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第二章 本章スタート
第十八話 再び王宮へ
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「どう致しますか、国王陛下?」
「ぬ…ぬぅ!」
私は再び王宮に来ていた。
そして傍らには、鎖魔法で拘束されているアイーシャが罪人の様な状態で連れていた。
何故こんな状況になっているのかは、少し前に戻る。
アイーシャは頼りにしていた父親を含めた王族が頼りにならず、更にはクラスメートを当てにしたが…それも外れた。
そしてアイーシャの取った決断はといえば、何処で手に入れたかは解らないが…掠っただけでバドルグリズリーを絶命させる毒のナイフで私を直接的に攻撃を仕掛けて来たのだった。
…とはいえ、碌に刃物を持ったことが無い小娘にやられるような私ではない。
私は拘束魔法でアイーシャを捕らえてから、こうして王宮の国王陛下の前に再びやって来たのだった。
「これは明らかな殺人行為ですよ。それにこのナイフですが…ナイフはまぁ良いです。でもこのナイフに塗布された猛毒は看過できません。この猛毒は危険指定毒物に指定されている物で、主にハンターが魔獣を仕留める為に用いる物です。」
「我もまさかアイーシャがこの様な行為に走ろうとは思わなかった。」
周囲の王族達も信じられないという表情をしていた。
まぁ、周りの王族達はアイーシャを見る目が腐っている。
アイーシャの性格や醜悪さを見抜けないのは分かっていたけど、まさかここまで愚かな行為をするとは思わなかった。
「お父様、私を助けて下さいませ‼」
「国王陛下、正しい御決断をお願い致します。」
「ぬ…ぬぐぅ‼」
まぁ、この娘に馬鹿甘い国王なら…この先に言う事は大体予想が出来る。
「此度の件は本当に済まなかった。謝罪するので娘を開放してやってはくれまいか?」
…やっぱり、事の重大さが全く理解してなかったか。
「それで私が納得するとでも?アイーシャ王女にはどの様な処罰をされるおつもりですか?」
「アイーシャには数日間の自室待機を命じて…」
「はぁ…やっぱりか!いい加減にしろよ、この馬鹿親‼」
私は覇気を王宮内に放った。
国王を含めた王族達や宰相、近衛騎士達ですら氣に押されて立ち上がれずに地面に伏した状態になっていた。
「此度の件で私が怒って無いとでも思うのですか?ファルーラ王国第三王女のアイーシャは、自身の誇りを傷付けられた事から英雄学園の講師の殺人未遂、殺人に使用した毒物は特定指定禁止毒物を使用。それで…その処罰が自室待機ですか?親馬鹿もいい加減にしろ‼」
「何だと、貴様は国王に対して何だその態度は‼」
「そういう事は立ち上がってから言って貰えませんか?地面に触れ伏したままで怒鳴っても説得力はありませんよ。国王がそういう態度でしたら此方にも考えがあります。まず今回の件を世間に公表します。ファルーラ王国第三王女が英雄学園の講師…更にはドーラ商会創立者の殺人未遂。この事が世間に広まれば、ファルーラ王国はどうなるでしょうかね?」
「我を脅す気か?」
「脅す?私は真実を公表するだけですよ。私の周囲には隠蔽魔法で隠してありますが、録画スフィアが配置されています。此度のアイーシャ王女の殺人未遂の時の映像も録画してありますので、それを共に各国の新聞社に配信したら…?」
「なら、貴様は処罰に何を望む?」
「そうですねぇ?ファルーラ王国に第三王女は初めから存在しなかった。今回の事は自分を王女と信じ込んでいる平民が起こしたちょっとした冗談だった…というのは如何でしょうか?」
「アイーシャを廃嫡させて平民に落とせというのか⁉」
「それが最も相応しい処罰だと思いますよ。さすがに今回の事は王族とはいえ、笑って済ませられる問題ではありませんからね。」
私は覇気を解いた。
皆は立ち上がった。
「しかしそれでは、娘にはあまりにも厳しい…」
「なら世間に公表しますか?アイーシャ様を斬り捨てれば王国には問題無いですが、世間に公表すればファルーラ王国そのものが存亡の危機に瀕しますよ。」
…という様な究極の選択を与えてみた。
娘の事になると馬鹿になる国王が正しい判断を出来るかな?
「仮にだ!仮に娘を廃嫡させて平民に落としたとして、その後はどうなる?」
「平民として私のクラスに所属させて、まずはその歪んだ性格を矯正させる為に叩き直します。そしてダンジョン攻略をさせて無事に100層まで辿り着いて卒業の証を得たら、冒険者として生活をさせれば良いかと。」
「なら…英雄学園から追い出したり、いきなり街に放り出したりとかはしないのだな?」
「それがお望みならそれでも構いませんよ。ただ…この世間知らずのお嬢様だと街に放り出した瞬間に悪党に捕まってから奴隷商にでも引き渡されて売られるでしょうね。元が王族の娘なら、さぞかし高値が付くでしょうからね。」
まぁ、そんな事をする気はないけどね。
こんな危ない性格の女を野に放っても、生きられて2日が限度だろうし。
「国王陛下、正しい御決断を…公表か廃嫡か。」
「しばし…考える時間をくれないか?」
「即決断をお願いします!」
「だが…しかし!」
「なら、私の手で始末しましょうか?相手を殺そうとするくらいですから、当然自分が殺される覚悟があって挑んで来たでしょうからね。」
「ぐぅぉっ‼」
…と言っても私が本気ではないと考えている筈。
私は取り出した剣をアイーシャの首元に当てた。
「国王陛下…御決断を!」
「娘との会話は可能か?」
「別れの挨拶くらいは許しますが、そこから動かない事なら構いません。」
「いや、娘を…」
「接触すれば、それだけ別れが辛くなりますので。」
「貴様…それでも人か‼貴様にだって親はいるだろう⁉」
「親ですか…確かにいましたね。」
「なら、娘を大事な親の心が貴様にも…」
「全く解りませんね!生まれた時の事までは覚えておりませんが、神託の儀で馬鹿な神官が私のジョブを呪われし物と認定してから、私は4歳の頃から12歳になって追い出されるまでは牢屋の中で監禁されていましたからね。親の愛とか心なんて全く解りません。」
「貴様…どういう人生をこれまで歩んで来たんだ⁉」
「牢屋の中で監禁され、8歳の頃から餓死させる為に食事を抜かされ、12歳になって追い出されてからは冒険者として生計を立てていました。これで満足ですか?」
国王を説得させる為に言いたくもない過去を話してしまった。
だがこれで国王も…?
「言っておきますが、廃嫡されたら会いに行こうなんて事はしないで下さいね。アイーシャがいずれ冒険者として名を馳せる冒険者となってから越権行為は許しますが、それまでは一切の接触は控えて下さい。」
国王陛下は、口から血を流すくらいに唇を噛んでいた。
そして長々と考え込んでいるのか、このまま時が過ぎれば私の考えが変わるとでも思っているのかという位に時間が過ぎて行った。
これでは埒が明かないので、最後通告をする為に行動に出た。
「時間です!このままお答えを聞かせて貰えないのであれば…」
私はアイーシャの首の薄皮を斬って、その血が刀身を伝わって地面に垂れた。
これで私の気が変わったりする事が無く、本気だという事が伝わっただろう。
「わ…わかった!娘は…アイーシャは、第三王女は初めから居なかった‼これで良いか!」
「そんな…お父様‼」
「では、この平民のアイーシャは私が責任を持って育てて参りますので。それでは、失礼致します!」
私は転移魔法で英雄学園のクラスに戻った。
そしてクラスの子達に、アイーシャは王女ではなく平民になった事を告げた。
「まずは貴女の歪んだその性格から強制させてあげましょう。覚悟は良いですね、アイーシャ‼」
「あんたねぇ‼」
私はアイーシャを思いっ切り頬を叩いた。
アイーシャは口を切り血を流しながら私を睨んでいた。
「何ですかその目は?貴女は講師に対しての口の利き方がなっていませんね。まずはそこから強制を始めるとしましょうか…分かりましたか平民‼」
「くっ…!」
所詮親子の情なんてこんな物だ。
国王だって王国が危機に陥られるくらいなら保身の為に簡単に娘を斬り捨てる。
さて…どうやってアイーシャを矯正させましょうかねぇ?
これでクラスが5人揃った…のだけど、最初に考えていたのとは少し計画が狂った。
これから、私の授業がやっと始まるのだった。
「ぬ…ぬぅ!」
私は再び王宮に来ていた。
そして傍らには、鎖魔法で拘束されているアイーシャが罪人の様な状態で連れていた。
何故こんな状況になっているのかは、少し前に戻る。
アイーシャは頼りにしていた父親を含めた王族が頼りにならず、更にはクラスメートを当てにしたが…それも外れた。
そしてアイーシャの取った決断はといえば、何処で手に入れたかは解らないが…掠っただけでバドルグリズリーを絶命させる毒のナイフで私を直接的に攻撃を仕掛けて来たのだった。
…とはいえ、碌に刃物を持ったことが無い小娘にやられるような私ではない。
私は拘束魔法でアイーシャを捕らえてから、こうして王宮の国王陛下の前に再びやって来たのだった。
「これは明らかな殺人行為ですよ。それにこのナイフですが…ナイフはまぁ良いです。でもこのナイフに塗布された猛毒は看過できません。この猛毒は危険指定毒物に指定されている物で、主にハンターが魔獣を仕留める為に用いる物です。」
「我もまさかアイーシャがこの様な行為に走ろうとは思わなかった。」
周囲の王族達も信じられないという表情をしていた。
まぁ、周りの王族達はアイーシャを見る目が腐っている。
アイーシャの性格や醜悪さを見抜けないのは分かっていたけど、まさかここまで愚かな行為をするとは思わなかった。
「お父様、私を助けて下さいませ‼」
「国王陛下、正しい御決断をお願い致します。」
「ぬ…ぬぐぅ‼」
まぁ、この娘に馬鹿甘い国王なら…この先に言う事は大体予想が出来る。
「此度の件は本当に済まなかった。謝罪するので娘を開放してやってはくれまいか?」
…やっぱり、事の重大さが全く理解してなかったか。
「それで私が納得するとでも?アイーシャ王女にはどの様な処罰をされるおつもりですか?」
「アイーシャには数日間の自室待機を命じて…」
「はぁ…やっぱりか!いい加減にしろよ、この馬鹿親‼」
私は覇気を王宮内に放った。
国王を含めた王族達や宰相、近衛騎士達ですら氣に押されて立ち上がれずに地面に伏した状態になっていた。
「此度の件で私が怒って無いとでも思うのですか?ファルーラ王国第三王女のアイーシャは、自身の誇りを傷付けられた事から英雄学園の講師の殺人未遂、殺人に使用した毒物は特定指定禁止毒物を使用。それで…その処罰が自室待機ですか?親馬鹿もいい加減にしろ‼」
「何だと、貴様は国王に対して何だその態度は‼」
「そういう事は立ち上がってから言って貰えませんか?地面に触れ伏したままで怒鳴っても説得力はありませんよ。国王がそういう態度でしたら此方にも考えがあります。まず今回の件を世間に公表します。ファルーラ王国第三王女が英雄学園の講師…更にはドーラ商会創立者の殺人未遂。この事が世間に広まれば、ファルーラ王国はどうなるでしょうかね?」
「我を脅す気か?」
「脅す?私は真実を公表するだけですよ。私の周囲には隠蔽魔法で隠してありますが、録画スフィアが配置されています。此度のアイーシャ王女の殺人未遂の時の映像も録画してありますので、それを共に各国の新聞社に配信したら…?」
「なら、貴様は処罰に何を望む?」
「そうですねぇ?ファルーラ王国に第三王女は初めから存在しなかった。今回の事は自分を王女と信じ込んでいる平民が起こしたちょっとした冗談だった…というのは如何でしょうか?」
「アイーシャを廃嫡させて平民に落とせというのか⁉」
「それが最も相応しい処罰だと思いますよ。さすがに今回の事は王族とはいえ、笑って済ませられる問題ではありませんからね。」
私は覇気を解いた。
皆は立ち上がった。
「しかしそれでは、娘にはあまりにも厳しい…」
「なら世間に公表しますか?アイーシャ様を斬り捨てれば王国には問題無いですが、世間に公表すればファルーラ王国そのものが存亡の危機に瀕しますよ。」
…という様な究極の選択を与えてみた。
娘の事になると馬鹿になる国王が正しい判断を出来るかな?
「仮にだ!仮に娘を廃嫡させて平民に落としたとして、その後はどうなる?」
「平民として私のクラスに所属させて、まずはその歪んだ性格を矯正させる為に叩き直します。そしてダンジョン攻略をさせて無事に100層まで辿り着いて卒業の証を得たら、冒険者として生活をさせれば良いかと。」
「なら…英雄学園から追い出したり、いきなり街に放り出したりとかはしないのだな?」
「それがお望みならそれでも構いませんよ。ただ…この世間知らずのお嬢様だと街に放り出した瞬間に悪党に捕まってから奴隷商にでも引き渡されて売られるでしょうね。元が王族の娘なら、さぞかし高値が付くでしょうからね。」
まぁ、そんな事をする気はないけどね。
こんな危ない性格の女を野に放っても、生きられて2日が限度だろうし。
「国王陛下、正しい御決断を…公表か廃嫡か。」
「しばし…考える時間をくれないか?」
「即決断をお願いします!」
「だが…しかし!」
「なら、私の手で始末しましょうか?相手を殺そうとするくらいですから、当然自分が殺される覚悟があって挑んで来たでしょうからね。」
「ぐぅぉっ‼」
…と言っても私が本気ではないと考えている筈。
私は取り出した剣をアイーシャの首元に当てた。
「国王陛下…御決断を!」
「娘との会話は可能か?」
「別れの挨拶くらいは許しますが、そこから動かない事なら構いません。」
「いや、娘を…」
「接触すれば、それだけ別れが辛くなりますので。」
「貴様…それでも人か‼貴様にだって親はいるだろう⁉」
「親ですか…確かにいましたね。」
「なら、娘を大事な親の心が貴様にも…」
「全く解りませんね!生まれた時の事までは覚えておりませんが、神託の儀で馬鹿な神官が私のジョブを呪われし物と認定してから、私は4歳の頃から12歳になって追い出されるまでは牢屋の中で監禁されていましたからね。親の愛とか心なんて全く解りません。」
「貴様…どういう人生をこれまで歩んで来たんだ⁉」
「牢屋の中で監禁され、8歳の頃から餓死させる為に食事を抜かされ、12歳になって追い出されてからは冒険者として生計を立てていました。これで満足ですか?」
国王を説得させる為に言いたくもない過去を話してしまった。
だがこれで国王も…?
「言っておきますが、廃嫡されたら会いに行こうなんて事はしないで下さいね。アイーシャがいずれ冒険者として名を馳せる冒険者となってから越権行為は許しますが、それまでは一切の接触は控えて下さい。」
国王陛下は、口から血を流すくらいに唇を噛んでいた。
そして長々と考え込んでいるのか、このまま時が過ぎれば私の考えが変わるとでも思っているのかという位に時間が過ぎて行った。
これでは埒が明かないので、最後通告をする為に行動に出た。
「時間です!このままお答えを聞かせて貰えないのであれば…」
私はアイーシャの首の薄皮を斬って、その血が刀身を伝わって地面に垂れた。
これで私の気が変わったりする事が無く、本気だという事が伝わっただろう。
「わ…わかった!娘は…アイーシャは、第三王女は初めから居なかった‼これで良いか!」
「そんな…お父様‼」
「では、この平民のアイーシャは私が責任を持って育てて参りますので。それでは、失礼致します!」
私は転移魔法で英雄学園のクラスに戻った。
そしてクラスの子達に、アイーシャは王女ではなく平民になった事を告げた。
「まずは貴女の歪んだその性格から強制させてあげましょう。覚悟は良いですね、アイーシャ‼」
「あんたねぇ‼」
私はアイーシャを思いっ切り頬を叩いた。
アイーシャは口を切り血を流しながら私を睨んでいた。
「何ですかその目は?貴女は講師に対しての口の利き方がなっていませんね。まずはそこから強制を始めるとしましょうか…分かりましたか平民‼」
「くっ…!」
所詮親子の情なんてこんな物だ。
国王だって王国が危機に陥られるくらいなら保身の為に簡単に娘を斬り捨てる。
さて…どうやってアイーシャを矯正させましょうかねぇ?
これでクラスが5人揃った…のだけど、最初に考えていたのとは少し計画が狂った。
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