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第四章 あれ? おかしくないかな?
第十一話 六度目の人生の目的は?
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『冒険者・ノワール殿とアルマ殿入られます!』
扉の前にいる騎士がそう叫ぶと、王がいる謁見の間の扉が開いて中に入って行った。
すると其処には…本のイラストなどに描かれている様な美形なエルフの国王と美女の王妃が玉座に座っていた。
私達は玉座の近くまで歩み寄ると、エルフ族に伝わる儀礼を行い、アルマも私に習って礼をした。
「その姿が今のノワールか?」
「はい! 魔女ではなく、聖女でもない…何者でも無いただのノワールです、陛下…」
「そう硬っ苦しい言い方はやめてくれ、古き友よ! 其方に久方振りに会えた事を嬉しく思う!」
「王妃様もお元気そうで何よりです! 苦手なカエルは克服出来ましたかw?」
「ノワール、貴女ねぇ…流石に500年も経てば、苦手は克服くらい出来ています!」
「そうですか…成長なされたのですね。 あ、そうそう! これは王妃様に…」
そう言って私は荷物の中から小箱を取り出して、王妃に手渡した。
王妃は箱の蓋を開けると、カエルが勢い良く飛び出してきた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ~~~!!!」
「あははははは~~~!」
王妃の反応に、アルマは青い顔をしていたが…私はお腹を抑えて笑っていた。
王妃は箱を見るとカエルはただの玩具で、バネで飛び出してくる物だった。
この世界には、こういった細工の玩具は無いので、思った以上の反応を得られたのだった。
「ノワール‼︎ よくもやってくれたわねぇ~~~!!!」
「ゴメンって! 許して、フラーマ!」
王妃フラーマは、怒った表情で私の前に来ると…抱きついて来たのだった。
私もフラーマを抱き締めると、フラーマは耳元で…
「来るのが遅いのよ! ここ数百年待っていたのよ!」
「ゴメンねフラーマ…それと、ただいま!」
………しばらくしてから、落ち着いた謁見の間………
私はアルマを旅の仲間として王と王妃に紹介した。
王と王妃もテスタレディシア王国の勇敢なる戦乙女の噂は知っているらしく、アルマは照れて見せた。
そしてしばらくの間は雑談話に花が咲き…そして話は真剣なものに変わっていった。
「して…古き友よ! 今度は何の使命を持って転生したのだ?」
「今度の使命は…イケメンの男性を捕まえてから結婚をして、幸せな生活を手に入れる人生よ!」
「わたしは真面目に聞いているのだが…?」
「私も真面目に答えているわ!」
「ノワールの人生と悲痛な死については同情はするけど、この転生も何か意味がある筈でしょう?」
王妃フラーマの話にアルマは首を傾けた。
「悲痛な死って…どういう事なんだノワール?」
「死ぬ時の事については、正直思い出したくも無いし…」
「思い出したく無い? 魔女ノワールは魔女狩りで処刑、聖女は聖剣の生贄で死亡…騎士ノワールは魔物の討伐時に死亡…伝説のメイドのノワールは、同僚にはめられて処刑され死亡…私が知るのはこれだが?」
「そうね…では、どういう死に方だったかまでは知らないでしょ?」
前世の記憶が厄介なのは…死ぬ寸前までの記憶まで鮮明に覚えているからだ。
いまでも目を閉じると、あの時の死の瞬間の記憶が甦る時がある。
「確かに知らないな…そこまで詳しくは伝わってないからな。」
「魔女時代は、魔法を封じる魔道具で拘束されてから火あぶり、騎士時代は味方に裏切られて魔物の群れに突き飛ばされてから八つ裂き、聖女時代は、聖剣を完成させる為に聖女の血が必要だと言われて…剣を鍛えられて熱した状態の物を下の穴から突っ込まれて、体内で冷やす&血を与えるという工程を得て聖剣が完成…その時に地獄のような熱さと内臓を突き破られて地獄の様な痛みと苦しさに意識を失ってそのまま死亡、メイド時代は…メイドの仕事をこなしながら魔道具制作にも携わって、家庭用の便利な道具をいくつも開発し、その功績を認められて侯爵様に嫁ぐ筈だったのに、同僚がそれに対して嫉妬をして私は罠に嵌められてから、王家を滅ぼす魔道具を密かに製造していると容疑を掛けられ、重りを付けて海に沈められるという物だったわ。」
「・・・・・・・・・」
さすがのアルマも言葉を失ったみたい…
私の今迄の前世の人生では、こういう悲惨な死が多かった。
そして何より、恋愛を知る前…それどころか20歳前後という早すぎる死ばかりでもあった。
だから、この六度目の人生は幸せになっても良いじゃない!
「本当に…ノワールの死の真相を聞くのは初めてではないが…いつ聞いても胸クソが悪くなるな…」
「それだけ人間は、自分勝手で傲慢な種族という事でしょうから…」
「だから、今度の人生は何事にも縛られずに恋愛成就してから結婚をし、旦那様と幸せな生活を送ってから子供を産んで育てて…慎ましい生活を送るんだから!」
その言葉を聞いて、国王と王妃は少し呆れた表情を浮かべていた。
アルマは、私の夢をいつも聞かされていたので大した表情の変化は無かった。
「なら、今度も試しても良いか?」
国王は、部下に命じて大きな鏡を謁見の間に持って来させた。
すると私はその鏡を見て距離を取った。
「ノワールよ、この鏡は…」
「知っているわよ! これ…天言の鏡でしょ? 私はこの鏡の所為で、魔女時代と聖女時代に不幸な予言を伝えられたんだから‼」
私は腕をクロスさせて×を表現した。
だが、私が後ずさりしても…国王が部下に命じて私を鏡に映しだそうとしていた。
「ノワール、往生際が悪いぞ! アルマ殿、協力をお願いする! ノワールを捕まえて置いてくれ!」
「はっ!」
私はアルマの怪力に捕まって動けずにいた。
どんなに暴れても、アルマの力には勝てなかった。
「アルマ! 離しなさい‼」
「すまないノワール…陛下の命令なのでな…」
「離さないと、貴女の好きなどら焼き…もう作ってあげないわよ‼」
「くっ…卑怯だぞ! 私の好物を盾にして逃れようとするなんて…」
そうした事をしていると、鏡は私の前に来て全身を映された。
すると、私のこの人生での役目が表示された。
ただし、古代エルフ語で書かれている為に私は読めなかった。
どうか…この人生では何事も無く過ごせますように…と祈った。
だが…?
「この時代のノワールの人生は、・・・・だ!」
「お…終わったわ!」
私はショックで力が抜けて、床に膝を付いた。
この時代でも私は、悲惨な死によって幕を閉じるのね…
果たして、ノワールのこの人生の役目とは?
次回、第四章・最終回に御期待下さい!
扉の前にいる騎士がそう叫ぶと、王がいる謁見の間の扉が開いて中に入って行った。
すると其処には…本のイラストなどに描かれている様な美形なエルフの国王と美女の王妃が玉座に座っていた。
私達は玉座の近くまで歩み寄ると、エルフ族に伝わる儀礼を行い、アルマも私に習って礼をした。
「その姿が今のノワールか?」
「はい! 魔女ではなく、聖女でもない…何者でも無いただのノワールです、陛下…」
「そう硬っ苦しい言い方はやめてくれ、古き友よ! 其方に久方振りに会えた事を嬉しく思う!」
「王妃様もお元気そうで何よりです! 苦手なカエルは克服出来ましたかw?」
「ノワール、貴女ねぇ…流石に500年も経てば、苦手は克服くらい出来ています!」
「そうですか…成長なされたのですね。 あ、そうそう! これは王妃様に…」
そう言って私は荷物の中から小箱を取り出して、王妃に手渡した。
王妃は箱の蓋を開けると、カエルが勢い良く飛び出してきた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ~~~!!!」
「あははははは~~~!」
王妃の反応に、アルマは青い顔をしていたが…私はお腹を抑えて笑っていた。
王妃は箱を見るとカエルはただの玩具で、バネで飛び出してくる物だった。
この世界には、こういった細工の玩具は無いので、思った以上の反応を得られたのだった。
「ノワール‼︎ よくもやってくれたわねぇ~~~!!!」
「ゴメンって! 許して、フラーマ!」
王妃フラーマは、怒った表情で私の前に来ると…抱きついて来たのだった。
私もフラーマを抱き締めると、フラーマは耳元で…
「来るのが遅いのよ! ここ数百年待っていたのよ!」
「ゴメンねフラーマ…それと、ただいま!」
………しばらくしてから、落ち着いた謁見の間………
私はアルマを旅の仲間として王と王妃に紹介した。
王と王妃もテスタレディシア王国の勇敢なる戦乙女の噂は知っているらしく、アルマは照れて見せた。
そしてしばらくの間は雑談話に花が咲き…そして話は真剣なものに変わっていった。
「して…古き友よ! 今度は何の使命を持って転生したのだ?」
「今度の使命は…イケメンの男性を捕まえてから結婚をして、幸せな生活を手に入れる人生よ!」
「わたしは真面目に聞いているのだが…?」
「私も真面目に答えているわ!」
「ノワールの人生と悲痛な死については同情はするけど、この転生も何か意味がある筈でしょう?」
王妃フラーマの話にアルマは首を傾けた。
「悲痛な死って…どういう事なんだノワール?」
「死ぬ時の事については、正直思い出したくも無いし…」
「思い出したく無い? 魔女ノワールは魔女狩りで処刑、聖女は聖剣の生贄で死亡…騎士ノワールは魔物の討伐時に死亡…伝説のメイドのノワールは、同僚にはめられて処刑され死亡…私が知るのはこれだが?」
「そうね…では、どういう死に方だったかまでは知らないでしょ?」
前世の記憶が厄介なのは…死ぬ寸前までの記憶まで鮮明に覚えているからだ。
いまでも目を閉じると、あの時の死の瞬間の記憶が甦る時がある。
「確かに知らないな…そこまで詳しくは伝わってないからな。」
「魔女時代は、魔法を封じる魔道具で拘束されてから火あぶり、騎士時代は味方に裏切られて魔物の群れに突き飛ばされてから八つ裂き、聖女時代は、聖剣を完成させる為に聖女の血が必要だと言われて…剣を鍛えられて熱した状態の物を下の穴から突っ込まれて、体内で冷やす&血を与えるという工程を得て聖剣が完成…その時に地獄のような熱さと内臓を突き破られて地獄の様な痛みと苦しさに意識を失ってそのまま死亡、メイド時代は…メイドの仕事をこなしながら魔道具制作にも携わって、家庭用の便利な道具をいくつも開発し、その功績を認められて侯爵様に嫁ぐ筈だったのに、同僚がそれに対して嫉妬をして私は罠に嵌められてから、王家を滅ぼす魔道具を密かに製造していると容疑を掛けられ、重りを付けて海に沈められるという物だったわ。」
「・・・・・・・・・」
さすがのアルマも言葉を失ったみたい…
私の今迄の前世の人生では、こういう悲惨な死が多かった。
そして何より、恋愛を知る前…それどころか20歳前後という早すぎる死ばかりでもあった。
だから、この六度目の人生は幸せになっても良いじゃない!
「本当に…ノワールの死の真相を聞くのは初めてではないが…いつ聞いても胸クソが悪くなるな…」
「それだけ人間は、自分勝手で傲慢な種族という事でしょうから…」
「だから、今度の人生は何事にも縛られずに恋愛成就してから結婚をし、旦那様と幸せな生活を送ってから子供を産んで育てて…慎ましい生活を送るんだから!」
その言葉を聞いて、国王と王妃は少し呆れた表情を浮かべていた。
アルマは、私の夢をいつも聞かされていたので大した表情の変化は無かった。
「なら、今度も試しても良いか?」
国王は、部下に命じて大きな鏡を謁見の間に持って来させた。
すると私はその鏡を見て距離を取った。
「ノワールよ、この鏡は…」
「知っているわよ! これ…天言の鏡でしょ? 私はこの鏡の所為で、魔女時代と聖女時代に不幸な予言を伝えられたんだから‼」
私は腕をクロスさせて×を表現した。
だが、私が後ずさりしても…国王が部下に命じて私を鏡に映しだそうとしていた。
「ノワール、往生際が悪いぞ! アルマ殿、協力をお願いする! ノワールを捕まえて置いてくれ!」
「はっ!」
私はアルマの怪力に捕まって動けずにいた。
どんなに暴れても、アルマの力には勝てなかった。
「アルマ! 離しなさい‼」
「すまないノワール…陛下の命令なのでな…」
「離さないと、貴女の好きなどら焼き…もう作ってあげないわよ‼」
「くっ…卑怯だぞ! 私の好物を盾にして逃れようとするなんて…」
そうした事をしていると、鏡は私の前に来て全身を映された。
すると、私のこの人生での役目が表示された。
ただし、古代エルフ語で書かれている為に私は読めなかった。
どうか…この人生では何事も無く過ごせますように…と祈った。
だが…?
「この時代のノワールの人生は、・・・・だ!」
「お…終わったわ!」
私はショックで力が抜けて、床に膝を付いた。
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