【完結】もう…我慢しなくても良いですよね？

本編

第五話 従順に従わざるを得ない

　「やはり、思ったとおりだな。」

　武器の扱いを学ばされて私の適合したのは短剣と小剣だった。

　あの日教官は私の事を変えの効く都合の良い受け皿…と言われてから早数ヶ月。

　王子の婚約者と決められたあの日から私は9歳を迎えた。

　誕生日が過ぎても祝っては貰えず、公爵家にも帰れない始末。

　私はただ毎日地獄の様な訓練と称した拷問を受けるのでした。

　そんな私も1度だけ反発した事がありました。

　「変えが効く…というのでしたら、何も公爵家から婚約者を選ばなくても良いではありませんか⁉︎」

　「公爵家だからこそ良いのだ！　公爵家の者ならば、世間体の為に幼少からの教育が施されている。　公爵家以外の貴族だと娘というだけで甘やかされて育っていて、碌に躾も教育もされていない餓鬼が多いからな！　まぁ、その点で言えば…お前は及第点と言えるだろうな、まだまだ甘いがな！」

　「そうですか…なら、せめて1度家に帰らせては貰えませんか？」

　「帰ってもお前の居場所なんてないのにどうするんだ？　それに1つだけ言っておいてやるが…この城から脱げ出して帰ろうとする真似なんかするなよ！　お前が城から脱げ出した時点でフローレンス公爵家は王家に潰されるからな、まぁ…お前が行動の所為で両親や兄弟達に悲惨な結末を迎えたいというのであれば止めはしないがな‼︎」

　そんな事を言われたら言うことを聞くしかなかった。

　私はこの城から出る事も許されない。

　訓練は毎日行われて休む暇さえ与えて貰えない。

　もう…いい加減に楽になりたいと思いました。

　それからまた数ヶ月後まで地獄の様な訓練が続きましたが、ある時に私に転機が訪れました。

　その転機とは…？