セルリアン

吉谷新次

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チャプター02-01

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 失いかけている命は、ここにもあった。

 とある惑星の病院。銀河連邦に所属していなくても、優れた医療技術を備えた大型病院は存在していた。その病院の集中治療室では、一人の男子が、生命維持装置に入れられていた。

 かなり深刻な状態であるのは、専用通路にある窓から覗ける無菌室に入れられていることが証明していた。生命維持装置が厳重すぎるために、患者の身体のほとんどを機械で包み、全身から無数の管が伸びていた。ここでは、一人の男子の死を防ごうとしていた。

「私、あの子の姿を一度も見たことがないの」と一人の看護師。「生命維持装置に入りっぱなし」

「一般看護師には見せない決まりがあるみたいよ」ともう一人の看護師。「先天性の重病はともかく、近くであった生物兵器テロの影響でウィルスに感染。衰弱しきってて、長くはないんだって」

「ウィルスは治療可能でしょ?」心配する看護師は、男子の回復を祈っていた。

「いいえ。この子みたいに、基礎疾患や先天性の重病を持っている子どもで重症化した場合、特殊な薬しか効果がないみたい」と質問を返す。「それがね、魔界にしか生えない草花なんだってさ。魔界と人界が争ってる今の時代、入手は無理みたい」

 看護師は、血圧と心拍数がわずかながらに下がっていくその心電図を見ているしかなかった。


※※※


 ブーチが操縦する船は、砂漠から離れた。長距離移動機能がある分、すぐに大気圏を抜けて、宇宙へと飛び立つことができた。

 宇宙まで飛び立てば、自動操縦機能に任せて、会話ができるようになった。

 リップルは、情報屋と通信を繋げており、情報を購入していた。

「カッツィは比較的最近の団体で、ジャン、という男が頭首だ。世間的には空賊呼ばわりされているが、ジャンはそれを嫌ってる」とスピーカーから聞こえる中年男性の声。「ジャンは、頭の良さと強い魔力が認められて、魔界の大臣を経歴に持つめちゃくちゃ危険な男だ。後に、銀河連邦の科学技術に関心を持って、独立を試みたのが今だ。高い魔力を持ってるから、魔界から外れたとしても、魔界の女王と頭魔と魔女の上位三階級は、ジャンの活動に関心を持ってる」

「頭魔、というのも魔女の階級だったっけ?」リップルは聞いた。

「簡単に言えば、女王の側近で、六人魔女の上司を表す担当者だ。そりゃ、魔女と同じぐらいの魔力を持ってる変な男が、魔界から独立すれば、警戒対象だろうよ。……そんで、そのジャンという男は、噂では、峡谷と塩だらけの惑星マシスに滞在してるって話だ。ただ、ここは噂だ。二級情報屋の俺ぐらいじゃ、魔界の奥深くに首は突っ込んでねえ。発電施設都市をわずか数年でつくりあげた、強奪野郎、としか知らない」

「ジャンの部下は、どのぐらいの数いるんだ?」と追加の質問をしてみた。

「独立したての団体にしては多めだけど、部下の入れ替えは激しいと聞く。ジャンは、自分の魔力を他人に分けられる術も持ってる。そこらの犯罪者を魔術師にすることも可能だ。純血の魔術師を勧誘することもあるだろうけど、捨て駒用の素人魔術師もいるだろうな」

「わかった、ありがとう」リップルは、十分な情報を得た。「そっちに先払いしてた金を全部取ってて良いよ。それで、料金は足りるだろ?」

「お前、なにかするつもりか?」情報屋は笑っていた。「そんな奴の情報を得てなにをするかわからねえけど、魔界は、連邦に相手をしてもらって、お前らは関わるなよ。ちゃんと、おつりを返してやるから、さっさと賞金稼ぎをしろよ」

 そこで、情報屋との通信が終わった。

 やがて、リップルは、船内の狭い食堂で、雷刀と小包をテーブルに置き、椅子に座って考えごとをしていた。カッツィ団が、ランスをすぐに殺す理由がない、と。発電石の回収活動をしておきながら、魔力の高い者を拉致することから、新たな発電技術を開発しているか、最近にある噂の人造人間開発計画を進行させるために活かすか、のどれかだと予想された。

 銃や雷刀ではなかなか倒せない人造人間が製造可能であれば、そんな人造人間を魔界の補助要員として招き入れ、魔術師の無責任な宇宙開拓がさらに可能となるのだ。銀河連邦では、その開拓活動に制限をかける憲章を設けており、魔界一次惑星の魔女達と交渉をしている段階が、今の時代である。その分、魔界から離脱しているカッツィ団からしてみれば、人造人間を製造したところで、憲章違反の概念すらないのだ。

 カッツィ団は、なにかの企画や活動に対し、ランスを利用すると予想された。彼女がその活動補助を拒めば、殺されてしまう可能性だってあった。悪党魔術師に、情はないからだ。

 すると、背後からブーチが近寄ってきた。そんな彼女は拳を握って、こちらの頭を叩いた。

「おい!」リップルは頭を抑えた。「そこは、お帰りリップル、って撫でるだろ」

「あんた、また約束を破ったね」ブーチは怒っていた。「約束の座標に行ってみれば、魔界の輸送艦や戦闘艦がうじゃうじゃいて、警戒信号を突きつけられちゃったじゃない! 危うく、撃たれるところだったのよ」

「約束したのは、サリーだよ。俺じゃねーし」リップルは自分の頭を撫でた。「俺は、約束を守る男だぞ。ブーチもわかってるだろ」

「そんなリップルの情報なんて知りません。それで、ここ数日はなにをしてたの?」ブーチは、向かい側の席に座った。「……サリーも、野良の賞金稼ぎ二人も、いないじゃない?」

「俺以外殺された」リップルは答えた。「待ち合わせ場所に行く途中に、空賊のカッツィ団に襲われたんだよ。……ついに、人権を返納した人間に厳しい鉄槌が落ちたな」

「……本当に?」ブーチは、ここは真面目な顔になった。「……サリーも?」

「そうだよ。空賊の暗殺対象は、俺達みたいな連邦の人権を持たない者」リップルは外套を脱いだ。「皆、魔法を食らって、外に放り出されちゃったか、ゴミと一緒に潰されたか。申し訳ないけど、賞金稼ぎは、仲間の死体の回収はしない」

「サリーは、逃げ足がはやい子よ。あんたを置いて逃げることだってできるんだから」とブーチ。彼女は、こちらよりもサリーのことを知っている。「死体がない限り、死んだと決めつけるのは先走りすぎじゃない?」

「死体の回収はできなかったけど、これは回収した」リップルは、外套の収納に入れていた拳銃を、テーブルに置いた。「この拳銃だけは見つけた。俺よりも大事な拳銃を置いて逃げるわけがない。……わかるだろ」

 ブーチは、拳銃を手に取ると、気持ちを静めてしまった。けれど、今は落ち込む時じゃない、と気持ちを強引に切り替えている様子でもある。賞金稼ぎに仲間がいれば、日々の仕事に対して、いつ死んでもおかしくないから気持ちの切り替えをできるようにしておけ、と言葉を掛け合うことがある。それが今の時機だった。

 そこで、さらにブーチの質問は続き、なぜリップルは生きていたのか、という話題になった。

 リップルは、船の修理中に押し潰されて意識を失い、粗大ゴミとして捨てられたことを踏まえて、惑星シストンで過ごしたところまでの経緯を説明した。

「不思議なのは、スティーアン人の戦闘艦から捨てられたこと」とリップル。「空賊とスティーアンが組むなんて考えにくい。ジャンという頭首が、よほど優れた人間なのかもな」

「確かに、魔界一次惑星は面子が高いから、空賊と契約することなんて珍しい」とブーチも言う。「指金がいるの?」

「カッツィ団の協力者に、六人魔女のうちの一人がいたんだよ」リップルは答えた。「魔女の魔法も食らった」

「おっと」ブーチは、片方の眉を上げた。「危険な臭いがするね」

 カッツィ団の情報は、情報屋だけでなく、銀河連邦政府からも公開されているため、これから大きくなるかもしれない団体の可能性もあった。連邦政府も警戒対象として呼びかけているなか、カッツィ団にとって連邦の保障を受けていない賞金稼ぎは、襲撃対象として都合が良いのだ。殺されても仕方がない、で終わるのが自分達の摂理だった。そんな賞金稼ぎが希少資源を持ち歩いていれば、強奪されて当然である。

 こちらの説明に、ブーチはしばらく黙っていた。ブーチにとってサリーは大切な人物で、昔からの友人だったのだ。サリーのおかげで、リップルは、ブーチとも知り合えた。

「サリーと俺の賞金稼ぎ二人組は解散。気持ちを切り替えないと」とリップル。

「……本当に切り替えられるの」とブーチ。「あんたって、意外と根に持つタイプじゃなかった?」

「心で切り替えられなくても、口で言って自己暗示だ。……サリーも言ってた。私達みたいな人権のない人間が死んだら死体は放置しろ、とね。仲間が死んでも、死体を埋葬することはしない、と。……もちろん、仲間を殺されたことは、悔しいし、許せない」リップルは雷刀を握りしめ怒りを鎮めた。「とりあえず、やるべきことはやらないと」

「それで、これからどうするの?」ブーチは聞いてきた。

 それを質問され、リップルは立ち上がり、近くの棚にあった携帯機器を手に取り、食堂のテーブルの上で起動した。それは立体映像出力機で、リップルはその機器に、雷刀に収めていた情報棒を差し込み、一つの惑星を出力させた。

「惑星マシス。別名は、塩の星。ここに行って、ジャンを殺す」とリップル。「カッツィの本拠地でもあり、発電施設都市。ここに行って、ジャンと打合せ。ランスを返してもらう」

「ここがカッツィの本拠地である根拠は?」ブーチは椅子に寄り掛かった。「噂とか都市伝説は、だめだよ」

「念力を使って、頭首のジャンに発信機をつけた。そしたら、噂が事実になった」

「……一番上がいたの?」ブーチは顔をしかめた。

「さっきの惑星シストンで会った。カッツィは、ここから離れた恒星系でなにかをしてる。賞金稼ぎから資源を強奪したうえに、ランスという名前の女性魔術師の誘拐だからね。……飯を食って、出発の準備だ」リップルは立ち上がった。

「惑星マシスには行けない」ブーチも立ち上がり、立ったその場で言った。「危険なところだし。魔界に触れないことをオススメするけど。……人の救助は諦めて、銀河外縁部で賞金稼ぎを続けるほうが身のため。それか、賞金稼ぎを辞めて、人権を習得して、連邦政府管轄下のなかで安定した生活を送る。それが、今のあなたにとって無難な選択じゃない?」

「ランスという女の子は、俺に暖かいスープをくれた」とリップル。「まだ、お返しをしてない」

「さっきの惑星でなにがあったのかわからないけど、賞金稼ぎは、私情を挟まないルールだったでしょ? そのランスという人の救出依頼の報酬はあるの?」ブーチは、口論を避けるような口調ではあったが、契約や掟を前提に話していた。「サリーが、死体に情をかけるな、と言ったのなら、知らない惑星での出来事には沈黙をして、新たな活動をするしかないんじゃない?」

「サリーがいたから、賞金稼ぎをしてこれたし、今の俺がいる。サリーがいない今、俺の目的は、惑星マシスに行って、ランスを救出して、ジャンと会う」

「……とにかく、私は、魔界一次惑星、二次惑星には接近しない」ブーチは、まだ反対意見を言ってきた。「侵入なんて、危険すぎる。それに、送迎屋のルールにも反する。この船は、銀河連邦に所属していなくても、憲章に則りたい輸送船だからね。二級以上の一般外交権を取得していない船は、魔界の惑星には着陸してはいけない。さっきの着陸も、憲章違反だからね」

「そしたら、第二二宇宙基地まで送ってくれれば、それで良いよ。そこで、別の操縦士を探してみる」リップルは、ブーチを見た。「俺の空腹から救ってくれた人が、目の前で拉致されたら、黙っていられなくなっちゃってね」

「サリーの復讐もするの?」とブーチ。「この行動は、ランスさんのことだけじゃないでしょ?」

「さあね」リップルは、ここはお茶を濁した。「まあ、俺は気分屋でさ。まずは、ランスを救わなくちゃ」

「ちなみに、お金はあるの?」ブーチは聞いてきた。「第二二宇宙基地は、ここからだと若干遠いから、代金は高くなるよ」

 宇宙基地とは、宙域で点在する銀河連邦軍の基地であり、その数は無数にある。それらの基地の一部に観光地があり、一般輸送船の整備施設も存在している。場所に限りがあるものの、連邦に所属していない輸送船も受付している基地もある。

「ブツブツ交換はできる? この船の倉庫に仮置きしてた、これまでの活動報酬品が少しある」

「物によるね」ブーチは疑うような目で答えた。

「高価な物だったら、仮想体験装置に興奮情報を追加させることができる、覚醒基盤がある」と駄目元で答える。「脳神経と機械を繋ぐときに、その基盤を入れると、幸せになった気になる。主に、脳死状態の病人を元気づけさせる時に使われるもの。抵抗器を入れれば依存性のない興奮剤になる」

「それ、憲章違反じゃん」彼女は顔をしかめた。「変な客から貰ったんでしょ。そんなの、いらない」

「まあ、そうだよね。俺も使い道がなかったし、なかなか売れないからね。そのほか、修理キット、保存食の粉、妖界の水、これしかない」リップルは気を落とした。「……現金もなくなっちゃったから、大金は払えない。近くの惑星に落としてくれれば、それで良いや」と言った。

 サリーの小型船に財産があった分、この前の襲撃により、ほぼ無一文と同然の立場だった。いくつかの惑星に隠してある財産はあるが、それを集めるほどの移動資金が手元にもない。そのうえ、後払いは、どの送迎屋も嫌う。

「これまでの前払い額だと、第一八宇宙基地までになる。ごめんなさいね」ブーチも気を落とすように言った。「これが送迎屋の掟だし、私も、お金の面はギリギリだから。どんなお客さんだろうと、私情は挟まないことにしてる」

「……そうだったね」リップルは、また考えごとが増えるような気がして、頭が痛くなるようだった。「仕方ないや」

 ここで、銀河連邦の人権を持っていれば、補償の対象にもなり、生活施設と最低生活費が支給されるのだ。ここが、銀河連邦の人権有無の差である。

 リップルとブーチの会話が噛み合わない時は時々あったものの、ここまで互いの距離を置くような会話は初めてだった。おかげで、船内はどんよりとした静けさとなった。

 ブーチは、食堂の椅子に座り、サリーの拳銃を手に持って、じっとしていた。

 やがて、リップルが、この船内に残しておいた食料を取りに行こうとした時だった。

「この小包は?」陰ながら欲深いブーチが、惑星シストンで貰ってきた小包に興味を示していた。「さっきの惑星のお土産?」

「足のにおいを消す石鹸」と冗談を言った。「今も、膝まで伸びる長靴を履いてるから、さっきの惑星で買ってきたんだ」

「失礼ね。あんたに二回注意されて、足用の石鹸は買いました!」と顔を赤くした。

「冗談だよ、冗談」リップルは笑った。「さっき、ランスの拉致を防ごうと一二人の魔術師を殺したら、その行動に感謝したランスの母がくれたんだ」

「……魔術師を殺した?」ブーチは、小包を手にしながら、顔をしかめた。「初めてなのに、対応できたの?」

「うん。俺は特殊人間だから、魔力に対して念力と雷刀は有効だよ。それに、魔術師といっても、相手も人間の動きをするし、スティーアン人じゃなくてカッツィ団だ。動きは読める。……その小包の中身は見てない」と答えた。

 リップルは、小包とブーチを放置し、食堂奥の冷蔵庫を開けた。そこには、保存食の粉生地とスープが残っていた。発電石の回収仕事は長旅になるということで、サリーの船以外に、ブーチの船に、食料を積ませてもらっていた。おかげで、今の空腹を満たすことができそうだった。

「えーっ!」突然、食堂のテーブルでブーチの驚いた声が聞こえた。「マジ!」

「え、なになに?」リップルは保存食を持ちながら、慌ててブーチのところへ駆け寄った。

 小包には、青色に光る石が入っていた。食堂の机から青い輝きが放たれており、ブーチがその光に照らされていた。

「見てみて、準発電石だよ!」ブーチは、大金を見るような目で眺めていた。

「お、おう。でも、準だと価値は低いのかな?」とリップル。「輸送船だって、中型と準中型で大きさと価値はだいぶ違うし」

「そーんなことないよ」ブーチは準発電石を手に取った。「本来の発電石と違って、専用の制御装置なしで、石とプラグを直結することができる、素人にとってはお宝的存在。船を動かすほどの発電をする優れた石! しばらくのあいだ、燃料代が半分以下になるじゃん」

「そうなんだ」リップルは、ブーチに見えないように微笑んだ。「それをあげる、って言ったら、しばらく送迎係をしてくれるかな?」

「うん! ぜひ、リップルの送迎を担当する! だってこれは、連邦政府の原動機開発者だって欲しがる代物だよ! 食事と寝床つきで送迎してあげる」

 やはり、金物さえあれば、送迎屋が発揮された。

「それ、あげるからさ、惑星マシスに連れて行ってよ」リップルは、準発電石を指した。

「多少の条件はあるけど、付近までは行けるよ!」ブーチの目は輝いてた。「まず、食事をして、それから作戦会議をしましょ!」

 交渉は成立した。ブーチの興奮によって、旅は続けられそうだった。
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人物設定(イラスト有り) → https://www.pixiv.net/artworks/120358944
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