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本編

第二十九話 絶対的な…

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 「そんな…パテット達が…‼︎」

 パテットと呼ばれた人とピケットさん、パケットともう1人の計四人のプリズムナイツ達は、グラシャラボレアスの前に膝を付いた。

 プリズムナイツって皆同じ背格好なので、知らなければ誰が誰だか少し見分けが付かない。

 他のプリズムナイツも同じなのかな?

 「冗談でしょ…魔王の前でさえここまでの強さは無かったはずなのに!」

 「どうしますかパテット隊長…コイツの強さは別格です‼︎」

 この世界の魔王…魔族は、他の種族より多少秀でた能力があるというだけで、別にそれ程までの遅れを取ることはなかった。

 だが、グラシャラボレアスは魔界神帝というこの世界の存在では無い。

 特質な力を持つと言われるプリズムナイツも、一国の騎士団を相手にするくらいなら…人や魔物相手ならここまで梃子摺る事はないが、魔界の神ともなると全く歯が立たない感じに見えた。

 「仕方ない…アレをする! バックアップ宜しく!」

 そう言うとパテットさんは身体から眩い光を放つと、私達と同じ位の大きさの女性に変化した。

 『ほほぉ…? それが本来の姿か…サキュバス程度に我を圧倒する力があるのか?』

 「どうだろうねぇ? 圧倒は無理でも足掻きくらいは出来ると思うよ!」

 パテットさんはそう言うと、影分身の術を発動して八人の姿に変化した。

 そして小太刀という刀を抜いた八人が一斉にグラシャラボレアスに斬り掛かって行った。

 『こざかしい! 虫に分際で…ぐぉぉぉぉぉ‼︎』

 パテットさんの攻撃は、グラシャラボレアスに反撃するチャンスを与えないくらいに攻め込んでいた。

 もしかしてこれなら…と思っていたけど、グラシャラボレアスの身体が光り出すと、身体から巨大な棘の様な物が無数に現れて…パテットさん達を貫いて行った。

 「こんな攻撃が来るとはね…」

 パテットさんだけは上手く躱したみたいだったけど、影分身は全て貫かれてその場で消えて行った。

 「パテット、平気?」

 「平気ではあるけど、悪いね…勝てる気がしない。」

 パテットはレオナリアさんにそう言った。

 ここまで実力のある人がそう言うと言う事は、恐らく本当のことなのでしょう。

 私は何とか対策をする為に、目を閉じて聖女魔法を調べ始めた。

 すると、1つの方法が見つかりました。

 その魔法とは、相手の邪が強ければ強い程に効果があり倒す事は出来るが…代わりにこの魔法を使えば、自身の命を失うとされる聖女魔法最大の禁忌とも呼ばれる魔法でした。

 私は周囲を見ると、騎士団は瀕死の重症で仲間達も攻撃手段が無くても必死に対抗策を考えていると言う感じでした。

 私はまだ死にたくはありません。

 ですが、このままグラシャラボレアスをこのまま放置したらどうなるか…?

 私は覚悟を決めて…
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