愛妻弁当

月詠嗣苑

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「はぁ···」

「······。」トイレから戻った美月が、カレンダーを見ながら溜息をついていた。

「どうした?」なんとなく察してはいるが、敢えて口には出さず、声だけを掛ける。

「なんでもなぁい!ねっ!気晴らしにご飯食べにいこっ!」甘えたように、早口に喋り、まだ行くとも言わない内から出掛ける支度をしている。

「なぁ、たまには···」

「行かないわよ?あっちには···」笑顔だった美月の顔が曇る。

「たまには、和食なんかどうだ?駅の近くにさ···」と進めるが、

「んー、パスタがいいな!ほら、この間連れてってくれたじゃない?」

 最近、母さんの体調が思わしくなく、よく病院に通ってるらしいから、少し様子を伺いに行こうとしていたが、頭から却下されるとは···。

「ん?お前、また服買ったの?」美月が、着ていたスカートは初めて見るものだった。

「可愛いでしょ?ほらっ!」スカートを翻すと、チラッと太腿が見える。

「好きだねぇ。俺にはわからんよ···」軽く笑い、美月の頭を軽く撫でながら先に玄関を出た。

 結婚して、もうすぐ2ヶ月になるが、相変わらず美月は母をよく思っていない。父が亡くなり、女で一つで俺を育てるのに必死で夜の商売に入っていたのが、美月や美月の両親にはよくないらしい。

「おまたーせっ!いこっ!」

「······。」見れば、美月の身に付けているもの全てが見覚えのないものだった。服は愚か、履いてるヒール、肩に掛けているバッグも···

「よく似合うよ?買ったの?」さり気なく伺う。

「安かったの!いつもより3割引だったし···」いつもこうだ。

(付き合ってる時に、褒めすぎたかな?)

「今夜、頑張るよ···」

「うん」美月が繋ぐ手に力が籠もる。美月も俺も一人っ子だが、俺は子供はあまり欲しくない。美月は、かなり欲しがってる。

 パスタを食べ、ショッピングを楽しみながら帰った。

「じゃ、これしまってこよぉ」買ってやった服を手に美月は、寝室へと行き、後をついていく。

 バタンッ···

「美月···」服をクローゼットに閉まった美月を背後から抱き締め、服を弄る。

「ちょっ···啓ちゃ···」

 ンッ···ンゥッ···唇を塞ぎ、服を脱がし始める。

「美月···」裸になった美月を見下ろしながら、首筋に舌を這わしていく。

「啓ちゃ···あっ」固く張ってツンと上を向く乳首を軽く噛みながら、手は下へ下へと滑っていく。

 ピクンッ···

 茂みの中の湿地帯···。

「美月?足、開いて?」美月の中は、シットリと濡れて指を滑らせる。

 うっ···あ···

 美月は、枕の端を掴み顔を背ける···

 ズッ···

 んっ···んうっ···

 ズチュッ···ズブッ···

 はわっ!っ!

 美月の両足を少し持ち上げ、ゆっくりと腰を動かしていく。

 あっ···あっ···んっ···

 突く度に口から漏れる小さな声···

「くすっ···可愛いよ、美月···ふんっ!」

 はうっ!!んぐっ!

 小ぶりな乳房が揺れ、少し身体をくねらす美月。

 パンッ···パンッ···パンッ···と打ち付けるも美月の反応は変わらず、枕の端をひたすら掴んでいた。

「美月?出すから···」奥まで突き、中に放っていく。

(やっぱ、今日も無理だったか···)

 俺の下で胸を上下に波立たせる美月は、いまだイッたことはない。ギリギリのところまではいくらしいが···

 ふわぁ···

「眠くなった?少し寝るか?」優しく髪を撫でながら言うと、美月はなにも言わず目を閉じていった。

「······。」

 静かにドアを閉め、リビングへ···

 ソファに身を沈めると、母の事が頭に浮かぶ。

「明日にでも、こっそり行ってみるか」

 そう思った矢先···


「はぁぁぁぁぁっ?!倒れたって言うから···。なぁ?」

 傍にいる美月を見る。

「大丈夫···ですか?あの···」

「大丈夫よ!啓一!ほら、もうなんともないし」病室のベッドの上で、にこやかに笑う母さん。

「な···なら、なぁ···」美月は、俺の背中に隠れてチラチラ母さんの様子を伺っている。

「ただ、自転車に乗って転んだだけ。明日には退院出来るから。そんな心配しないの···」

 そう母さんは、言っていたけど···


「やだっ!絶対にやだかんねっ!」美月に母さんと同居してくれないか?と話しただけで、頭から反対する。

「頼むよ···。お前はさ、まだ親が若いからいいかもだけど、母さんこの間60になったんだよ」

「それは、知ってるけど。美月と誕生日同じだもん。それに···」

「なに···」ソファに座った美月は、クッションを抱え込んで、俺を見上げる。

「一緒に住んだらさ、啓ちゃんと仲良く出来ないし。赤ちゃん、早く欲しいもん···」

「へ?それだけ?それだけの理由で今まで反対してた?」

「うん···」そう言うと美月は、クッションに顔を埋めた。

「なんだ。俺てっきり、お前が母さんの事を嫌ってるのかと思ってたよ。じゃ、今夜は···ホテル泊まろ」

「ふふっ。啓ちゃんのえっち!」さっきまで機嫌の悪かった顔が、途端に明るくなり甘えてくる。


 少し早めの夕飯をレストランで済まし、車を走らせ郊外のラブホへと滑り込ませた。

 ガチャンッ···

 鉄製の重い扉を開けると、微かに煙草の匂いが鼻をつくが、中はきれいに掃除されていた。

「凄い···」美月とは、付き合っている時にも何度かこの手のラブホには来てはいたが、どのラブホよりも格別上だった。

「風呂、風呂···」

「う···うん」男と女とは、SEXに対する気持ちが違うのか、美月はソファに座ったままキョロキョロしていた。

「どうした?美月」

「な、なんか···凄くて。鏡はわかるんだけど···。大きな机に···あれドーベルマン?の置物あるし···」

「じゃ、こうする?」部屋の電気を調整して、美月の隣に座った。

「これなら、見えにくいだろ?」美月を抱き締め、軽く腕を叩く。

「風呂、どうする?今のうちに二人で入る?」

「うん···」

「まっ、そう気にするなって!母さん、お前のこと褒めてるんだし···」そう言いながら、バスルームへ···

 裸になり、あとから来た美月の服を脱がし始める。

「ま、まだ···こんな···あっ」壁に押し付け、下から乳房を揉むと段々と乳首が固くなってきた。

「おいで···洗ってあげる」手を引っ張り、中へと引き込んだ。

「身体くらい···あっ···」泡立てた手で、身体のひとつひとつを撫でるようにクルクルと洗っていく。腕も、背中も、乳房も···

「ほら、ジッとして···」

「でも···ひゃっ···んっ」壁にもたれかかり、声を出さないように耐えるも···

「だめ···ぇ···んっ」甘えた感じに声を出しては、ハッ!と我に返る美月···

「ほら、流すよ?」シャワーで、泡を洗い流しながらも、手は美月の弱い部分を攻め、風呂を出る頃には···

「啓ちゃん···抱っこ···」とひとりで歩くのもままならない位にヘトヘトになっている。

 バスローブを着せた美月をベッドへと運び···

 シュルッ···

 帯紐ベルトを外し、ほんのりとSOAPの香りが残る乳首を吸い込むように吸っていった···
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