【完結】五度の人生を不幸な出来事で幕を閉じた転生少女は、六度目の転生で幸せを掴みたい!

アノマロカリス

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最終章・ノワール、貴女は幸せになれましたか?

第七話 石鉱国ヴァルキサス

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 【石鉱国ヴァルキサス】
 この国は、エルダードワーフの国王のガンドムと王妃サエラが治める国なのである。
 この国のエルダードワーフは、王の一族のみ…
 それ以外は、国の3分の2はドワーフ族であり…それ以外は、人種やエルフなどの異種族が鍛冶技術を学ぶ為に訪れているのである。
 元は地底に城を構えていたのだが…?

 「本当に地上に城が構えてある…」

 ノワールは、石鉱国ヴァルキサスを見てそう言った。

 「お姉様、それには理由があるんです。 地下鉱脈を掘り進んで行き、採掘で採れた物をすぐに加工する…ドワーフ族は石炭を燃やした煙を吸っても問題はないのですが、それ以外の種族にとっては、体の不調を訴えて…国から離れるという危機に陥ったんです。 そこで焦ったガンドム陛下は、他種族の事を考えて地上に城を構えて、鍛冶業務で石炭による黒煙を空に逃がす様になり、学びに来る種族が増えたという訳です。」
 「まぁ、ドワーフと人間では肺の作りが違うからね…」

 ドワーフという種族には、猫舌の者はいない。
 肺もそうだが、皮膚が丈夫なために…出来立てのスープですら冷ます事なく口に入れて飲み込む事が出来るのである。
 なので、ドワーフの食事スピードは早く…ある意味、他種族からするとせっかちに見える種族なのである。
 
 「おぉ! バルデェシアン王国のファティマ王女! ようこそいらっしゃいました!」
 「グルガン様…陛下はいらっしゃいますか?」

 ファティマは、ドワーフ族の騎士に尋ねた。
 すると、王の間の扉を開けて中に招き入れたのだった。

 「お久しぶりです、ガンドム陛下…」
 「おぉ、ファティマ王女…父上はお元気かな?」
 「はい、父も母も元気です! 今日こちらに来たのは…」
 「ガンドム、久しぶりね!」
 「お前が…今のノワールか? 何というか…あまり変わり映えしない姿だな?」
 「おい、ガンドム…何処を見て言った?」

 一触即発になりそうな雰囲気に、周りは皆沈黙していた。
 だが、ガンドムとノワールは笑い出すと、ハグをし始めたのだった。

 「魔女の時から200年後の聖女の時で、更に200年ぶりか!」
 「メイドの時にも一度来たんだけど…」
 「なら100年か! 長い時だったので感覚がな…」
 「今日来た理由はね…」
 「分かっておる、お前…勇者になったんだろ? なら必要なのは聖剣か?」
 「そうなんだけど、作れる?」
 「済まないが、現在あまり鉱石が取れなくてな…」

 その言葉を聞いて、私は収納魔法から…オリハルコンとハルモニアを大量に出してから、水の鉱石のメルクリウスも出して渡した。

 「これで作れる? 出来れば仲間の装備も揃えて欲しいんだけど…」
 「これだけあれば問題はない! ただ…1つ気になる事があってな!」

 この石鉱国ヴァルキサスにも、魔王の存在は伝わっていた。
 だが、今度の魔王は宣戦布告も無ければ、他国に進軍しているという話も聞かなかった。

 「前回の魔王の時に、マナが著しく消費しているからな…今回の魔王が出現したという話だが、何も行動を起こしていないのが気になるんだ!」
 「確かに…魔王が復活したにしては、魔物が強化されているという話も聞かないし、普段とほとんど変わらないわよね?」

 世界中で、魔獣や魔人の報告はされてはいる。
 だが、それらは魔王が復活する前でも普通に存在していた。
 なので、魔王が復活した影響をほとんど感じないのだった。

 「まぁ、折角持って来てくれた土産をそのままにしておくのは忍びないので作りはするが…本当に必要か?」
 「強力な武具は、あるに越した事はないから作って欲しい。 魔王を倒すかどうかは別としてね!」
 「では、早速準備に取り掛かろうとしよう! あまり待たせる程の時間は掛からないとは思うが、待っている間は街でも見ていてくれ!」
 「分かったわ! ガンドム、お願いね!」

 私が持って来た金属類を、配下のドワーフたちが持って行った。
 ガンドムも聖剣作りに携わるという事だった。
 私達は待っているのも暇なので、街に繰り出す事にしたのだった。

 「それにしても魔王ねぇ…? 少し調べてみた方が良いかしら?」
 
 私は皆と別行動をして、この街にある冒険者ギルドに顔を出すのだった。
 そして、魔王の情報を知る事になるのだが…?
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