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第二章 本章スタート
第十四話 20階層に辿り着く為の秘策
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翌日、4人には前日まで使用していた武器のチェンジをした。
全員に両手槍を渡しての素振りだった。
「先生、昨日までは大剣でしたけど…何故今日は槍なんだ?」
「貴女達は現在、ジョブの力が無いので魔法も使えない状態になっています。そうなると攻撃手段が武器のみになりますが、様々な武器をが使えた方が何かと役に立つかもしれませんしね。」
「…とは言っても、ダンジョンに複数の武器を持って行く訳にはいかないだろ?」
「そうです!ですので、現段階で一番適した武器を手にしてダンジョンに潜るというやり方を推奨したいのです。明日は弓になりますよ。」
「本当に何でもやらせたいのねん。」
「そしてこの鍛錬が終わりましたら、氣功術という能力を教えて差し上げますので、それを身に付けた状態でダンジョン攻略に望んで下さい。」
「氣功術って、お兄様の友人のフレッドさんが使えるというアレですかん?」
「そうです!氣功術は攻守に優れた術の1つとして大変役に立ちます。身体強化魔法の代わりにもなりますし、武器に纏えば攻撃力上昇、武器に纏って放てば遠距離攻撃可能、体に纏えば物質ダメージ軽減やブレス攻撃の軽減などに役に立ちます。」
「何だよ、魔法より役に立ちそうじゃないか!」
「先程言った内容は、極められたらという話です。最初の段階では、精々身体強化が出来る位が関の山でしょう。」
「ですが、それをわたくし達に教えて下さるのでしょう?」
「はい…ただし、簡単には身に付きませんけどね。」
「おねえ…先生の今迄の鬼の様な訓練をさせられていれば、簡単じゃない事くらいわかるわよ‼」
「どうせなら素振りは一時止めにして、氣功術取得を目指しますか?」
「だけど、素振りは良いのか?」
「氣功術を取得した後なら、素振り一万回は楽に出来る様になりますよ。」
「「「おぉ!」」」
「ただし、その翌日にぶっ倒れて動けなくはなりますが…」
「ですが、そんなに早く覚えられる物なのですか?」
「早い人なら一瞬で覚えますし、そうでない人でも1週間もあれば覚えるでしょう。」
「実際にどの程度難しい物なのん?」
「左を見ながら右を見ろという感じでしょうか?」
「「「「はぁ~⁉」」」」
4人は疑問の様な声を出した。
氣功術を発動する為には、一種の気付きの様な感覚が必要なだけだ。
人に限らず、この世に生きとし生ける物には必ず氣を宿している。
だけどそれに気付けるかどうかは、また話が違ってくる。
私も異世界で「ワイバーンボーラー」という漫画に出会わなければ気付かなかった。
「さて、では氣功術の鍛錬を始めますね。」
私は4人の手に対して、私の氣を流し込んだ。
これは魔法を使う前にやる魔力を感じる為の訓練方法と良く似ている。
魔力を宿している物にはこれで気付くのだが、氣功術の場合はこれで気付ける者はそう多くない。
そして…短時間でカーリスとテトラとベルリーニがすぐに覚えたのだが…?
天才と呼ばれたリーゼだけは、初日だけでなく3日過ぎても覚えられずに4日目でやっと発動出来た。
「なる程なのねん…左を見ながら右を見ろとは言った物なのねん!」
「天才と呼ばれたリーゼさんが真っ先に覚えると思っていましたが意外でした。」
「使える様になれば何てことは無いのねん。身に付ける迄が苦労しただけで…」
そして私は氣功術のやり方を皆に伝授した。
体全体に氣を纏う事で身体強化と防御力上昇、武器に纏わせて攻撃力上昇、武器に纏わせてから放つソニックブーム等々…
皆はそれぞれ使いこなせられる様になり、気分が上がっている状態から一気に突き落とした。
「さて、覚えるまでに要した時間は5日間です。その間に素振りが五万回残っていますので、頑張って下さいね。」
「やっぱ悪魔だな先生は…だが、この状態なら割と楽に出来るぞ!」
そして4人はあり得ないスピードで素振りを終わらせたのだが…?
以前に話した事を忘れていたらしく、翌日には疲労でぶっ倒れていたので…その日は休みにした。
2日後…
何とか体が回復した4人は、再び私の所に来た。
「皆さん、体の方は大丈夫ですか?」
「疲労感が半端なかった。体を動かす度に悲鳴を上げる始末だったよ。」
「全身が筋肉痛って…あんなに体に負荷が掛かるとは思いませんでしたわ!」
「でも今は回復していますよね?それでは、基礎は一通り教えましたので…この状態でダンジョンに挑んでみてくださいね。」
「この状態なら、20階層くらいまでは行けるかなん?」
「可能だと思いますよ。そして帰って来る時には、欠片を1つ入手して来て下さいね。」
「先生よぉ…ジョブの力が戻ったら、また戦ってくれないか?」
「それは構いませんが、どうしたのです?」
「今のアタイ達の力がどの程度の物か知りたくてな。」
「今の私と貴女達では、大きな差の開きがありますよ?」
「それは分かっている。アタイも先生に勝てるなんて万に一つ…いや、億に一つの可能性も無い事くらいわかるさ。」
「それなら、先生の力を見せましょうか?氣を込めるので確認して下さいね。」
私は足を開いてから体中に氣を込めてから放出した。
体の中から氣が荒れ狂う様に溢れ出し、周囲に圧を掛けて建物やガラスが悲鳴を上げ、大気が震えて地面が激しい振動を起こしていた。
あまりにも凄まじい威力を放った為に、各クラスの教師達が第二演習場まで様子を見に来たくらいに大騒ぎになっていた。
私は少しやり過ぎたと思って、氣を落ち着かせた。
「テルパ先生、今のは一体⁉」
「シグリル先生、お騒がせしました。生徒達に授業の一環で私の実力を見せる為の物だったのです。もう無いので御安心を…」
私は講師達にそう話すと、皆はそれぞれのクラスに戻って行った。
「い…今のが先生の全力か‼」
「いえ、これでも半分程度です。全力でやったら多分、学園は崩壊して周囲にも影響を出し兼ねませんからね。」
「これで…半分だと⁉」
「勝てる訳ないのねん!ウチと戦っていた時も全く本気ではなかったのねん?」
「えぇ…あの時は10分の1程度でしょうか?」
4人は言葉を失って立ち尽くしていた。
ちょっとショックが大きかったかな?
「これだと、100階層で本来のジョブの力を手に入れても勝てる気がしない。」
「おねえ…先生のレベルは幾つなの?」
「聞かない方が良いですよ。人類の最高到達より遥かに高いですからね。それでも魔王には勝てないと思います…ただし1人では。」
「良かったですわ!何処かの脳筋達と同じ様に戦いで勝敗を付ける事をしなくて…」
「「「おい!」」」
ベルリーニの言葉に、カーリスとリーゼとテトラはツッコミを入れた。
「そんな事よりも、皆さんはダンジョンに出発して来て下さいね。目指せ20階層で!」
「今起きた事をサラッと流したな。まぁ、気にしていても仕方がないか…」
4人は準備を整えてからダンジョンに挑んで行った。
今のあの子達なら…立派に目標到達地点に辿り着くでしょう。
それよりも…?
「アイーシャさん、いつまでそこで隠れて見ておられるのですか?」
「気付いていたのね…」
「そりゃあ、あれだけ熱い視線を向けられていては気付かない方がおかしいですよ。」
アイーシャは建物の影から現れた。
そして私に対してこう言って来た。
「先生の能力は確かに素晴らしいです。ですが、幾ら先生でも王家の秘術に関しては知らないですよね?」
「他の子達との戦いを拝見していても尚、私に挑む姿は立派ですが…」
アイーシャには私に勝てる勝算でもあるのだろうか?
彼女の顔には、明らかに自信に満ちた表情をしていた。
そして、最後の1人であるアイーシャとの戦いが起こるのだった。
全員に両手槍を渡しての素振りだった。
「先生、昨日までは大剣でしたけど…何故今日は槍なんだ?」
「貴女達は現在、ジョブの力が無いので魔法も使えない状態になっています。そうなると攻撃手段が武器のみになりますが、様々な武器をが使えた方が何かと役に立つかもしれませんしね。」
「…とは言っても、ダンジョンに複数の武器を持って行く訳にはいかないだろ?」
「そうです!ですので、現段階で一番適した武器を手にしてダンジョンに潜るというやり方を推奨したいのです。明日は弓になりますよ。」
「本当に何でもやらせたいのねん。」
「そしてこの鍛錬が終わりましたら、氣功術という能力を教えて差し上げますので、それを身に付けた状態でダンジョン攻略に望んで下さい。」
「氣功術って、お兄様の友人のフレッドさんが使えるというアレですかん?」
「そうです!氣功術は攻守に優れた術の1つとして大変役に立ちます。身体強化魔法の代わりにもなりますし、武器に纏えば攻撃力上昇、武器に纏って放てば遠距離攻撃可能、体に纏えば物質ダメージ軽減やブレス攻撃の軽減などに役に立ちます。」
「何だよ、魔法より役に立ちそうじゃないか!」
「先程言った内容は、極められたらという話です。最初の段階では、精々身体強化が出来る位が関の山でしょう。」
「ですが、それをわたくし達に教えて下さるのでしょう?」
「はい…ただし、簡単には身に付きませんけどね。」
「おねえ…先生の今迄の鬼の様な訓練をさせられていれば、簡単じゃない事くらいわかるわよ‼」
「どうせなら素振りは一時止めにして、氣功術取得を目指しますか?」
「だけど、素振りは良いのか?」
「氣功術を取得した後なら、素振り一万回は楽に出来る様になりますよ。」
「「「おぉ!」」」
「ただし、その翌日にぶっ倒れて動けなくはなりますが…」
「ですが、そんなに早く覚えられる物なのですか?」
「早い人なら一瞬で覚えますし、そうでない人でも1週間もあれば覚えるでしょう。」
「実際にどの程度難しい物なのん?」
「左を見ながら右を見ろという感じでしょうか?」
「「「「はぁ~⁉」」」」
4人は疑問の様な声を出した。
氣功術を発動する為には、一種の気付きの様な感覚が必要なだけだ。
人に限らず、この世に生きとし生ける物には必ず氣を宿している。
だけどそれに気付けるかどうかは、また話が違ってくる。
私も異世界で「ワイバーンボーラー」という漫画に出会わなければ気付かなかった。
「さて、では氣功術の鍛錬を始めますね。」
私は4人の手に対して、私の氣を流し込んだ。
これは魔法を使う前にやる魔力を感じる為の訓練方法と良く似ている。
魔力を宿している物にはこれで気付くのだが、氣功術の場合はこれで気付ける者はそう多くない。
そして…短時間でカーリスとテトラとベルリーニがすぐに覚えたのだが…?
天才と呼ばれたリーゼだけは、初日だけでなく3日過ぎても覚えられずに4日目でやっと発動出来た。
「なる程なのねん…左を見ながら右を見ろとは言った物なのねん!」
「天才と呼ばれたリーゼさんが真っ先に覚えると思っていましたが意外でした。」
「使える様になれば何てことは無いのねん。身に付ける迄が苦労しただけで…」
そして私は氣功術のやり方を皆に伝授した。
体全体に氣を纏う事で身体強化と防御力上昇、武器に纏わせて攻撃力上昇、武器に纏わせてから放つソニックブーム等々…
皆はそれぞれ使いこなせられる様になり、気分が上がっている状態から一気に突き落とした。
「さて、覚えるまでに要した時間は5日間です。その間に素振りが五万回残っていますので、頑張って下さいね。」
「やっぱ悪魔だな先生は…だが、この状態なら割と楽に出来るぞ!」
そして4人はあり得ないスピードで素振りを終わらせたのだが…?
以前に話した事を忘れていたらしく、翌日には疲労でぶっ倒れていたので…その日は休みにした。
2日後…
何とか体が回復した4人は、再び私の所に来た。
「皆さん、体の方は大丈夫ですか?」
「疲労感が半端なかった。体を動かす度に悲鳴を上げる始末だったよ。」
「全身が筋肉痛って…あんなに体に負荷が掛かるとは思いませんでしたわ!」
「でも今は回復していますよね?それでは、基礎は一通り教えましたので…この状態でダンジョンに挑んでみてくださいね。」
「この状態なら、20階層くらいまでは行けるかなん?」
「可能だと思いますよ。そして帰って来る時には、欠片を1つ入手して来て下さいね。」
「先生よぉ…ジョブの力が戻ったら、また戦ってくれないか?」
「それは構いませんが、どうしたのです?」
「今のアタイ達の力がどの程度の物か知りたくてな。」
「今の私と貴女達では、大きな差の開きがありますよ?」
「それは分かっている。アタイも先生に勝てるなんて万に一つ…いや、億に一つの可能性も無い事くらいわかるさ。」
「それなら、先生の力を見せましょうか?氣を込めるので確認して下さいね。」
私は足を開いてから体中に氣を込めてから放出した。
体の中から氣が荒れ狂う様に溢れ出し、周囲に圧を掛けて建物やガラスが悲鳴を上げ、大気が震えて地面が激しい振動を起こしていた。
あまりにも凄まじい威力を放った為に、各クラスの教師達が第二演習場まで様子を見に来たくらいに大騒ぎになっていた。
私は少しやり過ぎたと思って、氣を落ち着かせた。
「テルパ先生、今のは一体⁉」
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私は講師達にそう話すと、皆はそれぞれのクラスに戻って行った。
「い…今のが先生の全力か‼」
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「これで…半分だと⁉」
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「良かったですわ!何処かの脳筋達と同じ様に戦いで勝敗を付ける事をしなくて…」
「「「おい!」」」
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「そんな事よりも、皆さんはダンジョンに出発して来て下さいね。目指せ20階層で!」
「今起きた事をサラッと流したな。まぁ、気にしていても仕方がないか…」
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「気付いていたのね…」
「そりゃあ、あれだけ熱い視線を向けられていては気付かない方がおかしいですよ。」
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そして私に対してこう言って来た。
「先生の能力は確かに素晴らしいです。ですが、幾ら先生でも王家の秘術に関しては知らないですよね?」
「他の子達との戦いを拝見していても尚、私に挑む姿は立派ですが…」
アイーシャには私に勝てる勝算でもあるのだろうか?
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