【完結】五度の人生を不幸な出来事で幕を閉じた転生少女は、六度目の転生で幸せを掴みたい!

アノマロカリス

文字の大きさ
上 下
37 / 63
第四章 あれ? おかしくないかな?

第七話 私ってもしかして?~アクードの心…

しおりを挟む
 私達は、ロブソニアンの村を出てから、幾つかの村を通ってバルデェシアン王国を目指していたのだけど…
 その行く先々の村で、私達は男性から告白を受けた。
 …主に、アルマが…だが⁉

 「おかしい…旅をする様になってから、アルマばかりが声を掛けられる…」
 「なんでだろうなぁ? どうしてなんだろうなぁ?」

 アルマは私を見て疑問に満ちた目で見て来た。
 その口元は薄く笑っていたので、少し腹が立った。
 原因を考えて、解った事がある!
 アルマは…身長は175㎝と割と高いが、この世界の同世代の男性に比べると若干低い。
 顔立ちも良く、体系もしっかりしていて…割と胸が大きい。
 反対に私の場合は、身長は160㎝とこの世界の女性にしては…貴族としては同世代と同じ位だけど、平民では小柄な方で、瘦せていてスレンダー体系だった。

 「という事は…胸か! 胸なんですか⁉ 大きいお胸がそんなに良いんですか⁉」
 「急にどうしたノワール? 私はノワールの体系は羨ましいと思うぞ! 小柄で可愛らしく…」
 「アルマ…」
 「胸が大きくないので肩こりの心配が必要ない、理想的な体系だ! 私は12歳の頃からこんな感じだったから、常に肩こりと男性からの視線に耐えられなくてな…」
 「ムキー‼ 自慢ですか? それは自慢なんですか⁉ そんなに大きなお胸を自慢したいんですか⁉」
 「いや…私は小さい方が良いな…と思っただけだ。」

 やはり…私よりもアルマの方が男性にとっては魅力的に映るらしい…
 そして私が一緒にいる事で、アルマがさらに魅力的に見えている。
 …という事は、私って引き立て役なの⁉

 「そういえば考えてみると…あの当時はあまり気にしなかったけど、様々な前世の私の姿って…全部今の体系に近い容姿だったと思う。」

 女子高生時代も、胸の成長で悩んだこともあったっけ?
 魔女時代は…別に好きな男性がいなかったから気にもしなかったけど…?
 騎士時代は、戦いが激務過ぎて気にする余裕は無かったし…
 聖女時代も、麗しの聖女様…とか呼ばれていたけど、モテモテだった記憶はない。
 メイドの時は…うん、大きくは無かったぁ…周りから仕事に支障がないのは良いよね?…とか言われていた気がする。
 そして現在…アクードが私を振ってメルティを選んだ理由も…胸?
 そういえば、私よりメルティの胸の方が成長していたっけ?
 屋敷の中では、メルティが数か月ごとに下着を新しくしていて…確か、お姉様は体系が変わらずに羨ましいって皮肉めいた事を言われていたからね。
 あの時は、私の物を奪われてばかりいたからその皮肉にも気付かなかったんだけど…

 私達は長い日数を掛けて、ようやく水の都のバルデェシアン王国に辿り着いたのだった。

 ・・・・・・・・・一方・アクードは?・・・・・・・・・

 この街で1か月も生活していると、この土地というのがどういう物か解ったきた。
 一度は討伐の依頼で外に出た事もあったが、街の外は視界も悪く…武器以外にスコップを持たないとロクに歩く事も出来ない。
 スコップだが…街の外では道を確保する以外に、吹雪いてきた時にかまくらを作って退避する為にも使えるのだ。
 
 「そろそろ金も貯まったし、ノワールを探しに行きたい所なのだが…」

 俺は最近考える事がある。
 ノワールを捕まえて連れ帰る事により、俺の王位は確定する。
 だが、俺はノワールの事が好きだったかというと、そうでもない。
 俺は貧乳は嫌いだからだ!
 
 「だから、巨乳のメルティに心変わりしたのか⁉」

 まぁ、今更あんな態度を取ってしまったんだから元に戻る事は出来ない。
 まぁ、メルティ以外にも巨乳はいるだろうし…ノワールには側妃か愛人にでもして、正妻は別に…いや!
 ノワールを正妻にして、他に愛人を作れば良いのか!

 「まぁ、それはノワールを捕まえて来てから考えるとして…それにしてもどこにいるんだ?」
 
 船でこの街に来ると、大体の者は身元を確認する為に用紙に記入をする。
 その用紙を見せて貰ったが、ノワールの名前は無かった…
 偽名を使っているのか?
 だが、街の住人に聞いてもノワールに一致する情報は得られなかった。
 本当にこの街に来たのだろうか?
 最近では、そんな事ばかり考えている。

 そして、船で新たな者達がこの街に来た。
 そこには見知った顔が3人いたのだった。
 俺は、その者達に話を聞く事にした。
 すると、ノワールの向かった先はとんでもない場所だと判明したのだった。
しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。

ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン
ファンタジー
 聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。  いや嘘だ。  本当は不満でいっぱいだった。  食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。  だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。  しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。  そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。  二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。  だが彼女は知らなかった。  三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。  知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。 ※完結しました。 ※小説家になろう様にも投稿しています

婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。

拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。

辺境は独自路線で進みます! ~見下され搾取され続けるのは御免なので~

紫月 由良
恋愛
 辺境に領地を持つマリエ・オリオール伯爵令嬢は、貴族学院の食堂で婚約者であるジョルジュ・ミラボーから婚約破棄をつきつけられた。二人の仲は険悪で修復不可能だったこともあり、マリエは快諾すると学院を早退して婚約者の家に向かい、その日のうちに婚約が破棄された。辺境=田舎者という風潮によって居心地が悪くなっていたため、これを機に学院を退学して領地に引き籠ることにした。  魔法契約によりオリオール伯爵家やフォートレル辺境伯家は国から離反できないが、関わり合いを最低限にして独自路線を歩むことに――。   ※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています

悪役令嬢エリザベート物語

kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ 公爵令嬢である。 前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。 ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。 父はアフレイド・ノイズ公爵。 ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。 魔法騎士団の総団長でもある。 母はマーガレット。 隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。 兄の名前はリアム。  前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。 そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。 王太子と婚約なんてするものか。 国外追放になどなるものか。 乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。 私は人生をあきらめない。 エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。 ⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!

加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。 カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。 落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。 そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。 器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。 失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。 過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。 これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。 彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。 毎日15:10に1話ずつ更新です。 この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

処理中です...