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ハミルの突然の暴露の後、止める隙も無く、まるで嵐のようにハミルは自身の屋敷へと去っていった。
醜い……??それはどんな基準で??
正直言って、ハミルのあの性格からしたら、そこら辺にいる男全員、醜いということになるんじゃないの?
でも、ハミルの言うことだし、あまり気にしない方がいいのかも。まあ、なんとかなるか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「フィー!先週ぶりだね!今日はライを連れてきたよ!」
ハミルは学園に帰ってすぐに、ライオス様に、私からのお誘いの話をしたらしく、最初は戸惑っていたが、ぜひ行きたいと言ったそう。
「こんにちは。ライオス・メルクーリ様。私は、ハッシュベルト侯爵家のフィオーレ・ハッシュベルトと申します。気軽にフィオーレとお呼びください!」
目の前には、ニッコニコのハミルと、その隣に奇妙なお面を被った男性が立っていた。この方が、ライオス様なのだろう。
身長は175cmあるハミルを越して、180cmはありそうだった。まるで、サファイヤのように深い紫の色をした髪は肩まで伸びていて、後ろでゆるく縛っている。
……なんだろうこのデジャブ感。以前にもこんなことがあったような。
「……挨拶が遅れました。僕は大司教を務めるメルクーリ家の次男である、ライオス・メルクーリです。この度はご招待していただき誠にありがとうございます。」
かろうじて最後まで聞くことはできたが、ライオス様の声はとても小さく、今にも消え入りそうだった。
「では、サロンの方にご案内しますね!」
サロンに案内後、私の向かい側にハミルとライオス様が向かい合わせるという形で、軽くティータイムを過ごすことにした。
だが、一向にライオス様は仮面を外すことをなく、ただただハミルと私の雑談に耳を傾けているだけ。
「ライオス様!ここでは窮屈でしょうから、仮面をお外しください。」
「……おい、ハミル、お前言ったんじゃないのか。」
「ああ、言ったさ!この僕が嘘をつくわけないだろう」
「はぁー……」
私が仮面を外すことを提案すると、ライオス様は少しきつめの口調で、そう訴えたが、何か諦めたようにため息をついた。
ちょっと待って。これもしかしてのもしかしてな感じ??
「フィオーレ様。申し訳ございません。ハミルからしっかり伝わってなかったようです。僕はひどく醜い容姿のため、令嬢の前ではこの仮面を外すことはできません。」
「……いいえ。ハミルからお話は伺っております!ですので。気にせず仮面をお外しください。」
「……では、外しますが、気持ちが悪くなった場合はすぐに言ってください。」
そう言ってライオス様は仮面を外した。
そして、あらわになった彼の素顔はそれはそれは驚きのものだった。
イケメンすぎる!!!!!!!!!
なになに??めちゃくちゃ美形なんだけど。
目は髪と同じ深いサファイヤの色をしており、目は細長く、くっきりとしていて、また、鼻筋はとても高く通っており、みるからに眉目秀麗という感じだ。それに加え、目の下のうっすらとした隈が妙な色気を出しているような気がする。
「どうですか?やはり仮面はつけておいた方がいいでしょう?」
「いいえ!そのままで大丈夫です!」
「は?」
「とてもお綺麗なのに隠すなんて勿体無いです!」
「は???いやいや、え、おかしいでしょ。ハミルどうなってんだよ!」
「ん?だから言っただろう?フィーはそこらへんの女性とは少し違うってね」
「いや、違うって、容姿とかそういうことかと」
「ライオス様!私の屋敷の中では、容姿の事などはお気になさらないでください」
「ちょっと待ってください。僕の顔気持ち悪くないんですか?」
「ちっとも!とても綺麗だと思います!」
「……じゃあ、ハミルはどうですか?」
「んー申し訳ないですが、好みではないです!」
「フィー!それは少し傷つくじゃないか!まあ、君だから許すが」
「あり得ないこんなのあり得ない。」
一通りそんなやりとりをすると、ライオス様は下にうつむき何かをボソボソと呟いていた。
確かに、この国の人たちからはライオス様のような方々は醜いとされてきて、私の態度に戸惑ってるのだろう。
でも、私からしたら事実だから仕方がない。
「ライオス様?突然のことで驚いたかもしれませんが、これだけは信じてください。私はライオス様のことを醜いなどとは思いません。とても綺麗な方だと思われます!」
「……初めてだこんなこと。そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございますフィオーレ嬢。」
「いいえ!私の屋敷にいる間はなんの心配もしなくていいですからね!では、お話が長引いてもなんですし、早速書庫の方をご案内いたしますね。」
ライオス様の混乱もおさまったようで、ハミルとライオス様を連れて、書庫に向かうことにした。
醜い……??それはどんな基準で??
正直言って、ハミルのあの性格からしたら、そこら辺にいる男全員、醜いということになるんじゃないの?
でも、ハミルの言うことだし、あまり気にしない方がいいのかも。まあ、なんとかなるか。
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「フィー!先週ぶりだね!今日はライを連れてきたよ!」
ハミルは学園に帰ってすぐに、ライオス様に、私からのお誘いの話をしたらしく、最初は戸惑っていたが、ぜひ行きたいと言ったそう。
「こんにちは。ライオス・メルクーリ様。私は、ハッシュベルト侯爵家のフィオーレ・ハッシュベルトと申します。気軽にフィオーレとお呼びください!」
目の前には、ニッコニコのハミルと、その隣に奇妙なお面を被った男性が立っていた。この方が、ライオス様なのだろう。
身長は175cmあるハミルを越して、180cmはありそうだった。まるで、サファイヤのように深い紫の色をした髪は肩まで伸びていて、後ろでゆるく縛っている。
……なんだろうこのデジャブ感。以前にもこんなことがあったような。
「……挨拶が遅れました。僕は大司教を務めるメルクーリ家の次男である、ライオス・メルクーリです。この度はご招待していただき誠にありがとうございます。」
かろうじて最後まで聞くことはできたが、ライオス様の声はとても小さく、今にも消え入りそうだった。
「では、サロンの方にご案内しますね!」
サロンに案内後、私の向かい側にハミルとライオス様が向かい合わせるという形で、軽くティータイムを過ごすことにした。
だが、一向にライオス様は仮面を外すことをなく、ただただハミルと私の雑談に耳を傾けているだけ。
「ライオス様!ここでは窮屈でしょうから、仮面をお外しください。」
「……おい、ハミル、お前言ったんじゃないのか。」
「ああ、言ったさ!この僕が嘘をつくわけないだろう」
「はぁー……」
私が仮面を外すことを提案すると、ライオス様は少しきつめの口調で、そう訴えたが、何か諦めたようにため息をついた。
ちょっと待って。これもしかしてのもしかしてな感じ??
「フィオーレ様。申し訳ございません。ハミルからしっかり伝わってなかったようです。僕はひどく醜い容姿のため、令嬢の前ではこの仮面を外すことはできません。」
「……いいえ。ハミルからお話は伺っております!ですので。気にせず仮面をお外しください。」
「……では、外しますが、気持ちが悪くなった場合はすぐに言ってください。」
そう言ってライオス様は仮面を外した。
そして、あらわになった彼の素顔はそれはそれは驚きのものだった。
イケメンすぎる!!!!!!!!!
なになに??めちゃくちゃ美形なんだけど。
目は髪と同じ深いサファイヤの色をしており、目は細長く、くっきりとしていて、また、鼻筋はとても高く通っており、みるからに眉目秀麗という感じだ。それに加え、目の下のうっすらとした隈が妙な色気を出しているような気がする。
「どうですか?やはり仮面はつけておいた方がいいでしょう?」
「いいえ!そのままで大丈夫です!」
「は?」
「とてもお綺麗なのに隠すなんて勿体無いです!」
「は???いやいや、え、おかしいでしょ。ハミルどうなってんだよ!」
「ん?だから言っただろう?フィーはそこらへんの女性とは少し違うってね」
「いや、違うって、容姿とかそういうことかと」
「ライオス様!私の屋敷の中では、容姿の事などはお気になさらないでください」
「ちょっと待ってください。僕の顔気持ち悪くないんですか?」
「ちっとも!とても綺麗だと思います!」
「……じゃあ、ハミルはどうですか?」
「んー申し訳ないですが、好みではないです!」
「フィー!それは少し傷つくじゃないか!まあ、君だから許すが」
「あり得ないこんなのあり得ない。」
一通りそんなやりとりをすると、ライオス様は下にうつむき何かをボソボソと呟いていた。
確かに、この国の人たちからはライオス様のような方々は醜いとされてきて、私の態度に戸惑ってるのだろう。
でも、私からしたら事実だから仕方がない。
「ライオス様?突然のことで驚いたかもしれませんが、これだけは信じてください。私はライオス様のことを醜いなどとは思いません。とても綺麗な方だと思われます!」
「……初めてだこんなこと。そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございますフィオーレ嬢。」
「いいえ!私の屋敷にいる間はなんの心配もしなくていいですからね!では、お話が長引いてもなんですし、早速書庫の方をご案内いたしますね。」
ライオス様の混乱もおさまったようで、ハミルとライオス様を連れて、書庫に向かうことにした。
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