シンノシ

三日月

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13.集う赤竜

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 真一の次の目的。争うことなく、強いやつ全員仲間にすること。

 まず集めるのは赤竜のメンバー。仲間だからこそ、ここは簡単に集められる人から揃える。赤竜のメンバーで一番最初は青柳九三。戦ってるところは見たことないが、赤竜全員が認めるかなりの実力者。

 次に迎え入れるべきなのは赤竜のリーダーである戦川自由。リーダーがいれば仲間もまとめやすいからだ。

 幸いなことに戦川はかなり近い位置に移動させられていた。真一、青柳は戦川の下まで移動する。

『戦川さん、助けに来ました』
『おお早いな。ウチは真一がいるからどこよりも先に集められると思っているが』
『戦川ちん意外としんいっちゃんのことかってるんだね』

 真一は少し照れながら、戦川は親指で鼻をかき笑顔を見せた。

『あったりめぇよ!真一も仲間だからな。んで、次は誰を迎えに行くんだ?』





 その男が移動したのは日本の北。北海道で観光していた。五稜郭を背に自撮りをするほど堪能する。

「ここが新選組の鬼の副長土方歳三が最後に戦ったとこか!」

 目を輝かせ、少年心に赴く侍。

 赤竜の爪であり、牙でもある特攻隊長。

 犬童武蔵。彼の目的は過去の憧れである。

 武蔵の子供の頃は剣道少年だった。祖父に育てられ、テレビを見るのはもっぱら時代劇で、それの影響で刀というものに憧れた。しかし、幼心ながら悟った真実は「侍はいない」ということ。祖父は言った。

「刀を持つから侍ではない、武士道を心に持つ者こそが侍であり、皆侍となり得る可能性があるのじゃ」

 武蔵に稲妻が走った。拙者は侍であり、拙者の武士道は最強であること。

『武蔵!迎えに来たよ』

 そこにいたのは真一。

 武蔵は刀を握り、再び戦へと赴く侍になる。




 そして残りの二人の大野咲、阿部左右をも見つけ出し赤竜は再結成した。真一の野望はそれだけには留まらない。

『僕の目的には他の正義の奴ら、スカル、乱入してきた四天王も全員仲間にする。皆には協力してほしい』

 真一の言葉には裏表なく真摯に語りかける。

『その必要はない』

 声のする方を見ると、正義の全員、スカル、四天王が揃っていた。

『聞いたぜ、あのエムに全てだ。ムカつくぜ。全部操り人形にされてたってことか』
『騙されてたッス!』
『シン、いや真一、俺らもお前たちと一緒に戦わせてくれ。打倒エム!』

 全組織が集結した時、再び真一と相まみえるエムが現れた。

『真一くん。良くやったよ。これでようやく全ての出来事が話せる』
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