元Sランクパーティーのサポーターは引退後に英雄学園の講師に就職した。〜教え子達は見た目は美少女だが、能力は残念な子達だった。〜

アノマロカリス

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第一章

第十五話 拷問の様な修業

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 「今日から本格的な修業に入ります…が、この中で無詠唱を真っ先に覚えるのは恐らくアリスさんでしょう。」

 「私がですか?」

 「そうです!ただし…」

 自分はアリスの耳に内容を話した。

 「それって責任重大じゃ無いですか‼︎」

 「そうですよ、彼等の命は君次第という事です。」

 その話の内容を聞いて、ラスとクリアは不安そうな顔をしていた。

 「先生…俺達は何をやらされるんですか?」

 「死にはしませんが…重症になる可能性があります。まぁ、死にはしないので御安心を。全てはアリスさん次第ですが!」

 ラスとクリアはアリスを見た。

 アリスは「頑張る!」と不安そうな顔をしながら答えた。

 「そういえば、フレッドの姿が見えませんが?」

 「フレッド君は…君達よりも先の地獄を経験しています。」

 「あの…フレッドは生きていますよね?」

 「生きてますよ~死んだりしたら自分は首になりますからね。」

 ラスとクリアの修業様に、3mくらいの高さの燃え盛る炎の柱と5m位の大きな水球を出現させた。

 「これ…何ですか?」

 「ラス君は炎の柱の中に入り、炎の体験をしてもらいます。クリアさんは水球の中に入って、脱出してみて下さい。」

 「先生、俺には炎耐性がありますけど?」

 「私も水耐性があります。」

 「先程鑑定魔法で見ましたので知っています。ラス君の場合は無詠唱の感覚を掴む為に炎の柱の中に入ってもらいますが…中の温度は炎耐性があっても普通に火傷します。」

 「はい⁉︎」

 「そして火傷を負ったラス君に水をぶっかけてから、アリスさんの回復魔法で治療して貰います。そして治療が終了して完治したら、再び炎の中に…」

 「私の場合は水球からの脱出って言っていましたけど?」

 「早く脱出しないと水圧で押し潰されます。押し潰されたら死ぬ前に回収してからアリスさんに治療をして貰い、再び水球の中に…」

 「本当に死んだりしませんよね⁉︎」

 「安心して下さい、自分が常に監視をしていますので…死ぬ寸前には回収しますから。」

 「私は回復と言っていましたが?」

 「ラス君とクリアさんがどの程度の時間で回収されるかは分かりませんが、回収されたらすぐに回復魔法で治療を行なって貰います。ただし、休む暇が無く回復魔法を掛けて貰いますが…詠唱を唱えている暇がありませんので、数をこなして感覚的に無詠唱を取得して下さい。」

 「無詠唱を取得出来なかった場合は?」

 「ラス君かクリアさんのどちらかが死ぬだけです。どちらかが死んだら…アリスさんは殺人犯に。」

 話を終えた後にラスを炎の柱の中に蹴り込んでから、クリアを持ち上げて水球の中に放り投げた。

 そして中から聞こえる断末魔の様な叫び声…クリアの方は痛ましい音と共に潰される音が聞こえてくる。

 死ぬ前のクリアを回収してから、アリスに治療を…

 クリアが回復し終わったら、すぐにラスの治療を…

 それがひっきりなしのエンドレスに続いて行った。

 アリスはボヤボヤしていたら、どちらかが本当に死んでしまう。

 その極限の中でアリスは無詠唱を取得した。

 だが、ラスとクリアは無詠唱の取得はこの修業ではないので…ひたすら大火傷と水圧で押し潰される経験を繰り返して行った。

 そして2人とも感覚が掴めそうになった後に開放されたのだが…?

 自分の顔を見て、恐怖のあまり震えていた。

 そして翌日に2人とも無詠唱を取得してホッとしている表情だった。

 …が、1週間にはまだ時間がある。

 これで終わりだと思っていた3人は、更なる地獄が待っているのだった。

 自分は…嫌われないかな?
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