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本編

第二十話 懐かしの公爵家

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 マーテルリアは家族と共に実家である公爵家に戻って来ました。

 家族との話し合いの前に自室に戻って来ると…私が出て行った時のままでした。

 ただ、ドレスもあの頃のままで…もう着れることはないですね。

 私は談話室に戻ると、今後の事を家族達と話す事になりました。

 もう、私はファステス王子とは婚約破棄をしていますからね。

 「それで、リアはどうしたい?」

 「今すぐに答えを出さなければダメなのかしら?」

 「いや、そういう訳ではないが…」

 「父さんもリアに早急すぎだよ。 まずは折角帰って来たのだから…」

 「そうだな、しばらくゆっくり休んでからでも答えを出すでも良いだろう?」

 「テリス兄さん、ジャミル兄さん。」

 まぁ、普通に考えれば婚約が破談になったのだから、次の相手がいないと問題ではある。

 私は人生の半分を王子妃になる為に教育を施されて来たのだから、今すぐにどうしたいかと聞かれても正直言って困惑している。

 まぁ…結婚はもう良いかなぁとも思っていたりもする。

 「とりあえずどうしたいか…という話なら、少しゆっくりする時間が欲しいかな? 王宮に行ってから休みという休みはほとんどなかったし、領地の中の散策や街での買い物にも行ってみたいし…」

 「わかった、それなら護衛を手配しておこう。」

 「あ、それは必要無いかも…パケット!」

 私は立ち上がると、足元の影が伸びてからパケットが姿を現した。

 「な、なんだ⁉︎」

 「私の護衛のパケット。 彼女が居れば問題は無いわ。」

 「奇妙な格好をしているが…それにまだ年端もいかない様にも見えるが?」

 パケットは帽子を取って深々とお辞儀をすると、身分を明かした。

 「私の名前はパケット・テンガーロット、お方様の命によりマーテルリアの護衛を申し付けられております。」

 「しかし…この者だけで平気なのか?」

 「パケットはディスガルディア共和国のプリズムナイツの…何席だっけ?」

 「私は七席に所属しております。」

 「ぷ…プリズムナイツ‼︎」

 流石にお父様もプリズムナイツの存在は知っていた…けど、見るのは初めてだったみたい。

 「という訳で護衛は必要無いと思うんだけど?」

 「そ…そうだな、パケット殿…娘を宜しくお願い致します。」

 「ん…任された。」

 パケットはそう言うと、再び私の影の中に入って行った。

 パケットは本来であれば、ファステス王子との婚約が破棄を境に私の護衛から外れるはずだったのだけれど…ファステス王子がまた何か仕掛けて来るかもしれないと言う事で、護衛を継続すると買って出てくれたのでした。

 そして雑談を交えた話し合いは終了し、私は自室に戻って来た。

 「明日から色々と楽しむわよ‼︎」

 *テリス、ジャミルを追加しました。
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