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第一章 婚約破棄の章
第十話・最終回 最後にあの子に会いに行こう!
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「王妃陛下は、やはり思っていた通りの優しい方だったわ! そんな方から良くあんな馬鹿が生まれたわね?」
ノワールは不思議でならなかった。
ノワールは考えていると、少し寒さを感じた。
「そういえば、幾らドレスを着ているとは言っても…上空でこの格好じゃ寒いよね?」
ノワールのいる場所…それは地上から100m離れた場所に箒に腰掛けていたのだ。
それなら寒くてもおかしくはない。
「隣国に立つ前に、最後にあの子だけには会っておこう!」
ノワールは5度の転生の時の記憶が甦ったけど、エルティナス伯爵令嬢として生きていた記憶もある。
アクード馬鹿王子の婚約者として城に招かれて仕事をする日々の前は、普通に貴族としてのお茶会にも参加していた。
その時にいたメンバーのほとんどは、現在では連絡を取っていないが…幼馴染のニーナという伯爵令嬢にだけは、城に入っても手紙のやり取りはしていた。
この国では未練は殆ど無いが、ニーナと離れ離れになるのだけは未練があった。
私はニーナに会いに飛んで行った。
「馬車で3時間の距離があっという間だわ! ニーナはこの時間なら…あ、いたいた!」
ニーナの伯爵家は薬草栽培で財を成した家系である。
薬草園で仕事をして居るニーナを見付けた私は、彼女の前に降り立った。
「え? ノワール⁉ 嘘! 今空から飛んでこなかった?」
「ニーナ! おっひさぁ~!」
ニーナはノワールを見て戸惑っていた。
ノワールは、ニーナの背中をさすって落ち着かせた。
「色々聞きたい事があるかもしれないけど、まずは私からね! この度、第三馬鹿王子から婚約破棄を告げられて、更にはエルティナス伯爵家からも追い出されました!」
「えぇっ⁉ それで何でそんなに明るく話せるのよ⁉」
「あの馬鹿王子から開放されて、公務の仕事をしなくて済む様になったから…というのと、過去に生きて来た人生の…前世の記憶が甦ったからかな?」
「前世の記憶? えっとぉ…? ごめん、1から話して貰える?」
ニーナはキャパオーバーだったみたいで頭を押さえていた。
ノワールは、馬鹿王子から婚約破棄された以降の話を事細かく説明した。
「なるほどね…それで、ノワールが空から降りて来た理由も分かったわ! それにしても、歴史で学んでいた過去の偉業を成したノワールが全て貴女の前世だったなんてね。」
「立ちっぱなしも何だから、座らない? その前に、クリーン!」
ノワールは、ニーナの服についていた泥汚れを綺麗にした。
そして収納魔法からテーブルと椅子と茶器セットを取り出した。
「ニーナ、この薬草を少し貰っても良いかな?」
「本当に魔法だわ…あ、うん…良いけど?」
ノワールは、摘んだカモミールを乾燥させてから茶器に入れて、水魔法と火魔法をお湯を作りだしてからポッドに入れて少し蒸らせた。
時間を見てからカップに紅茶を注いだ。
それと部屋にあったクッキーもテーブルに並べると、ちょっとしたお茶会になった。
「もう…色々あり過ぎて驚くのも疲れたわ!」
「質問してくれないで助かるわ! 説明していたら、説明だけで話が終わっちゃうから…」
2人は紅茶を飲むと、今後の話をした。
「ノワールはこれからどうするの?」
「王室から私を捜索するみたいだけど、適当に一番遠い場所に誘導したので捕まる事は無いわ! それにその捜索があの馬鹿王子だしね。」
「でも、エルティナス伯爵家からも捜索隊は派遣されるんじゃないかな? 魔力持ちは優遇されるから…」
「だとしても戻る気なんてないわ! 姉妹なのに妹ばかりを優遇する両親なんか知った事じゃないから!」
「なら私は…虚偽の報告の手伝いをしないとね? 第三王子は何処に向かったの?」
「最北端のノースホイントに私がいると吹き込んでおいた。」
「なら私は、ノワールが会いに来てからノースホイントに向かったと言っておくわ!」
私の友人はあまりいない…
両親の事だから、きっと捜索隊を派遣してからニーナの元にも来るはず…?
協力者がいると、心強いと思った。
「それで、ノワールはこれからどうするの?」
「これから隣国に行ってから、冒険者になろうと思っているの。」
「冒険者ねぇ? 危険じゃないかな?」
「でも…私はもう伯爵家ではないし、生活していく為に稼がないといけないしね。」
私は地面から剣を召喚して手に取ると、髪を手に取ってから首元でバッサリ切った。
その後に、髪に手を触れてから銀髪の髪色を緑色に変化させた。
「これで遠目から私だとは気付かれないでしょ?」
「魔法って便利ねぇ? そんな事まで出来るのね…それで、隣国に行ってからずっと留まるの?」
「ううん、ある程度稼いだら…別な場所にも行くつもり。 そこで運命の人を見付けて幸せになるんだから!」
「まぁ…貴女の今迄の人生を考えると、それを目指すのも悪くはないわね。 でも寂しくなるわ!」
「大丈夫よ、たまに様子を見に来るからね! この場所は心に刻んだし、次来る時は一瞬で来れるから…」
「はぁ…もう驚くのも疲れたわ!」
お茶会はこうして終わりを告げて、ノワールは旅立つ準備をした。
ノワールは先程使用していた箒を呼ぶと、宙に浮かせてから腰掛けた。
「名残惜しいけど、私は行くわね!」
「それだけの力があるから大抵の事には対処出来ると思うけど、十分気を付けてね!」
こうしてノワールは、ニーナに別れを告げて旅立った。
目指すは隣国…テスタレディシア王国!
ノワールは、運命の人に巡り会うのだろうか?
この物語の続きは、第二章で語られるのだった。
・・・・・・・・・第一章・完・・・・・・・・・
・・・・・・・・・第二章へ続く・・・・・・・・
ノワールは不思議でならなかった。
ノワールは考えていると、少し寒さを感じた。
「そういえば、幾らドレスを着ているとは言っても…上空でこの格好じゃ寒いよね?」
ノワールのいる場所…それは地上から100m離れた場所に箒に腰掛けていたのだ。
それなら寒くてもおかしくはない。
「隣国に立つ前に、最後にあの子だけには会っておこう!」
ノワールは5度の転生の時の記憶が甦ったけど、エルティナス伯爵令嬢として生きていた記憶もある。
アクード馬鹿王子の婚約者として城に招かれて仕事をする日々の前は、普通に貴族としてのお茶会にも参加していた。
その時にいたメンバーのほとんどは、現在では連絡を取っていないが…幼馴染のニーナという伯爵令嬢にだけは、城に入っても手紙のやり取りはしていた。
この国では未練は殆ど無いが、ニーナと離れ離れになるのだけは未練があった。
私はニーナに会いに飛んで行った。
「馬車で3時間の距離があっという間だわ! ニーナはこの時間なら…あ、いたいた!」
ニーナの伯爵家は薬草栽培で財を成した家系である。
薬草園で仕事をして居るニーナを見付けた私は、彼女の前に降り立った。
「え? ノワール⁉ 嘘! 今空から飛んでこなかった?」
「ニーナ! おっひさぁ~!」
ニーナはノワールを見て戸惑っていた。
ノワールは、ニーナの背中をさすって落ち着かせた。
「色々聞きたい事があるかもしれないけど、まずは私からね! この度、第三馬鹿王子から婚約破棄を告げられて、更にはエルティナス伯爵家からも追い出されました!」
「えぇっ⁉ それで何でそんなに明るく話せるのよ⁉」
「あの馬鹿王子から開放されて、公務の仕事をしなくて済む様になったから…というのと、過去に生きて来た人生の…前世の記憶が甦ったからかな?」
「前世の記憶? えっとぉ…? ごめん、1から話して貰える?」
ニーナはキャパオーバーだったみたいで頭を押さえていた。
ノワールは、馬鹿王子から婚約破棄された以降の話を事細かく説明した。
「なるほどね…それで、ノワールが空から降りて来た理由も分かったわ! それにしても、歴史で学んでいた過去の偉業を成したノワールが全て貴女の前世だったなんてね。」
「立ちっぱなしも何だから、座らない? その前に、クリーン!」
ノワールは、ニーナの服についていた泥汚れを綺麗にした。
そして収納魔法からテーブルと椅子と茶器セットを取り出した。
「ニーナ、この薬草を少し貰っても良いかな?」
「本当に魔法だわ…あ、うん…良いけど?」
ノワールは、摘んだカモミールを乾燥させてから茶器に入れて、水魔法と火魔法をお湯を作りだしてからポッドに入れて少し蒸らせた。
時間を見てからカップに紅茶を注いだ。
それと部屋にあったクッキーもテーブルに並べると、ちょっとしたお茶会になった。
「もう…色々あり過ぎて驚くのも疲れたわ!」
「質問してくれないで助かるわ! 説明していたら、説明だけで話が終わっちゃうから…」
2人は紅茶を飲むと、今後の話をした。
「ノワールはこれからどうするの?」
「王室から私を捜索するみたいだけど、適当に一番遠い場所に誘導したので捕まる事は無いわ! それにその捜索があの馬鹿王子だしね。」
「でも、エルティナス伯爵家からも捜索隊は派遣されるんじゃないかな? 魔力持ちは優遇されるから…」
「だとしても戻る気なんてないわ! 姉妹なのに妹ばかりを優遇する両親なんか知った事じゃないから!」
「なら私は…虚偽の報告の手伝いをしないとね? 第三王子は何処に向かったの?」
「最北端のノースホイントに私がいると吹き込んでおいた。」
「なら私は、ノワールが会いに来てからノースホイントに向かったと言っておくわ!」
私の友人はあまりいない…
両親の事だから、きっと捜索隊を派遣してからニーナの元にも来るはず…?
協力者がいると、心強いと思った。
「それで、ノワールはこれからどうするの?」
「これから隣国に行ってから、冒険者になろうと思っているの。」
「冒険者ねぇ? 危険じゃないかな?」
「でも…私はもう伯爵家ではないし、生活していく為に稼がないといけないしね。」
私は地面から剣を召喚して手に取ると、髪を手に取ってから首元でバッサリ切った。
その後に、髪に手を触れてから銀髪の髪色を緑色に変化させた。
「これで遠目から私だとは気付かれないでしょ?」
「魔法って便利ねぇ? そんな事まで出来るのね…それで、隣国に行ってからずっと留まるの?」
「ううん、ある程度稼いだら…別な場所にも行くつもり。 そこで運命の人を見付けて幸せになるんだから!」
「まぁ…貴女の今迄の人生を考えると、それを目指すのも悪くはないわね。 でも寂しくなるわ!」
「大丈夫よ、たまに様子を見に来るからね! この場所は心に刻んだし、次来る時は一瞬で来れるから…」
「はぁ…もう驚くのも疲れたわ!」
お茶会はこうして終わりを告げて、ノワールは旅立つ準備をした。
ノワールは先程使用していた箒を呼ぶと、宙に浮かせてから腰掛けた。
「名残惜しいけど、私は行くわね!」
「それだけの力があるから大抵の事には対処出来ると思うけど、十分気を付けてね!」
こうしてノワールは、ニーナに別れを告げて旅立った。
目指すは隣国…テスタレディシア王国!
ノワールは、運命の人に巡り会うのだろうか?
この物語の続きは、第二章で語られるのだった。
・・・・・・・・・第一章・完・・・・・・・・・
・・・・・・・・・第二章へ続く・・・・・・・・
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