ホワイトコード戦記1 シンカナウスより

【後編のあとがき】

後編のあとがき

※これはこのお話を2024年3月に同人誌にした時の、上下巻の下巻のあとがきです。


　六日間連続で一日あたり一万字を書き続ける。そんなえげつないチャレンジを成し遂げて、原稿落としを回避した喜びと疲れすぎて沸いた頭でこの文章を書いている、そんな星白明です。
　前の一巻は書いていてそれなりに楽しいお話でした。次巻は苛烈なお話になりますと脅してもいました。今、自分はどれだけ心ない展開を主人公たちに課したのだろうと、書いたあとから自分で恐れおののいています。怒濤＆怒濤＆怒濤、地獄＆地獄＆地獄の展開の連続で、読む人の心を疲れさせていないか、今から少し心配しています。そして、シンカナウスという文明の中心の国や世界が舞台となった、このお話の下巻にあたる本作は、書いている方もとても辛くなるお話でした。世界が滅ぶというのはこういうことだ、と、あまりの救いのなさにちょっと心が折れそうです。書いている最中、何度登場人物たちの気持ちになって涙ぐんだことか分かりません。少しでもその胸中が伝わるものになっていればいいなと思っています。
　今回で、主人公は心の中でひとつの区切りを迎えました。自分はお人形では終わらない、という決意です。しかし、その決意を認めたのは、シンカナウスではたった二人だけでした。一人は主人公を生み出した博士ですが、もう一人が主人公の不倶戴天の敵になったのは、運命の皮肉というものでしょうか。
　さて、次回はいよいよろくでもないプロローグが終わり、ホワイトコードがホワイトコード戦記を始める（はずの）お話となります。今回も十分戦記だった？　どちらかというと絶対巻き込まれたくないバケモンみたいな戦いを繰り広げていただけのような……。

　とにもかくにも、今回もお読みいただき、ありがとうございます。気に入っていただけたようであれば、また次巻でもお会いできますと幸いです。それでは失礼いたします。

星白明



◆次巻予告◆

ホワイトコード戦記第三巻
「キルナテカスの王」前編

二千二十四年八月、開幕します。