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最終章・ノワール、貴女は幸せになれましたか?
第八話 魔王フェルスドール…というらしいです。
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【魔王とは?】
魔王の話は諸説あり…幾つかに分かれています。
1.魔物の王
2.魔法を極めた王
3.魔族の王
等々…
ノワールは、冒険者ギルドで魔王の存在を知った。
魔王の名前は、フェルスドールというらしい。
魔王は本来、魔界と呼ばれる異世界で誕生し…この世界に来て権力と魔力を振り翳し、世界に宣戦布告をする存在だった…少なくとも、ノワールが聖女の時代は。
ただ、魔王はこの時に大量のマナを消費し…その後、魔法が使える者達が激減したのである。
なので、現在では魔法を使える者は希少な存在で、威力もそれ程高くない…と思われている。
「私の場合は、マナを使用する訳では無く魔素を体内で変換する術を知っているからね。」
そう…ノワールは魔女時代にマナに頼らずに魔素のみで使える術法を編み出していた。
世界からマナは減った…が魔素はまだ健在なのである。
マナと魔素の違いは…目に見える訳ではないのでハッキリとは分からないが…?
空気中に漂うマナの大きさは岩か石で、魔素は小石か砂粒みたいな物である。
なので、魔族や魔王は魔界では無尽蔵にあっても、この世界では減少している為に少ししか取り込めない為に…魔の者達にとってこの世界は住み難いのである。
なので、今回の魔王は…存在が明らかになっても、宣戦布告をしないのであった。
「意外と魔族たちを治める国の王…そう、国王みたいな立場なのかもしれないわね?」
魔族の国を治める国王…略して魔王なのである…のではないかと、ノワールは考えていた。
「意外とガンドムの行っている事も的を外している訳ではないわね? なら、私が勇者になったのはどういう理由なんだろ?」
魔王が世界征服を企むのであれば、現在作って貰っている聖剣は意味がある。
だが、これが…魔族を治める国の王なら?
国王に剣を向ける事になる。
それに、数百年前までは魔族は迫害される存在だったが…
現在では、魔族領とも交流があり…以前あった魔王城は、観光名所にもなって他種族も訪れている。
「本当に…私が勇者になった意味って何だろう?」
私は冒険者ギルドを出て、神殿に赴いたのだった。
そして女神像の前で聖女時代に神の声を聴く事が出来た祈りを捧げたのだった。
「女神…女神…あれ? 名前なんだっけ? あ、カステラだわ! 駄女神カステラ様…我が声に答え…」
『アステアよ! 私はアステア‼ 何よカステラって⁉ それに駄が多いって言ってるでしょ‼ 名前を憶えていなかったり間違えたり馬鹿にしたり…態とやっているの⁉』
女神アステアは、かなり御立腹なのが声を聞いて分かった。
そういえばアステアだったわね…どうもこの女神の名前は印象無いのよね…
『貴女…何か失礼な事を考えてない?』
「いえいえ、そんな事は考えてませんわよ…おほほのほ~」
『まぁ、良いわ…それで、何が聞きたいのよ?』
「単刀直入に聞きますね…今回誕生した魔王は、世界を滅ぼす存在なの?」
『…どういう事?』
「こんなにマナが減少している世界で、大量のマナを必要とする魔王がこの世界に来て何が出来るのかな?って思ってね。 魔族領の国王として誕生したのか、それとも世界を滅ぼしに来たのかが解らないのよ。」
『なるほど、そういう事ね…』
長い沈黙の後…女神アステアは答えを出した。
『こちらでも調べてみたけど、貴女が以前聖女だった時代の魔王とは明らかに弱体化しているわ! 状況から察するに…恐らく今度の魔王は、世界を滅ぼす訳では無く…一国の王として君臨しているみたい。』
「なら、私が倒す魔王って誰?」
『現在この時にはまだ誕生してないのかもしれない…』
「でも、天言の鏡には私が勇者になって魔王を倒すと出たんだけど…?」
『少なくとも、魔族領の魔王ではないわね。 他の魔王かも…?』
「何で疑問形よ?」
『だって、この世界に存在する魔王って1人だけじゃないから…』
「え? それ、初耳なんだけど⁉」
聖女時代に勇者が倒した魔王は…確かヴェルトーザって言ったわね?
それ以外にも魔王がいたの?
「では、他の魔王って今は何をしているの?」
『魔王と呼ばれる存在は5人いて…魔族領の魔王を抜かすと残り4人ね。 ちょっと待っててね…』
そして調べているのか…やたら長く待たされた。
電話で保留なしで放置されている感があった。
『待たせたわね!』
「おっそいよ! いつまで待たせるのよ‼」
『ごめんごめん…で、地の魔王は、地中奥深くで岩の様に…というか、岩と同化していて起きる気配がないわね。 海の魔王は…人間に討伐されて喰われていたわ! 空の魔王は…空が飛べなくなって空の神殿で籠っているわ!』
「なんだか…碌なのが居ないわね?」
『最後の魔王も…マナが無くて弱体化しているわね。 女子風呂を覗いたり、ドレスを捲って下着を見たりと…』
「それ、ただの痴漢じゃん! ある意味、女の敵ではあるわね。 人類の敵というにはセコいけど…」
『今の所…害があるのは、色欲の魔王ね。』
「私は痴漢魔王を倒す為に勇者に選ばれたの?」
なんか…一気にテンションが下がったわ。
まさか痴漢を倒す為に勇者に選ばれたなんて…?
『でも、天言の鏡が間違える…という事は無いわ。 だとすると、その内に現れる…という事は間違いないわよ。』
「その内って…神や魔族の時間で…という訳ではないでしょうね? あんな延命種族と同じ尺度で待たないといけないんだったら、いつになるのか解らないわよ‼」
『他に考え付くとしたら、恐らく…闇の魔王かも?』
「闇の魔王? それはどんな奴なの?」
『闇の魔王は、マナを取り入れない代わりに夜の闇や暗い場所だと強大な力を発揮する魔王なの。』
「じゃあ、昼間は?」
『寝てる…日の光が嫌いみたいで…』
「それ…ヴァンパイアじゃないの? それに、闇の魔王を入れたら6人よ?」
『もしかしたら目覚める可能性がある中で一番がそいつだと思ったのよ。』
「じゃあ、何で今存在していないの?」
『食あたりを起こして永い眠りに就いているから…』
「・・・・・・・・・」
本当に、碌な魔王が居ないわね‼
何だか…勇者を放棄したくなって来たわ!
『魔王や魔王候補が解ったら、またいつも見たく夢の中で告げるわ!』
「分かったわ、早くお願いね。 あまり長いと私は勇者を放棄するから!」
こうして女神との交信は終わった。
さて…本当にどうしようかしら?
とりあえず、ガンドムに話してから…その後に今後の方針を決めましょう!
私は城に向かって歩いて行った。
魔王の話は諸説あり…幾つかに分かれています。
1.魔物の王
2.魔法を極めた王
3.魔族の王
等々…
ノワールは、冒険者ギルドで魔王の存在を知った。
魔王の名前は、フェルスドールというらしい。
魔王は本来、魔界と呼ばれる異世界で誕生し…この世界に来て権力と魔力を振り翳し、世界に宣戦布告をする存在だった…少なくとも、ノワールが聖女の時代は。
ただ、魔王はこの時に大量のマナを消費し…その後、魔法が使える者達が激減したのである。
なので、現在では魔法を使える者は希少な存在で、威力もそれ程高くない…と思われている。
「私の場合は、マナを使用する訳では無く魔素を体内で変換する術を知っているからね。」
そう…ノワールは魔女時代にマナに頼らずに魔素のみで使える術法を編み出していた。
世界からマナは減った…が魔素はまだ健在なのである。
マナと魔素の違いは…目に見える訳ではないのでハッキリとは分からないが…?
空気中に漂うマナの大きさは岩か石で、魔素は小石か砂粒みたいな物である。
なので、魔族や魔王は魔界では無尽蔵にあっても、この世界では減少している為に少ししか取り込めない為に…魔の者達にとってこの世界は住み難いのである。
なので、今回の魔王は…存在が明らかになっても、宣戦布告をしないのであった。
「意外と魔族たちを治める国の王…そう、国王みたいな立場なのかもしれないわね?」
魔族の国を治める国王…略して魔王なのである…のではないかと、ノワールは考えていた。
「意外とガンドムの行っている事も的を外している訳ではないわね? なら、私が勇者になったのはどういう理由なんだろ?」
魔王が世界征服を企むのであれば、現在作って貰っている聖剣は意味がある。
だが、これが…魔族を治める国の王なら?
国王に剣を向ける事になる。
それに、数百年前までは魔族は迫害される存在だったが…
現在では、魔族領とも交流があり…以前あった魔王城は、観光名所にもなって他種族も訪れている。
「本当に…私が勇者になった意味って何だろう?」
私は冒険者ギルドを出て、神殿に赴いたのだった。
そして女神像の前で聖女時代に神の声を聴く事が出来た祈りを捧げたのだった。
「女神…女神…あれ? 名前なんだっけ? あ、カステラだわ! 駄女神カステラ様…我が声に答え…」
『アステアよ! 私はアステア‼ 何よカステラって⁉ それに駄が多いって言ってるでしょ‼ 名前を憶えていなかったり間違えたり馬鹿にしたり…態とやっているの⁉』
女神アステアは、かなり御立腹なのが声を聞いて分かった。
そういえばアステアだったわね…どうもこの女神の名前は印象無いのよね…
『貴女…何か失礼な事を考えてない?』
「いえいえ、そんな事は考えてませんわよ…おほほのほ~」
『まぁ、良いわ…それで、何が聞きたいのよ?』
「単刀直入に聞きますね…今回誕生した魔王は、世界を滅ぼす存在なの?」
『…どういう事?』
「こんなにマナが減少している世界で、大量のマナを必要とする魔王がこの世界に来て何が出来るのかな?って思ってね。 魔族領の国王として誕生したのか、それとも世界を滅ぼしに来たのかが解らないのよ。」
『なるほど、そういう事ね…』
長い沈黙の後…女神アステアは答えを出した。
『こちらでも調べてみたけど、貴女が以前聖女だった時代の魔王とは明らかに弱体化しているわ! 状況から察するに…恐らく今度の魔王は、世界を滅ぼす訳では無く…一国の王として君臨しているみたい。』
「なら、私が倒す魔王って誰?」
『現在この時にはまだ誕生してないのかもしれない…』
「でも、天言の鏡には私が勇者になって魔王を倒すと出たんだけど…?」
『少なくとも、魔族領の魔王ではないわね。 他の魔王かも…?』
「何で疑問形よ?」
『だって、この世界に存在する魔王って1人だけじゃないから…』
「え? それ、初耳なんだけど⁉」
聖女時代に勇者が倒した魔王は…確かヴェルトーザって言ったわね?
それ以外にも魔王がいたの?
「では、他の魔王って今は何をしているの?」
『魔王と呼ばれる存在は5人いて…魔族領の魔王を抜かすと残り4人ね。 ちょっと待っててね…』
そして調べているのか…やたら長く待たされた。
電話で保留なしで放置されている感があった。
『待たせたわね!』
「おっそいよ! いつまで待たせるのよ‼」
『ごめんごめん…で、地の魔王は、地中奥深くで岩の様に…というか、岩と同化していて起きる気配がないわね。 海の魔王は…人間に討伐されて喰われていたわ! 空の魔王は…空が飛べなくなって空の神殿で籠っているわ!』
「なんだか…碌なのが居ないわね?」
『最後の魔王も…マナが無くて弱体化しているわね。 女子風呂を覗いたり、ドレスを捲って下着を見たりと…』
「それ、ただの痴漢じゃん! ある意味、女の敵ではあるわね。 人類の敵というにはセコいけど…」
『今の所…害があるのは、色欲の魔王ね。』
「私は痴漢魔王を倒す為に勇者に選ばれたの?」
なんか…一気にテンションが下がったわ。
まさか痴漢を倒す為に勇者に選ばれたなんて…?
『でも、天言の鏡が間違える…という事は無いわ。 だとすると、その内に現れる…という事は間違いないわよ。』
「その内って…神や魔族の時間で…という訳ではないでしょうね? あんな延命種族と同じ尺度で待たないといけないんだったら、いつになるのか解らないわよ‼」
『他に考え付くとしたら、恐らく…闇の魔王かも?』
「闇の魔王? それはどんな奴なの?」
『闇の魔王は、マナを取り入れない代わりに夜の闇や暗い場所だと強大な力を発揮する魔王なの。』
「じゃあ、昼間は?」
『寝てる…日の光が嫌いみたいで…』
「それ…ヴァンパイアじゃないの? それに、闇の魔王を入れたら6人よ?」
『もしかしたら目覚める可能性がある中で一番がそいつだと思ったのよ。』
「じゃあ、何で今存在していないの?」
『食あたりを起こして永い眠りに就いているから…』
「・・・・・・・・・」
本当に、碌な魔王が居ないわね‼
何だか…勇者を放棄したくなって来たわ!
『魔王や魔王候補が解ったら、またいつも見たく夢の中で告げるわ!』
「分かったわ、早くお願いね。 あまり長いと私は勇者を放棄するから!」
こうして女神との交信は終わった。
さて…本当にどうしようかしら?
とりあえず、ガンドムに話してから…その後に今後の方針を決めましょう!
私は城に向かって歩いて行った。
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