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第一章
第四話 学園長マッサランド
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自分は学園長室に入った。
そして目の前には…英雄学園の学園長で、ギルドマスターと古くからの知り合いであるマッサランド様が…?
「えーっと…?」
「突っ立ってないで、かけたまえ。」
「し、失礼します。」
おかしい…?
実におかしい……?
自分の目には…壺に見えるんだが?
「改めて紹介しよう、私が英雄学園の学園長であるマッサランドだ!」
…と壺が自己紹介をした。
冒険者ギルドのギルドマスターのギルバードも、見た目も性格も割と真面目なのに…古い知り合いはこんなにも異質?
「あ、申し遅れました。冒険者ギルドのギルドマスター・ギルバードより紹介されました、テルパ・ドーラと申します!」
見掛けはどうであれ、この御方…壺は、ギルドマスターと肩を並べられる程の存在なので失礼があってはならない。
自分は壺に向かって…いや、学園長に話し掛けた。
「えーっと…?自分はパーティーの依頼で足を負傷しており、杖無しでは歩けないのですが…」
「うむ、その様だね。部屋に入る時に見ていると、杖を突いて歩いていたからね。」
この壺のどこに目があるのだろうか?
いい加減…ツッコミを入れた方が良いのだろうか?
いや、仮にこの姿が本物…な訳が無く冷やかされているだけだろうが、ツッコむのは辞めよう。
「英雄学園の講師ともなると、生徒達の前で立ち回りを披露しないといけないとかは無いですか?」
「授業内容によってはあるかもしれないが、激しく動く必要は無いだろう。生徒達はまだまだひよっ子だからね。」
「はぁ…なら良いのですが。」
ヤバい、さっきからの会話がちっとも頭に入って来ない。
自分自身も相手に対して真剣に向かおうとしていても、ただの壺に話し掛けているという危ない奴という感じがしてならなかった。
「ただ最近は生徒達の中で困った事が起き始めていてね。」
「困った事…とは?」
「世の冒険者や講師を軽んじているという傾向が見られるのだ。我が学園の講師の中には、元冒険者だった者達やそうでない優秀な能力を持つ講師もいるのだが、元冒険者の様に実戦を経験している者に対しても…変な自信を付けている所為か軽んじる傾向があるし、ただの能力の高い講師に対しては実戦を知らないという事で甘く見る傾向があるのだ。」
「確かに実戦を知らないで机上の空論で話している者を見ると、腹が立ったりはしますね。ただ、この誇り高い英雄学園の講師なら、それ相応の冒険者に匹敵する能力ではないのですか?それに元冒険者の講師だって、止む負えない理由で引退した者達でしょうし。」
「理由はどうであれ、引退した冒険者は実力不足で辞めたと思っているみたいなんだよ。」
自分の冒険者を引退した理由も足の負傷による物でこの学園に紹介されたから、気持ちは分からない事は無い。
周りから見られたら、確かにそう思う者もいないとは限らないが…。
「分かりました学園長、生徒達が変な自信を付けた理由を探ってから、正して育てようと思います。」
「うむ、ギルバードが言う通りに真面目な講師になりそうだねテルパ君。」
血気盛んな若者達は、ある程度の能力を身に付けて大きく出てしまったんだろう。
まぁ、それを正しく導くのも大人の役割だしな。
「それでは、生徒達の元に向かおうと思います!」
「待ちたまえテルパ君、君には重要な事を聞きたいのだが…?」
自分は学園長に呼び止められた。
学園長の重要な事とは一体⁉
そして目の前には…英雄学園の学園長で、ギルドマスターと古くからの知り合いであるマッサランド様が…?
「えーっと…?」
「突っ立ってないで、かけたまえ。」
「し、失礼します。」
おかしい…?
実におかしい……?
自分の目には…壺に見えるんだが?
「改めて紹介しよう、私が英雄学園の学園長であるマッサランドだ!」
…と壺が自己紹介をした。
冒険者ギルドのギルドマスターのギルバードも、見た目も性格も割と真面目なのに…古い知り合いはこんなにも異質?
「あ、申し遅れました。冒険者ギルドのギルドマスター・ギルバードより紹介されました、テルパ・ドーラと申します!」
見掛けはどうであれ、この御方…壺は、ギルドマスターと肩を並べられる程の存在なので失礼があってはならない。
自分は壺に向かって…いや、学園長に話し掛けた。
「えーっと…?自分はパーティーの依頼で足を負傷しており、杖無しでは歩けないのですが…」
「うむ、その様だね。部屋に入る時に見ていると、杖を突いて歩いていたからね。」
この壺のどこに目があるのだろうか?
いい加減…ツッコミを入れた方が良いのだろうか?
いや、仮にこの姿が本物…な訳が無く冷やかされているだけだろうが、ツッコむのは辞めよう。
「英雄学園の講師ともなると、生徒達の前で立ち回りを披露しないといけないとかは無いですか?」
「授業内容によってはあるかもしれないが、激しく動く必要は無いだろう。生徒達はまだまだひよっ子だからね。」
「はぁ…なら良いのですが。」
ヤバい、さっきからの会話がちっとも頭に入って来ない。
自分自身も相手に対して真剣に向かおうとしていても、ただの壺に話し掛けているという危ない奴という感じがしてならなかった。
「ただ最近は生徒達の中で困った事が起き始めていてね。」
「困った事…とは?」
「世の冒険者や講師を軽んじているという傾向が見られるのだ。我が学園の講師の中には、元冒険者だった者達やそうでない優秀な能力を持つ講師もいるのだが、元冒険者の様に実戦を経験している者に対しても…変な自信を付けている所為か軽んじる傾向があるし、ただの能力の高い講師に対しては実戦を知らないという事で甘く見る傾向があるのだ。」
「確かに実戦を知らないで机上の空論で話している者を見ると、腹が立ったりはしますね。ただ、この誇り高い英雄学園の講師なら、それ相応の冒険者に匹敵する能力ではないのですか?それに元冒険者の講師だって、止む負えない理由で引退した者達でしょうし。」
「理由はどうであれ、引退した冒険者は実力不足で辞めたと思っているみたいなんだよ。」
自分の冒険者を引退した理由も足の負傷による物でこの学園に紹介されたから、気持ちは分からない事は無い。
周りから見られたら、確かにそう思う者もいないとは限らないが…。
「分かりました学園長、生徒達が変な自信を付けた理由を探ってから、正して育てようと思います。」
「うむ、ギルバードが言う通りに真面目な講師になりそうだねテルパ君。」
血気盛んな若者達は、ある程度の能力を身に付けて大きく出てしまったんだろう。
まぁ、それを正しく導くのも大人の役割だしな。
「それでは、生徒達の元に向かおうと思います!」
「待ちたまえテルパ君、君には重要な事を聞きたいのだが…?」
自分は学園長に呼び止められた。
学園長の重要な事とは一体⁉
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