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オマケ
旅路─のんで呑まれて
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今日も依頼をこなし、宿屋へと戻り次の日の準備をする。
現在時刻は夜の十時過ぎ。前のように夜更かし何かしたら翌日の活動に響くため、真面目にそろそろ寝ようかと風呂上がりに水を取りに行った。
一応部屋は男女で別けており、何やら男部屋の方が騒がしいことに気づく。ラナさんは今部屋に居らず、どうやらそちらに行っているようだ。
気になって部屋を覗き込む。どうやら俺が風呂に入っている間に酒盛りをしていたらしい。酔いつぶれたみゃーのの姿が見えた。
「…何か楽しそうだな」
「あら、リンドウ。上がったのね」
「リンドウもどうだい?お酒、飲んだことある?」
「酒の入ったチョコは食べたことある」
「果実酒があるわ。これなら口当たりも良いし、初めて飲むのにオススメよ」
「わーい」
透明なグラスに注がれたアップルグリーンの液体を見つめる。シュワシュワと音がするあたり、どうやら炭酸らしい。やべ、俺炭酸苦手だった。
強炭酸では無いことを願いながら、一口飲んでみる。しっかり弱炭酸だったので、安心して味わう。
色から察した通り林檎味だったようで、普通に美味しくすぐに飲み干してしまった。
おかわりを求めたところで、先程から喋っているのがルーファスさんとラナさんだけなことに気づく。みゃーのはベッドに撃沈しているし、赤目さんが見当たらない─
「リンドウ。ジークならこっち」
俺が探しているのに気づいたルーファスさんが、指でちょいちょいと隣の床を指す。テーブルで隠れて見えなかったが、床にばったりと倒れ伏している赤茶の長髪が。
「え、死んでる…?」
「生きてる生きてる。ラナと飲み比べ対決をしてね。酒の中身を『オーガ殺し』にすり替えられて見事負けたのさ」
「雑魚ジークなんて、余裕でしたわ」
ラナさん、悪いやっちゃなぁ…可哀想に。嵌められて負けたのか、赤目さん。オーガ殺しって、鬼殺しみたいなもん?多分、大分強いお酒だったんなろうなぁ…
意外にラナさんは酒豪らしい。先程からずっと酒をカパカパと飲んでいる。その横でニコニコと同じぐらい飲んでいるルーファスさんも、恐らく酒豪なのだろう。
うわばみカップルですか。そうですか。夜に二人でお洒落に飲み交わしてください。
全く酔う気配のない二人を横目に、倒れている赤目さんの横にしゃがみこむ。いつも一括りにしている髪はほどかれており、いつもはピッシリとした服を着ているが今は部屋着なのかラフな格好だ。
ツンツンと頭をつついてみれば、起きていたのか目が覚めたのか。う…と少し唸った後、気怠そうにゆっくりと顔を上げた。
「…ぅ…ん、りんどうか…?」
「おん。赤目さん、生きてる?」
「りんどう…」
「うん、な─にっ!?」
酔っているせいか蕩けた瞳と赤らんでいる顔が、一度揺らいでから真っ直ぐにこちらを見る。こてんと首を傾げて名前を呼ぶ赤目さんに、髪をほどいているのが珍しくていじっていれば、手首をグイッと引かれた。
そのまま赤目さんを押し倒すような形で倒れ込み、手に持っていたグラスが床に転がる。中身を飲み干しといてよかった…
起き上がろうとするが、がっちり体に腕を回されていて起き上がれない。クソ、ゴリラめ!!身体強化でも抜け出せないのマジでなんでだ!!!
「くっ…ちょっと、赤目さん!離せ!」
「りんど~…」
「あ、甘えた声を出したって、無駄なんだからな…」
「…………しおん」
「み"っ!?お、おおおい、だからって耳元で低い声は…ひゃっ!?」
ぐぐぐ、と力を入れて引き剥がそうとするがびくともしない赤目さん。あまつさえ、人の首元にすり寄ったかと思えば、耳を甘噛みしてきやがった!!!
酔ってるからって何しても許されると思うなよ!!!
…しかし、現在俺が身動きを取れないのも事実で。
「ひぅっ…な、ちょっ、くすぐった……みっ…ら、ラナさーん!!!たす、助け…ああ何か潰れてる!?いつのまに!?あああ赤目さ、耳やめっ…ひっ…」
「おやおやおや。じゃあ、私たちは失礼しようかな。ラナ、歩けるかい?」
「ルーファスさん!?出てかないで助け…」
「キノくんも連れてくね。それじゃあ、おやすみ~」
「アンタ実は酔ってるな!?!?ちょっとまっ」
「シオン、逃げるな」
「急に流暢に喋るな耳を舐めるな酔っぱらい!!ばか!!!!」
はむはむと噛まれていたかと思えば、ペロリと舐められる。別に耳が弱い訳ではないが、流石に驚いて体が跳ねる。……弱い訳ではない、断じて。
助けを求めて酒盛りをする二人の方を見れば、いつの間にかラナさんが酔い潰れていた。ルーファスさんは表情こそいつも通りだが、助けてくれるところを無視する辺り多分酔ってる。
これでわざとだったら絶対三日は口きくもんか。
ひたすらに身を固めて耐えるが、赤目さんは止まらない。なんならヒートアップしている気すらする。
今はもう耳から口を離しており、首元に顔を埋めたり髪に指を差し込んで撫でてくる。それが随分くすぐったくて、背筋がゾワッとした。
「んにゃ!?」
もはや意識を飛ばしたい等と考え始めれば、首が何か暖かいものになぞられる。舐められたと気づいたのは、がりっと噛まれた痛みを感じた時だった。
「な、な、なに、なにして…」
「ふっ…首が真っ赤だぞ、シオン」
「誰のせいだと…!というか、名前…」
「俺の物だという印をきちんとつけねばな…俺に名前を呼ばれるのは嫌か?」
「いつの間に赤目さんのものになったんだ、俺は…別に、嫌って程じゃないけど…なんか、慣れない」
「慣れるまで呼んでやる。シオン、髪が湿っているな。風呂上がりか?シャンプーの匂いがする…」
「っ、嗅ぐな変態!!」
首元でスーッと息を吸われ、バタバタと暴れる。しかし、勿論そんなことで拘束が外れる訳がなく。なんなら体制が少し変えられ、腕が自分と赤目さんの間に折り畳まれるようになってしまった。
抵抗らしい抵抗が出来なくなり、赤目さんは人の髪に鼻を寄せてスンスンと匂いを嗅いでいる。デリカシーと言うものを知らないのか、この酔っぱらい。
最早遠い目でこの酔っぱらいが寝落ちするのを待つ。が、そうは問屋が卸してくれなかった。
「シオン、こっちを向け」
「…やだ」
「…………」
「ちょっ、無理矢理向かすのはひきょ…んむっ」
ちゅ、と、聞き慣れない音がした。同時に唇に何か柔らかい感覚があり、すぐに離れる。かと思えば、それは連続で繰り返された。
あまりのことに固まっていれば、それをどう判断したのか。赤目さんは器用に俺を抱えて床から起き上がり、そのままふらふらとベッドへと向かう。
そこでようやく正気に戻る。
「っと、まてやコラ!?!?何を平然と人を抱えてベッドに直行してやがる!?」
「大丈夫だ、何もしない」
「ついさっきされた事を考えると信用出来ませんが!?」
「ほう?ついさっき、俺はお前に何をしたんだったか」
「…は?」
「言ってみろ。言えたら何もしない」
「……言えなかったら?」
「言えるまで覚え込ませる」
「鬼か貴様は」
ぽすっとベッドに乗せられる。赤目さんは俺に覆い被さるように乗ってきた。ギシリとベッドが軋む音がする。
「…この部屋ってさ、ベッド三つあるよね…」
「そうだな」
「俺はこっち、赤目さんはあっちで一つ挟んで寝ない?」
「同じベッドでいいだろう?」
「逆に何故それでいいと思ったこの野郎」
「ほら、早く俺が先程何をしたか言ってみろ。言えないのなら、俺は止まらんぞ」
「俺のファーストキスを奪われました」
「少しは恥じらってもいいんじゃないか?それと、責任は取ろう」
「責任はいいのであっちのベッド行ってください」
「…同じ部屋なのは構わないのか?」
「だって、あっちの部屋三人で寝てるだろうし…それとも、赤目さんここで一人で寝る?」
別にあっちの部屋のソファで寝てもいいんだけど、と言えば赤目さんが倒れ込むようにして俺を押し倒す。腕が重い。
そのまま足まで絡めるように抱き込まれてしまえば、またしても俺の自由は奪われる。今度は後ろから抱えられているため、余計に赤目さんが人の体に顔を埋めやがる。
何回くすぐったいって言ったら分かるんだ。くそぅ…
「………と」
「え?なに?」
「…ジークと呼べ。いつまでも適当なあだ名ばかりで呼ぶな」
「えー……嫌だと言ったら?」
「俺が今からお前に何をするかわからないな?」
「そ、そんな脅しには屈しな…ひゃっ!ま、また舐めっ…わ、かった!呼ぶから!!やめ、ん、あぅ…じ、ジーク!」
またしても首を舐められ、ちう、と吸われる。何をされているか予想が付き、顔が熱くなるのを感じる。いや、顔どころか身体中が熱い。もう一回風呂に行きたい。
名前を呼べば満足そうに赤目さんが止まる。もはや口から魂を出していれば、後ろから寝息が聞こえてきた。
こいつ、寝やがった!!!!!
いや、寝ていいんだけど。せめて、せめて…
「せめて、拘束緩めてから寝ろよ…!!」
数分後、俺は諦めて人の体温を感じながら寝たのであった。
翌朝、バッチリ全てを覚えていた赤目さんはその日から開き直ってスキンシップが多くなった。ちなみにラナさんとルーファスさんは記憶が大分あやふやで、みゃーのに至っては何も覚えていなかった。
ちなみにその翌日の夜、試しに俺も酔うまで飲んでみたところバッチリ記憶は残ったし、正直全て忘れてしまいたい。
何を仕出かしたかは聞かないでくれ。
現在時刻は夜の十時過ぎ。前のように夜更かし何かしたら翌日の活動に響くため、真面目にそろそろ寝ようかと風呂上がりに水を取りに行った。
一応部屋は男女で別けており、何やら男部屋の方が騒がしいことに気づく。ラナさんは今部屋に居らず、どうやらそちらに行っているようだ。
気になって部屋を覗き込む。どうやら俺が風呂に入っている間に酒盛りをしていたらしい。酔いつぶれたみゃーのの姿が見えた。
「…何か楽しそうだな」
「あら、リンドウ。上がったのね」
「リンドウもどうだい?お酒、飲んだことある?」
「酒の入ったチョコは食べたことある」
「果実酒があるわ。これなら口当たりも良いし、初めて飲むのにオススメよ」
「わーい」
透明なグラスに注がれたアップルグリーンの液体を見つめる。シュワシュワと音がするあたり、どうやら炭酸らしい。やべ、俺炭酸苦手だった。
強炭酸では無いことを願いながら、一口飲んでみる。しっかり弱炭酸だったので、安心して味わう。
色から察した通り林檎味だったようで、普通に美味しくすぐに飲み干してしまった。
おかわりを求めたところで、先程から喋っているのがルーファスさんとラナさんだけなことに気づく。みゃーのはベッドに撃沈しているし、赤目さんが見当たらない─
「リンドウ。ジークならこっち」
俺が探しているのに気づいたルーファスさんが、指でちょいちょいと隣の床を指す。テーブルで隠れて見えなかったが、床にばったりと倒れ伏している赤茶の長髪が。
「え、死んでる…?」
「生きてる生きてる。ラナと飲み比べ対決をしてね。酒の中身を『オーガ殺し』にすり替えられて見事負けたのさ」
「雑魚ジークなんて、余裕でしたわ」
ラナさん、悪いやっちゃなぁ…可哀想に。嵌められて負けたのか、赤目さん。オーガ殺しって、鬼殺しみたいなもん?多分、大分強いお酒だったんなろうなぁ…
意外にラナさんは酒豪らしい。先程からずっと酒をカパカパと飲んでいる。その横でニコニコと同じぐらい飲んでいるルーファスさんも、恐らく酒豪なのだろう。
うわばみカップルですか。そうですか。夜に二人でお洒落に飲み交わしてください。
全く酔う気配のない二人を横目に、倒れている赤目さんの横にしゃがみこむ。いつも一括りにしている髪はほどかれており、いつもはピッシリとした服を着ているが今は部屋着なのかラフな格好だ。
ツンツンと頭をつついてみれば、起きていたのか目が覚めたのか。う…と少し唸った後、気怠そうにゆっくりと顔を上げた。
「…ぅ…ん、りんどうか…?」
「おん。赤目さん、生きてる?」
「りんどう…」
「うん、な─にっ!?」
酔っているせいか蕩けた瞳と赤らんでいる顔が、一度揺らいでから真っ直ぐにこちらを見る。こてんと首を傾げて名前を呼ぶ赤目さんに、髪をほどいているのが珍しくていじっていれば、手首をグイッと引かれた。
そのまま赤目さんを押し倒すような形で倒れ込み、手に持っていたグラスが床に転がる。中身を飲み干しといてよかった…
起き上がろうとするが、がっちり体に腕を回されていて起き上がれない。クソ、ゴリラめ!!身体強化でも抜け出せないのマジでなんでだ!!!
「くっ…ちょっと、赤目さん!離せ!」
「りんど~…」
「あ、甘えた声を出したって、無駄なんだからな…」
「…………しおん」
「み"っ!?お、おおおい、だからって耳元で低い声は…ひゃっ!?」
ぐぐぐ、と力を入れて引き剥がそうとするがびくともしない赤目さん。あまつさえ、人の首元にすり寄ったかと思えば、耳を甘噛みしてきやがった!!!
酔ってるからって何しても許されると思うなよ!!!
…しかし、現在俺が身動きを取れないのも事実で。
「ひぅっ…な、ちょっ、くすぐった……みっ…ら、ラナさーん!!!たす、助け…ああ何か潰れてる!?いつのまに!?あああ赤目さ、耳やめっ…ひっ…」
「おやおやおや。じゃあ、私たちは失礼しようかな。ラナ、歩けるかい?」
「ルーファスさん!?出てかないで助け…」
「キノくんも連れてくね。それじゃあ、おやすみ~」
「アンタ実は酔ってるな!?!?ちょっとまっ」
「シオン、逃げるな」
「急に流暢に喋るな耳を舐めるな酔っぱらい!!ばか!!!!」
はむはむと噛まれていたかと思えば、ペロリと舐められる。別に耳が弱い訳ではないが、流石に驚いて体が跳ねる。……弱い訳ではない、断じて。
助けを求めて酒盛りをする二人の方を見れば、いつの間にかラナさんが酔い潰れていた。ルーファスさんは表情こそいつも通りだが、助けてくれるところを無視する辺り多分酔ってる。
これでわざとだったら絶対三日は口きくもんか。
ひたすらに身を固めて耐えるが、赤目さんは止まらない。なんならヒートアップしている気すらする。
今はもう耳から口を離しており、首元に顔を埋めたり髪に指を差し込んで撫でてくる。それが随分くすぐったくて、背筋がゾワッとした。
「んにゃ!?」
もはや意識を飛ばしたい等と考え始めれば、首が何か暖かいものになぞられる。舐められたと気づいたのは、がりっと噛まれた痛みを感じた時だった。
「な、な、なに、なにして…」
「ふっ…首が真っ赤だぞ、シオン」
「誰のせいだと…!というか、名前…」
「俺の物だという印をきちんとつけねばな…俺に名前を呼ばれるのは嫌か?」
「いつの間に赤目さんのものになったんだ、俺は…別に、嫌って程じゃないけど…なんか、慣れない」
「慣れるまで呼んでやる。シオン、髪が湿っているな。風呂上がりか?シャンプーの匂いがする…」
「っ、嗅ぐな変態!!」
首元でスーッと息を吸われ、バタバタと暴れる。しかし、勿論そんなことで拘束が外れる訳がなく。なんなら体制が少し変えられ、腕が自分と赤目さんの間に折り畳まれるようになってしまった。
抵抗らしい抵抗が出来なくなり、赤目さんは人の髪に鼻を寄せてスンスンと匂いを嗅いでいる。デリカシーと言うものを知らないのか、この酔っぱらい。
最早遠い目でこの酔っぱらいが寝落ちするのを待つ。が、そうは問屋が卸してくれなかった。
「シオン、こっちを向け」
「…やだ」
「…………」
「ちょっ、無理矢理向かすのはひきょ…んむっ」
ちゅ、と、聞き慣れない音がした。同時に唇に何か柔らかい感覚があり、すぐに離れる。かと思えば、それは連続で繰り返された。
あまりのことに固まっていれば、それをどう判断したのか。赤目さんは器用に俺を抱えて床から起き上がり、そのままふらふらとベッドへと向かう。
そこでようやく正気に戻る。
「っと、まてやコラ!?!?何を平然と人を抱えてベッドに直行してやがる!?」
「大丈夫だ、何もしない」
「ついさっきされた事を考えると信用出来ませんが!?」
「ほう?ついさっき、俺はお前に何をしたんだったか」
「…は?」
「言ってみろ。言えたら何もしない」
「……言えなかったら?」
「言えるまで覚え込ませる」
「鬼か貴様は」
ぽすっとベッドに乗せられる。赤目さんは俺に覆い被さるように乗ってきた。ギシリとベッドが軋む音がする。
「…この部屋ってさ、ベッド三つあるよね…」
「そうだな」
「俺はこっち、赤目さんはあっちで一つ挟んで寝ない?」
「同じベッドでいいだろう?」
「逆に何故それでいいと思ったこの野郎」
「ほら、早く俺が先程何をしたか言ってみろ。言えないのなら、俺は止まらんぞ」
「俺のファーストキスを奪われました」
「少しは恥じらってもいいんじゃないか?それと、責任は取ろう」
「責任はいいのであっちのベッド行ってください」
「…同じ部屋なのは構わないのか?」
「だって、あっちの部屋三人で寝てるだろうし…それとも、赤目さんここで一人で寝る?」
別にあっちの部屋のソファで寝てもいいんだけど、と言えば赤目さんが倒れ込むようにして俺を押し倒す。腕が重い。
そのまま足まで絡めるように抱き込まれてしまえば、またしても俺の自由は奪われる。今度は後ろから抱えられているため、余計に赤目さんが人の体に顔を埋めやがる。
何回くすぐったいって言ったら分かるんだ。くそぅ…
「………と」
「え?なに?」
「…ジークと呼べ。いつまでも適当なあだ名ばかりで呼ぶな」
「えー……嫌だと言ったら?」
「俺が今からお前に何をするかわからないな?」
「そ、そんな脅しには屈しな…ひゃっ!ま、また舐めっ…わ、かった!呼ぶから!!やめ、ん、あぅ…じ、ジーク!」
またしても首を舐められ、ちう、と吸われる。何をされているか予想が付き、顔が熱くなるのを感じる。いや、顔どころか身体中が熱い。もう一回風呂に行きたい。
名前を呼べば満足そうに赤目さんが止まる。もはや口から魂を出していれば、後ろから寝息が聞こえてきた。
こいつ、寝やがった!!!!!
いや、寝ていいんだけど。せめて、せめて…
「せめて、拘束緩めてから寝ろよ…!!」
数分後、俺は諦めて人の体温を感じながら寝たのであった。
翌朝、バッチリ全てを覚えていた赤目さんはその日から開き直ってスキンシップが多くなった。ちなみにラナさんとルーファスさんは記憶が大分あやふやで、みゃーのに至っては何も覚えていなかった。
ちなみにその翌日の夜、試しに俺も酔うまで飲んでみたところバッチリ記憶は残ったし、正直全て忘れてしまいたい。
何を仕出かしたかは聞かないでくれ。
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