5 / 16
4
しおりを挟む
「お嬢様。リオン・ガボット様が門の方へお着きになったそうです。」
「!!分かったわ、エントランスでお迎えしましょう。」
「……落ち着いてくださいお嬢様。」
「ええ、でも緊張しちゃって!私どこか変なところない??」
「ございません。お嬢様はどんな時でも完璧なお姿でございます。」
「そ、そう?」
そんなことを話していたら、エントランスのドアが開く音がした。
開かれたドアの前には背が190センチはありそうな男性が立っていた。
騎士団の正装を着ていて、顔はフードがあるせいでよく見えない。
彼がリオン・ガボット様であるというのはすぐに分かった。
「お初にお目にかかります。私はフィオーレ・ハッシュベルトと申します。この度は急なお願いを叶えてくださりありがとうございます。」
「…………私の名前はリオン・ガボットです。こちらこそ、ハッシュベルト侯爵家に招かれたこと嬉しく思います。」
リオン・ガボット様の声を聞いた瞬間私は腰が砕けるかと思った。
イケボすぎる……!低めの声でありながら甘い声をしている。喋り方も威圧感などなくとても優しい印象を受けた。
「では客間までご案内いたしますね。」
「………お願いいたします。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
客間へ案内し、私の向かい側のソファーへとリオン・ガボット様が座られた。
さて、まずはどのように婚約者になってほしいと切り出すか……
あ、その前に!
「リオン・ガボット様。」
「ガボットはいりません。」
「ではリオン様、今回はお会いしたいなどと急に言ってしまい申し訳ありませんでした。」
「いいえ。まさか帝国一美しいと言われるフィオーレ嬢に、このような形でお会いできるとは思ってもいませんでした。」
「まあ、帝国一美しいなんて!リオン様はお世辞がお上手ですね。ふふっ」
「え、いや、本当のことなんですが……」
「お世辞でも嬉しいです!あ、そうだわ。リオン様は何か苦手なものとかありますか?」
「いえ?特には。」
「では、私のお気に入りのお菓子屋さんがあって、そこのケーキがとても美味しのですけれど、お食べになりませんか?」
「ぜひいただきたいです。」
あら、甘いものが好きなのかな。食い気味なお返事に笑ってしまいそうになる。
騎士団長様が甘い物好きなんてギャップ萌えしちゃう!
「メアリー。ケーキも準備お願い。」
「かしこまりました。すぐお持ちいたします。」
ガチャ
………それにしてもここにきてから一度もフードをお取りにならない。ギリギリ口元が見えるくらい。
「リオン様はフードをお取りにならないのですか?」
「………フィオーレ嬢を怖がらせてしまうと思うのでこのままで。」
「そのままではケーキは食べにくいと思いますし、お取りになった方がいいかと。あと、私は絶対に怖がったりしません。お約束します。」
「……では」
そういうと渋々リオン様はフードを脱いだ。そして顔が見えた瞬間私は驚愕した。
燃えるような赤髪に、瞳はどこまでも吸い込まれそうな程に黒かった。
鼻筋がスッと通っていて、目は切長で、ありえないくらいのイケメンだった……。
え、この方が醜いなんて言われるの?は?ありえない。
「……やはり怖いですよね。こんな顔。」
「……え!いいえ!思わず見惚れてしまって。」
「え……そんな冗談はおやめください。」
「本当です!私はリオン様のお顔とてもお綺麗だと思います。」
「………ありえない。こんな醜い顔……。」
私のいう言葉が信じられないようだ。ありえないという言葉をずーと呟いている。
それにしても、もしこのような方と婚約できるかもなんて、私ってば役得すぎない?
それに短い会話の中でもリオン様の優しい人柄なのがわかる。
「私の言うことが信じられないのは仕方がないかもしれません。ですが、これだけは言わせてください!
自分の顔を醜いなどと言わないでください!」
「ですが、事実ですし、実際にこの顔で何度令嬢方を怖がらせてしまったか……」
「いいえ!周りがなんと言おうと関係ありません。自分を卑下するようなことは言わないでください。私は、リオン様のスッと通った鼻筋や、切長な目や、筋肉で覆われた体は逞しくてかっこいいと思います。あと、喋り方などで私を怖がらせないようにしようという気持ちが伝わってきて、すごく優しくて素敵な方だと思いました。それn「待ってください!」」
いけないいけない。つい熱弁してしまった……。
ってあれ?リオン様の顔とても赤くなってない?
「!!分かったわ、エントランスでお迎えしましょう。」
「……落ち着いてくださいお嬢様。」
「ええ、でも緊張しちゃって!私どこか変なところない??」
「ございません。お嬢様はどんな時でも完璧なお姿でございます。」
「そ、そう?」
そんなことを話していたら、エントランスのドアが開く音がした。
開かれたドアの前には背が190センチはありそうな男性が立っていた。
騎士団の正装を着ていて、顔はフードがあるせいでよく見えない。
彼がリオン・ガボット様であるというのはすぐに分かった。
「お初にお目にかかります。私はフィオーレ・ハッシュベルトと申します。この度は急なお願いを叶えてくださりありがとうございます。」
「…………私の名前はリオン・ガボットです。こちらこそ、ハッシュベルト侯爵家に招かれたこと嬉しく思います。」
リオン・ガボット様の声を聞いた瞬間私は腰が砕けるかと思った。
イケボすぎる……!低めの声でありながら甘い声をしている。喋り方も威圧感などなくとても優しい印象を受けた。
「では客間までご案内いたしますね。」
「………お願いいたします。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
客間へ案内し、私の向かい側のソファーへとリオン・ガボット様が座られた。
さて、まずはどのように婚約者になってほしいと切り出すか……
あ、その前に!
「リオン・ガボット様。」
「ガボットはいりません。」
「ではリオン様、今回はお会いしたいなどと急に言ってしまい申し訳ありませんでした。」
「いいえ。まさか帝国一美しいと言われるフィオーレ嬢に、このような形でお会いできるとは思ってもいませんでした。」
「まあ、帝国一美しいなんて!リオン様はお世辞がお上手ですね。ふふっ」
「え、いや、本当のことなんですが……」
「お世辞でも嬉しいです!あ、そうだわ。リオン様は何か苦手なものとかありますか?」
「いえ?特には。」
「では、私のお気に入りのお菓子屋さんがあって、そこのケーキがとても美味しのですけれど、お食べになりませんか?」
「ぜひいただきたいです。」
あら、甘いものが好きなのかな。食い気味なお返事に笑ってしまいそうになる。
騎士団長様が甘い物好きなんてギャップ萌えしちゃう!
「メアリー。ケーキも準備お願い。」
「かしこまりました。すぐお持ちいたします。」
ガチャ
………それにしてもここにきてから一度もフードをお取りにならない。ギリギリ口元が見えるくらい。
「リオン様はフードをお取りにならないのですか?」
「………フィオーレ嬢を怖がらせてしまうと思うのでこのままで。」
「そのままではケーキは食べにくいと思いますし、お取りになった方がいいかと。あと、私は絶対に怖がったりしません。お約束します。」
「……では」
そういうと渋々リオン様はフードを脱いだ。そして顔が見えた瞬間私は驚愕した。
燃えるような赤髪に、瞳はどこまでも吸い込まれそうな程に黒かった。
鼻筋がスッと通っていて、目は切長で、ありえないくらいのイケメンだった……。
え、この方が醜いなんて言われるの?は?ありえない。
「……やはり怖いですよね。こんな顔。」
「……え!いいえ!思わず見惚れてしまって。」
「え……そんな冗談はおやめください。」
「本当です!私はリオン様のお顔とてもお綺麗だと思います。」
「………ありえない。こんな醜い顔……。」
私のいう言葉が信じられないようだ。ありえないという言葉をずーと呟いている。
それにしても、もしこのような方と婚約できるかもなんて、私ってば役得すぎない?
それに短い会話の中でもリオン様の優しい人柄なのがわかる。
「私の言うことが信じられないのは仕方がないかもしれません。ですが、これだけは言わせてください!
自分の顔を醜いなどと言わないでください!」
「ですが、事実ですし、実際にこの顔で何度令嬢方を怖がらせてしまったか……」
「いいえ!周りがなんと言おうと関係ありません。自分を卑下するようなことは言わないでください。私は、リオン様のスッと通った鼻筋や、切長な目や、筋肉で覆われた体は逞しくてかっこいいと思います。あと、喋り方などで私を怖がらせないようにしようという気持ちが伝わってきて、すごく優しくて素敵な方だと思いました。それn「待ってください!」」
いけないいけない。つい熱弁してしまった……。
ってあれ?リオン様の顔とても赤くなってない?
10
お気に入りに追加
874
あなたにおすすめの小説
異世界転生〜色いろあって世界最強!?〜
野の木
恋愛
気付いたら、見知らぬ場所に。
生まれ変わった?ここって異世界!?
しかも家族全員美男美女…なのになんで私だけ黒髪黒眼平凡顔の前世の姿のままなの!?
えっ、絶世の美女?黒は美人の証?
いやいや、この世界の人って目悪いの?
前世の記憶を持ったまま異世界転生した主人公。
しかもそこは、色により全てが決まる世界だった!?
婚約者は醜女だと噂で聞いたことのある令嬢でしたが、俺にとっては絶世の美女でした
朝比奈
恋愛
美醜逆転ものの短編です。
男主人公にチャレンジしてみたくで以前書いたものですが、楽しんでいただければ幸いです。
もしかしてこの世界美醜逆転?………はっ、勝った!妹よ、そのブサメン第2王子は喜んで差し上げますわ!
結ノ葉
ファンタジー
目が冷めたらめ~っちゃくちゃ美少女!って言うわけではないけど色々ケアしまくってそこそこの美少女になった昨日と同じ顔の私が!(それどころか若返ってる分ほっぺ何て、ぷにっぷにだよぷにっぷに…)
でもちょっと小さい?ってことは…私の唯一自慢のわがままぼでぃーがない!
何てこと‼まぁ…成長を願いましょう…きっときっと大丈夫よ…………
……で何コレ……もしや転生?よっしゃこれテンプレで何回も見た、人生勝ち組!って思ってたら…何で周りの人たち布被ってんの!?宗教?宗教なの?え…親もお兄ちゃまも?この家で布被ってないのが私と妹だけ?
え?イケメンは?新聞見ても外に出てもブサメンばっか……イヤ無理無理無理外出たく無い…
え?何で俺イケメンだろみたいな顔して外歩いてんの?絶対にケア何もしてない…まじで無理清潔感皆無じゃん…清潔感…com…back…
ってん?あれは………うちのバカ(妹)と第2王子?
無理…清潔感皆無×清潔感皆無…うぇ…せめて布してよ、布!
って、こっち来ないでよ!マジで来ないで!恥ずかしいとかじゃないから!やだ!匂い移るじゃない!
イヤー!!!!!助けてお兄ー様!
花野井一家の幸せ。
碧
恋愛
モラハラ夫であり父親である男からの理不尽に耐えている花野井三姉妹と母親。
三つ子の三姉妹は高校生になってバイトが始められると希望を持ったのもつかの間…母親共々異世界に転移してしまう。
すんなり受け入れた三姉妹とパニックの母親。
適応力の高い三姉妹のおかげで早々に働き口を見つけて生活を始める。
そこですぐに感じた違和感…どうもこの世界、美醜感覚が自分たちとはずれているらしい。
そこで出会ったこの世界では醜いらしいイケメンたち。
そんなイケメンたちはようやく見つけた存在を逃がさないと溺愛し始める。
これは元の場所では見つけられなかった幸せを見つける花野井一家のお話。
執着系逆ハー乙女ゲームに転生したみたいだけど強ヒロインなら問題ない、よね?
陽海
恋愛
乙女ゲームのヒロインに転生したと気が付いたローズ・アメリア。
この乙女ゲームは攻略対象たちの執着がすごい逆ハーレムものの乙女ゲームだったはず。だけど肝心の執着の度合いが分からない。
執着逆ハーから身を守るために剣術や魔法を学ぶことにしたローズだったが、乙女ゲーム開始前からどんどん攻略対象たちに会ってしまう。最初こそ普通だけど少しずつ執着の兆しが見え始め......
剣術や魔法も最強、筋トレもする、そんな強ヒロインなら逆ハーにはならないと思っているローズは自分の行動がシナリオを変えてますます執着の度合いを釣り上げていることに気がつかない。
本編完結。マルチエンディング、おまけ話更新中です。
小説家になろう様でも掲載中です。
女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。
転生したら美醜逆転世界だったので、人生イージーモードです
狼蝶
恋愛
転生したらそこは、美醜が逆転していて顔が良ければ待遇最高の世界だった!?侯爵令嬢と婚約し人生イージーモードじゃんと思っていたら、人生はそれほど甘くはない・・・・?
学校に入ったら、ここはまさかの美醜逆転世界の乙女ゲームの中だということがわかり、さらに自分の婚約者はなんとそのゲームの悪役令嬢で!!!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる