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第三章 モテ期到来?の章
第十二話・最終回 興味津々・キラキラ瞳の王子様!
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「あの…ノワールさん! 今のは一体何だったのですか?」
「いまの? ディル様は何かを見たのですか? アルマ…何かいたの?」
「今のは、ノワールが呼び出した者です。」
私は知らない振りをしてアルマに尋ねたが、アルマは裏切った。
国に仕えるアルマには、王子に嘘を付く訳にはいかないらしいのだ。
「ア~ル~マ~~~‼」
「すまん、ノワール…私は嘘を言う訳にはいかなくてな。」
アルマの言葉に、ディルが私に向けて来る視線が更に熱くなった。
視線が熱い上に、瞳がキラキラしている…けど、これ…どこかで?
《あ、ユズの弟のカズマ君の感じと一緒だ!》
私は日本にいた時の記憶が甦ったのだった。
私が日本にいた時は、マンガやゲーム好きのオタクな女子高生だった。
気になる事があればとことん調べるという厄介な性質で、図書館やネットで様々な事を調べていった結果、博識になって学校の成績は上位だった。
私が高校1年の時に、幼馴染のユズの家に遊びに行った時にカズマ君の勉強を見てあげていた。
勉強法という訳ではないけど、無駄に博識な知識を披露しながら勉強を教えていると、小学校6年生のカズマ君は私の事を尊敬してみてくれた。
ディルのこの目は、あの時のカズマ君と同じ目をしているのだった。
だけど…カズマ君は、ユズの玩具にされていたのよね。
年齢の割に顔は童顔で美少女みたいな顔立ちをしているので、ユズは御下がりの服を良く着せていた。
更には半ズボンを履かせて恥ずかしがって半泣きをして居るカズマ君を見て、荒い息をしていたっけ…?
そんな境遇があってか、カズマ君は中学に上がった瞬間にグレて荒れたとか…?
まぁ、無理もない。
「ユズがみたら、ディル様はストライクだったでしょうね。」
「僕が何か?」
やばい…声に出ていた。
私は必死に誤魔化した。
「それよりも、ノワールさんは魔法が使えるんですね?」
私はアルマを見ると、アルマは顔を横に振った。
これは、嘘は駄目だという合図ね…
「はい、使えます。 それがどうかしましたか?」
「国でも魔力持ちで魔法が使える人は何人かいます。 だけど、あんな魔法は見た事がありません! ノワールさんはどの魔力持ちの方よりも優れていらっしゃる方なのですね?」
「どうでしょうか? 私はジコククーニ王国とテスタレディシア王国にしか行った事ないので、その他の国の魔力持ちの事までは分かりませんし…」
「僕も文献で見た知識の限りでは、ノワールさんの魔法は群を抜いています!」
あ…この話の流れは不味い方向になって来たわね?
次に言ってくる言葉は、大体予想出来るわね。
「ノワールさんにお願いがあります! 僕の…」
「お断り致します!」
「まだ何も言ってないのですが…」
「では、逆に何を言おうとしたのですか?」
ディルは何かを決心した様で、私に言って来た。
「ノワールさん、僕に仕えては戴けませんか?」
「お断りします! 私は商人に使える気はありませんので…」
「僕は…テスタレディシア王国の第四王子です。」
「猶更お断り致します! 私は国には仕える気はありませんので。」
ディルはしゅーんとした表情になった。
あ、これは…ユズではないけど、玩具にしたくなる理由は解るわ!
まぁ、私はショタじゃないけどね…腐女子ではあるけど、日本にいた時はw
ここで諦めてくれると良いんだけどなぁ?
多分この後に…
「では、僕の婚約者になって戴けませんか?」
「それこそお断り致します! 私はショタでは無いですし…私と殿下では年が離れすぎています!」
「ショタ? ショタって何ですか?」
「年齢が低すぎる子…という地方の言葉です。」
本当は違うんだけど、この場はそれで誤魔化した。
だけど、ディルは諦めていなかった。
「僕は…年齢の開き何て気にしません!」
「私は気にするんです! 私の理想は、同年代かそれに近い年齢の男性です! 10歳近くも年の離れた子供を相手にする事はありません。」
ディルもねぇ…?
顔立ちも良いし、成長したら好みのイケメンに成長しそうだけど…ディルが私くらいの年齢になったら、私は三十路だしね。
「でも…僕は貴女の事を諦めたくない‼」
《うわぁ…そのセリフ、好きな人に言って欲しいランキング上位の言葉ね!》
でも…これは折れそうにもないなぁ?
傷つかせるかもしれないけど、ハッキリ言おうかな?
「私は…」
「私は?」
「私は自分より弱い人は嫌いなんです!」
「くっ…これから鍛えます!」
「無理ね。 殿下が何年掛けようとも私には勝てません。」
これだけ言っておけば、諦めるでしょう。
だけど、ディルは何かを考えている節があった。
「でも、僕は…ノワールさんを諦めたくありません!」
「ふぅ…私が殿下の気持ちを断るのは別にあります。」
「なんですか? 仰って下さい!」
「僕に仕えて欲しい…婚約者になってくれ…そう言われましたが、私は殿下から好きだとは言われてはいません。 あくまでも私を利用する為の発言にしか取れないのです。」
「そ…それは、ノワールさんの事をまだ良く解らないから…」
うんうん、正直な子供は好きよ!
ただ、背伸びするにはまだ幼過ぎるけどね…
「では、こうしましょう! 殿下はこれから世界を回り、様々な経験をして知識を得て下さい。 そしてそれでも私の事が好きで一緒になりたいと思ったのなら、私は殿下の婚約者となり過ごす事を誓います…ただし、私がその時までまだ独り身だった場合になりますが…」
うっ…微妙にフラグが立った気がする。
私はその時までは相手はいるよね? いるわよね⁉
「知識なら…それ相応にありますが?」
「でもそれらは、本で得た知識ですよね? 世界には本で書かれている物とは異なる物が数多く存在します! それらの知識を得て下さいという事です。」
「わかりました! 僕の決心が変わる事はありません! 何年掛かるか解りませんが…世界を旅して知識を得てから、ノワールさんに改めてプロポーズを致します! なので、どうかその時までに相手が出来ずに独り身で過ごしていて下さい!」
この王子…サラっと私の事をディスったわね!
悪気がない分、性質が悪いけど…
これで王子との話は終わり、再び馬車は発進した。
その後は、何事も無く国境を抜けて…もうじきテスタレディシア王国に入る所になった時に私は呟いた。
「もう少し…テスタレディシア王国を見ておきたかったんだけど、もう無理ね…次は何処に行こうかな?」
「ノワール…国を出て行くのか?」
「何処かの誰かさんが遠慮なしに人の秘密を暴露したおかげでね。 アルマからではなくても、他の者達から王国には伝わるだろうし…全てが発覚する前に私は別の国に行く事にするから!」
「そうなのか…寂しくなるな! 日は浅かったが、ノワールとは気兼ねなく話せる者だったからな。」
「寂しくなる? 何を言っているのよ、アルマも私の旅に同行するんだから、寂しくなんてないわよ?」
「はぁ⁉ どういう事だ⁉」
「あれ? どっかの誰かさんが魔獣討伐の時に言ったわよね? 何かあれば責任は私が取るって…なので、アルマは王国に帰ったら騎士団を除隊して、私の旅に同行するのよ。」
「確かに責任は取るとは言ったが、騎士団を辞めるという話は聞いてないぞ!」
アルマは決心が硬そうだったので、これ以上は無理かと思ったので、綻びから突いてみた。
「テスタレディシア王国の騎士団の副団長様は、自ら課した言動を破るんだ? 友達だと思っていたのに…裏切られたわ。」
「うっ…!」
「テスタレディシア王国の騎士の誓いって脆いのね…だから、私の事もベラベラ喋るんだわ!」
「あ…そ、それは…!」
「どうせ私には、味方なんていないのだわ! 旅先で死んだら、アルマの元に化けて出てやるんだから…そして毎日呪いの言葉を耳元で呟いてあげるわ! 聖女でも浄化出来ない程の怨念となって…」
「ノワール辞めてくれ! お前が言うと冗談に聞こえないから‼」
まぁ、これ位にしておこうかな?
でも、この依頼が終わればテスタレディシア王国にはいられないわね?
私達はテスタレディシア王国に着いてから、その場で解散した。
そして冒険者ギルドで報酬を貰ってから、最後にこの国の名物料理を食堂で愉しんでから宿で眠りに就いた。
翌朝…私は夜が明ける前に旅立つ事にした。
そして城門に行くとそこには、冒険者身なりのアルマが立っていた。
「アルマ? お見送りに来たの?」
「騎士の約束は絶対だ! 私はお前絡みで何度も破ってしまったのでな、自主的に騎士団を除隊した!」
「あ、あれね…? 冗談のつもりだったんだけどw」
「え? 冗談⁉ お前は私の決心を冗談で済ませる気か⁉」
「本当に旅に来る気なの?」
「無論だ! それに騎士を除隊したと同時に家にも居られないしな…友達に付き合うのも悪くないと思ったんだ。」
馬鹿正直なのか、真面目なのか…私はアルマの同行は凄く嬉しかった。
「では、アルマ…行こう! 結婚相手を探す旅に‼」
「はあ? ノワールの旅の目的は結婚相手を探す為だったのか⁉」
「あれ? 言ってなかったっけ?」
「初めて聞いたぞ!」
私達は笑いあってから腕を組んで行った。
「アルマ…一緒に楽しい旅しよう!」
「あぁ、お前の背中は任せろ!」
「えぇ! 頼りにしているわ!」
私とアルマは、こうしてテスタレディシア王国から旅立った。
次に向かう目的地は…まだ決まってなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後…テスタレディシア王国では大騒ぎになっていた。
突然辞めた騎士団の副団長のアルマの除隊に、魔力持ちのAランク冒険者のノワールのテスタレディシア王国からの旅立ち…
彼女2人の行方は何処なのか?
それは…ある者だけしか知らなかったのである。
「やっぱり、ノワールさんは旅立ちましたか! 僕もいつか貴女に…」
そう決心した、テスタレディシア王国の第四王子のディーライディア・テスタレディシアは空を見上げて誓っていた。
・・・・・・・・・第三章・完・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・第四章へ続く・・・・・・・・・
「いまの? ディル様は何かを見たのですか? アルマ…何かいたの?」
「今のは、ノワールが呼び出した者です。」
私は知らない振りをしてアルマに尋ねたが、アルマは裏切った。
国に仕えるアルマには、王子に嘘を付く訳にはいかないらしいのだ。
「ア~ル~マ~~~‼」
「すまん、ノワール…私は嘘を言う訳にはいかなくてな。」
アルマの言葉に、ディルが私に向けて来る視線が更に熱くなった。
視線が熱い上に、瞳がキラキラしている…けど、これ…どこかで?
《あ、ユズの弟のカズマ君の感じと一緒だ!》
私は日本にいた時の記憶が甦ったのだった。
私が日本にいた時は、マンガやゲーム好きのオタクな女子高生だった。
気になる事があればとことん調べるという厄介な性質で、図書館やネットで様々な事を調べていった結果、博識になって学校の成績は上位だった。
私が高校1年の時に、幼馴染のユズの家に遊びに行った時にカズマ君の勉強を見てあげていた。
勉強法という訳ではないけど、無駄に博識な知識を披露しながら勉強を教えていると、小学校6年生のカズマ君は私の事を尊敬してみてくれた。
ディルのこの目は、あの時のカズマ君と同じ目をしているのだった。
だけど…カズマ君は、ユズの玩具にされていたのよね。
年齢の割に顔は童顔で美少女みたいな顔立ちをしているので、ユズは御下がりの服を良く着せていた。
更には半ズボンを履かせて恥ずかしがって半泣きをして居るカズマ君を見て、荒い息をしていたっけ…?
そんな境遇があってか、カズマ君は中学に上がった瞬間にグレて荒れたとか…?
まぁ、無理もない。
「ユズがみたら、ディル様はストライクだったでしょうね。」
「僕が何か?」
やばい…声に出ていた。
私は必死に誤魔化した。
「それよりも、ノワールさんは魔法が使えるんですね?」
私はアルマを見ると、アルマは顔を横に振った。
これは、嘘は駄目だという合図ね…
「はい、使えます。 それがどうかしましたか?」
「国でも魔力持ちで魔法が使える人は何人かいます。 だけど、あんな魔法は見た事がありません! ノワールさんはどの魔力持ちの方よりも優れていらっしゃる方なのですね?」
「どうでしょうか? 私はジコククーニ王国とテスタレディシア王国にしか行った事ないので、その他の国の魔力持ちの事までは分かりませんし…」
「僕も文献で見た知識の限りでは、ノワールさんの魔法は群を抜いています!」
あ…この話の流れは不味い方向になって来たわね?
次に言ってくる言葉は、大体予想出来るわね。
「ノワールさんにお願いがあります! 僕の…」
「お断り致します!」
「まだ何も言ってないのですが…」
「では、逆に何を言おうとしたのですか?」
ディルは何かを決心した様で、私に言って来た。
「ノワールさん、僕に仕えては戴けませんか?」
「お断りします! 私は商人に使える気はありませんので…」
「僕は…テスタレディシア王国の第四王子です。」
「猶更お断り致します! 私は国には仕える気はありませんので。」
ディルはしゅーんとした表情になった。
あ、これは…ユズではないけど、玩具にしたくなる理由は解るわ!
まぁ、私はショタじゃないけどね…腐女子ではあるけど、日本にいた時はw
ここで諦めてくれると良いんだけどなぁ?
多分この後に…
「では、僕の婚約者になって戴けませんか?」
「それこそお断り致します! 私はショタでは無いですし…私と殿下では年が離れすぎています!」
「ショタ? ショタって何ですか?」
「年齢が低すぎる子…という地方の言葉です。」
本当は違うんだけど、この場はそれで誤魔化した。
だけど、ディルは諦めていなかった。
「僕は…年齢の開き何て気にしません!」
「私は気にするんです! 私の理想は、同年代かそれに近い年齢の男性です! 10歳近くも年の離れた子供を相手にする事はありません。」
ディルもねぇ…?
顔立ちも良いし、成長したら好みのイケメンに成長しそうだけど…ディルが私くらいの年齢になったら、私は三十路だしね。
「でも…僕は貴女の事を諦めたくない‼」
《うわぁ…そのセリフ、好きな人に言って欲しいランキング上位の言葉ね!》
でも…これは折れそうにもないなぁ?
傷つかせるかもしれないけど、ハッキリ言おうかな?
「私は…」
「私は?」
「私は自分より弱い人は嫌いなんです!」
「くっ…これから鍛えます!」
「無理ね。 殿下が何年掛けようとも私には勝てません。」
これだけ言っておけば、諦めるでしょう。
だけど、ディルは何かを考えている節があった。
「でも、僕は…ノワールさんを諦めたくありません!」
「ふぅ…私が殿下の気持ちを断るのは別にあります。」
「なんですか? 仰って下さい!」
「僕に仕えて欲しい…婚約者になってくれ…そう言われましたが、私は殿下から好きだとは言われてはいません。 あくまでも私を利用する為の発言にしか取れないのです。」
「そ…それは、ノワールさんの事をまだ良く解らないから…」
うんうん、正直な子供は好きよ!
ただ、背伸びするにはまだ幼過ぎるけどね…
「では、こうしましょう! 殿下はこれから世界を回り、様々な経験をして知識を得て下さい。 そしてそれでも私の事が好きで一緒になりたいと思ったのなら、私は殿下の婚約者となり過ごす事を誓います…ただし、私がその時までまだ独り身だった場合になりますが…」
うっ…微妙にフラグが立った気がする。
私はその時までは相手はいるよね? いるわよね⁉
「知識なら…それ相応にありますが?」
「でもそれらは、本で得た知識ですよね? 世界には本で書かれている物とは異なる物が数多く存在します! それらの知識を得て下さいという事です。」
「わかりました! 僕の決心が変わる事はありません! 何年掛かるか解りませんが…世界を旅して知識を得てから、ノワールさんに改めてプロポーズを致します! なので、どうかその時までに相手が出来ずに独り身で過ごしていて下さい!」
この王子…サラっと私の事をディスったわね!
悪気がない分、性質が悪いけど…
これで王子との話は終わり、再び馬車は発進した。
その後は、何事も無く国境を抜けて…もうじきテスタレディシア王国に入る所になった時に私は呟いた。
「もう少し…テスタレディシア王国を見ておきたかったんだけど、もう無理ね…次は何処に行こうかな?」
「ノワール…国を出て行くのか?」
「何処かの誰かさんが遠慮なしに人の秘密を暴露したおかげでね。 アルマからではなくても、他の者達から王国には伝わるだろうし…全てが発覚する前に私は別の国に行く事にするから!」
「そうなのか…寂しくなるな! 日は浅かったが、ノワールとは気兼ねなく話せる者だったからな。」
「寂しくなる? 何を言っているのよ、アルマも私の旅に同行するんだから、寂しくなんてないわよ?」
「はぁ⁉ どういう事だ⁉」
「あれ? どっかの誰かさんが魔獣討伐の時に言ったわよね? 何かあれば責任は私が取るって…なので、アルマは王国に帰ったら騎士団を除隊して、私の旅に同行するのよ。」
「確かに責任は取るとは言ったが、騎士団を辞めるという話は聞いてないぞ!」
アルマは決心が硬そうだったので、これ以上は無理かと思ったので、綻びから突いてみた。
「テスタレディシア王国の騎士団の副団長様は、自ら課した言動を破るんだ? 友達だと思っていたのに…裏切られたわ。」
「うっ…!」
「テスタレディシア王国の騎士の誓いって脆いのね…だから、私の事もベラベラ喋るんだわ!」
「あ…そ、それは…!」
「どうせ私には、味方なんていないのだわ! 旅先で死んだら、アルマの元に化けて出てやるんだから…そして毎日呪いの言葉を耳元で呟いてあげるわ! 聖女でも浄化出来ない程の怨念となって…」
「ノワール辞めてくれ! お前が言うと冗談に聞こえないから‼」
まぁ、これ位にしておこうかな?
でも、この依頼が終わればテスタレディシア王国にはいられないわね?
私達はテスタレディシア王国に着いてから、その場で解散した。
そして冒険者ギルドで報酬を貰ってから、最後にこの国の名物料理を食堂で愉しんでから宿で眠りに就いた。
翌朝…私は夜が明ける前に旅立つ事にした。
そして城門に行くとそこには、冒険者身なりのアルマが立っていた。
「アルマ? お見送りに来たの?」
「騎士の約束は絶対だ! 私はお前絡みで何度も破ってしまったのでな、自主的に騎士団を除隊した!」
「あ、あれね…? 冗談のつもりだったんだけどw」
「え? 冗談⁉ お前は私の決心を冗談で済ませる気か⁉」
「本当に旅に来る気なの?」
「無論だ! それに騎士を除隊したと同時に家にも居られないしな…友達に付き合うのも悪くないと思ったんだ。」
馬鹿正直なのか、真面目なのか…私はアルマの同行は凄く嬉しかった。
「では、アルマ…行こう! 結婚相手を探す旅に‼」
「はあ? ノワールの旅の目的は結婚相手を探す為だったのか⁉」
「あれ? 言ってなかったっけ?」
「初めて聞いたぞ!」
私達は笑いあってから腕を組んで行った。
「アルマ…一緒に楽しい旅しよう!」
「あぁ、お前の背中は任せろ!」
「えぇ! 頼りにしているわ!」
私とアルマは、こうしてテスタレディシア王国から旅立った。
次に向かう目的地は…まだ決まってなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後…テスタレディシア王国では大騒ぎになっていた。
突然辞めた騎士団の副団長のアルマの除隊に、魔力持ちのAランク冒険者のノワールのテスタレディシア王国からの旅立ち…
彼女2人の行方は何処なのか?
それは…ある者だけしか知らなかったのである。
「やっぱり、ノワールさんは旅立ちましたか! 僕もいつか貴女に…」
そう決心した、テスタレディシア王国の第四王子のディーライディア・テスタレディシアは空を見上げて誓っていた。
・・・・・・・・・第三章・完・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・第四章へ続く・・・・・・・・・
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