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本編

第ニ話 フローレンスが婚約者に選ばれた訳

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 この国…ゼーヴェンス王国には、四大公爵家が存在します。

 エヴァンス公爵家、バーテクシス公爵家、セリントス公爵家、フローレンス公爵家です。

 その四大公爵家の中から国王の嫡子となる王子殿下との婚約者が選出される訳なのですが…?

 エヴァンス公爵家とセリントス公爵家には娘がいない為に除外され、バーテクシス公爵家とフローレンス公爵家の2つの公爵家の中から王子殿下の婚約者になる者が選出されるのでした。

 本来なら王子殿下との婚約はとても名誉な事なのだが、婚約が決まった途端に娘が王宮に連れ去られてから王子妃になる為の教育が始まるのでした。

 その王子妃教育はとても過酷な物で…一度王宮に連れて行かれると家族とは会う事も許されず、王子妃教育というまるで奴隷の様な生活を強いられる事になるので…バーテクシス公爵家もフローレンス公爵家も全くの乗り気ではなく、自分の娘が選ばれない事をただ祈るしか無かった。

 8歳の王子の誕生式に公爵家ではお披露目が行われた。

 フローレンス公爵家ではマーテルリアにあまり飾りっ気のない服装で参加した。

 所がバーテクシス公爵家では娘のフィリスが斜め上の方法で参加していた。

 絶対に王子には選ばれる事がない様に、体重を増やして参加したのでした。

 ポッチャリなら選ばれたかもしれないが、フィリスはポッチャリとは呼べないくらいに全身がむくみにむくんだデブでした。

 私の知っているフィリスは本来は小柄で可愛らしい子なのだけれど、今のフィリスには元の姿が思い出せないくらいに面影が無かった。

 男性は基本的に太っている女性は敬遠する。

 父様であるフローレンス公爵はフィリスを見てたった一言…

 「やられた、まさか…あんな方法で来るとは⁉︎」

 フローレンス公爵はバーテクシス公爵を見ると、バーテクシス公爵は僅かに笑みを浮かべていた。

 公爵家の娘達の前に王子が現れた際に、選ばれたのは当然マーテルリアだった。

 そしてマーテルリアはその場で王宮に連れて行かれて…その日から王子妃になる為の辛く過酷な王子妃教育が始まるのだった。
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