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2.超能力者
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真一は目覚めると、手足を縛られ椅子に座らされていた。
「気がついたか」
「何だあんた。くそっ、解けない」
「あんま慌てるな。話すことを終えたら開放する」
「話すことって」
目の前にいる男は真一の眉間に指を当てる。
「…まだ亜空間を認識してないのか。通りでサイコスキンをしてないわけだ」
亜空間、サイコスキン。聞き慣れない言葉が飛ぶ。
「エムを知ってるか」
真一は知ってるが答えるのを躊躇った。この男の名前も素性も知らないからだ。エムのことも超能力者としか知らないが。
「そうか名前と超能力者としかわからないか」
「なんで…」
「今のはテレパシー。相手の考えを読む能力。因みにだが、相手に自分の考えを流し込むのはブレインハックっていう。知り合いが得意な能力だ」
男は真一が何も知らないことがわかると、縛り付けた手足の縄をサイコキネシスで解く。
「悪かったな。覗きなんてしてるからエムの仲間だと思っちった」
「いいよ別に。覗いてたのは事実だし。それよりあんた誰」
「俺は剛力丈。ジョーっ呼ばれてる」
出された手に素直に反応し、力強い握手をする。
ジョーは黒い扉を開けるとそこに一人の女性がいた。ツインテールの茶髪、クリクリとした大きな目で少し幼く見える。
「彼女は南ナギ、同じ超能力者。他は皆出払ってる」
ナギは無言で手を振るも、首を傾げて眉間にしわを寄せる。ダン、と机をたたき椅子から立ち上がる。そのナギの肩にジョーは手を置きなだめる。
「真一悪い。ナギは病気で耳が聞こえないんだ。だから普段はテレパシーで話すんだが、お前はまだグローブも取れないほど初心者だって伝えた」
「僕が怒らせたのかと思った」
はは、とジョーが微笑。
「まって、グローブ?皆も元々グローブしていたのかい?」
「そうだ。サイキッグローブで超能力を鍛えて、今は得意なものはグローブなしで使える。多分わかると思うけど、俺らもエムからもらったグローブだ」
「じゃあ僕もそのうちグローブなしでテレパシーとか、透明化が出来るの?」
「もちろん。そんで真一に提案がある。俺らのグループに入らないか。俺らの目的は超能力開発と、エムの捕縛」
「どうしてエムを探すの?」
「あいつは無闇矢鱈に超能力者を増やし、世界が混乱しているさまを笑ってみている下衆だ。エムを捕まえてあいつが何なのか、何がしたいのか突き止めて、世界を平和にする」
強い正義感のジョー。熱い眼差しに、たじろぐ真一。だが超能力を扱える彼らにつくことは、真一にとって吉報だ。
「……。のぞきもバレてるし入るよ」
「よっしゃ。じゃあ超能力について詳しく教えてやる」
「気がついたか」
「何だあんた。くそっ、解けない」
「あんま慌てるな。話すことを終えたら開放する」
「話すことって」
目の前にいる男は真一の眉間に指を当てる。
「…まだ亜空間を認識してないのか。通りでサイコスキンをしてないわけだ」
亜空間、サイコスキン。聞き慣れない言葉が飛ぶ。
「エムを知ってるか」
真一は知ってるが答えるのを躊躇った。この男の名前も素性も知らないからだ。エムのことも超能力者としか知らないが。
「そうか名前と超能力者としかわからないか」
「なんで…」
「今のはテレパシー。相手の考えを読む能力。因みにだが、相手に自分の考えを流し込むのはブレインハックっていう。知り合いが得意な能力だ」
男は真一が何も知らないことがわかると、縛り付けた手足の縄をサイコキネシスで解く。
「悪かったな。覗きなんてしてるからエムの仲間だと思っちった」
「いいよ別に。覗いてたのは事実だし。それよりあんた誰」
「俺は剛力丈。ジョーっ呼ばれてる」
出された手に素直に反応し、力強い握手をする。
ジョーは黒い扉を開けるとそこに一人の女性がいた。ツインテールの茶髪、クリクリとした大きな目で少し幼く見える。
「彼女は南ナギ、同じ超能力者。他は皆出払ってる」
ナギは無言で手を振るも、首を傾げて眉間にしわを寄せる。ダン、と机をたたき椅子から立ち上がる。そのナギの肩にジョーは手を置きなだめる。
「真一悪い。ナギは病気で耳が聞こえないんだ。だから普段はテレパシーで話すんだが、お前はまだグローブも取れないほど初心者だって伝えた」
「僕が怒らせたのかと思った」
はは、とジョーが微笑。
「まって、グローブ?皆も元々グローブしていたのかい?」
「そうだ。サイキッグローブで超能力を鍛えて、今は得意なものはグローブなしで使える。多分わかると思うけど、俺らもエムからもらったグローブだ」
「じゃあ僕もそのうちグローブなしでテレパシーとか、透明化が出来るの?」
「もちろん。そんで真一に提案がある。俺らのグループに入らないか。俺らの目的は超能力開発と、エムの捕縛」
「どうしてエムを探すの?」
「あいつは無闇矢鱈に超能力者を増やし、世界が混乱しているさまを笑ってみている下衆だ。エムを捕まえてあいつが何なのか、何がしたいのか突き止めて、世界を平和にする」
強い正義感のジョー。熱い眼差しに、たじろぐ真一。だが超能力を扱える彼らにつくことは、真一にとって吉報だ。
「……。のぞきもバレてるし入るよ」
「よっしゃ。じゃあ超能力について詳しく教えてやる」
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