出来事が続いただけだと思っていた。
だがもう少し先で…レイラの張っていた結界が真実だったという事を思い知る事になるのだった。
その理由は、毎日毎日山の様な報告書の書類整理に追われていた為だった。
レイラの捜索だが…捏造した内容で手配書まで作ったにも関わらず、どの場所においても手掛かりすら掴めなかった。
このまま放置していたら書類はどんどん溜まる一方だと感じたカリオス王子は、いち早くレイラを連れ戻す事を祈りながら仕事をこなしていた。
…さすがに毎日の様に同じ事をしていれば、段々と仕事は慣れて行く。
とは言っても、レイラの仕事の速度で出来る訳ではないので…それなりに時間をかけながら仕事に励んでいた。
「カリオス王子、追加の報告書です。」
「もう…次が来たのか。」
カリオス王子は溜め息混じりに報告書の束を見て息を吐いた。
普段なら、書類の束を置いた文官はすぐに立ち去るのだが…?
この日は少し違った。
「何だ?」
「カリオス王子に報告書を渡す前に、此方でも一応確認はするのですが…」
「そうだよな、文官達に任せている書類が混ざらない様にだろ?」
「そうなのですが…ここ最近の上がって来る報告書の内容が、以前とは大分異なっているのです。」
それを聞いたカリオス王子は、今手を付けている分を置いてから新しい方の報告書を目に通した。
その内容は…?
畑の収穫量が六割程度まで減少し、鉱山の鉱石採掘量の減少化、市民達の生活魔法の威力低下、周辺区域の魔物の活発化等が報告に上がっていた。
少し前までは全く無縁な事だった為に、明らかに王国に異変が起きているという事を感じさせられる内容だった。
「おい、この報告書は真実なのか?」
「はい…これ以外にも井戸水の減少が報告されておりますし、他にも豪雨による川の氾濫や土砂崩れなどが報告に上がっております。」
「原因は何なんだ?」
「学者チームが詳細を確認しているとの事なので、もう間も無く報告が上がって来るとは思いますが…ここ10年近くは穏やかだった気候も荒れたり、自然災害が頻発しますし、何より豊作だった収穫率が減少したりと…何かが起きているとしか思えないのです。」
カリオス王子は少し考えると、本棚から1冊の本を取り出してから中身を見ながら話した。
「まさかとは思うが…いにしえの魔王が復活する兆候という話とかではないよな?」
「いにしえの魔王…ですか?」
数百年前に魔王が世界を支配しようと暗躍していた時代…
大地からマナが消えて土地は腐り草木は生えず、暗雲が空を覆って陽の光が一切無く、常に雷鳴が轟き大地を抉っていた事があった。
人々には希望が無く、このままでは朽ち果てる運命しか無いと思っていた時…
ある王国が異世界から勇者達を召喚して魔王を討伐したという話だった。
その時の状況が今の兆候と似ているとカリオス王子は考えていた。
「いやいや、それは流石に話が飛躍し過ぎでしょう。 それに他国ではこういった出来事は日常茶飯事ですから、ここ数年のレントグレマール王国が恵まれていたというだけでは無いでしょうか?」
「そ、そうなのか…?」
確かに魔王云々の話は考えすぎか…?
なら、この原因は一体何なのか?
「やはり、学者の調査が終わるのを待つしか無いのか…」
「しかし、ここ数年は問題がないというのに…何が起こっているのでしょうねぇ?」
文官はそういうと部屋から出て行った。
カリオス王子は報告書を纏めて、国王陛下に渡す書類を作成した。
この時は偶然に不幸な出来事が続いただけだと思っていた。
だがもう少し先で…レイラの張っていた結界が真実だったという事を思い知る事になるのだった。
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